8億円ゴミは未確認だった 籠池氏がジャーナリストに明かす

森友学園内を歩く籠池前理事長(3月)/(C)日刊ゲンダイ
森友学園内を歩く籠池前理事長(3月)/(C)日刊ゲンダイ
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  • 2017年5月10日

 元船橋市議でジャーナリストの立花孝志氏が、今月4日、森友学園の籠池泰典前理事長と3時間半にわたって大阪で面談した。前日、立花氏は籠池氏の長男・佳茂氏とフェイスブックで知り合い、お互いに気になっていた3月6日の森友学園の産廃業者社長の急死について、情報交換のための場をもうけることになったのだ。見えてきたのは、土地の値引きや小学校認可申請取り下げに関して、籠池氏の持つ情報の薄さだ。核心である「8億円のゴミ」の根拠も把握していなかった。

■2回目のゴミ

森友問題の最大の肝は国有地払い下げで8億円が値引きされた根拠である2回目のゴミの発見だが、驚くことに籠池氏はゴミを確認していなかった。

「(2016年3月ごろ)施工業者の藤原工業関係者が落ち込んだ表情で打ち合わせをしていたんです。『またゴミが出てきたんですわ』と言われた。これ以上開校を延期できないと思って、近畿財務局、本省(財務省)に掛け合うことにしたんです。ゴミの確認? わからんのですわ。見てないんです。藤原工業は私に情報をガードしていました。藤原工業は維新の先生からの紹介です。疑うたりするのは失礼でしょう」

 ゴミはなかったか、微量だった可能性がある。立花氏は、「落ち込んだ表情の打ち合わせは“芝居”だったのではないか」とみる。

■認可取り下げ

今年3月の小学校認可申請取り下げでも籠池氏は状況をよく把握しないまま実行してしまっていた。進言した当時の顧問弁護士の酒井康生氏への憤りは今も続く。

「酒井弁護士は、尋常じゃない様子で、『認可申請を取り下げないと藤原工業が倒れる』と言ってきた。藤原が倒れるようなことしたら悪いから、取り下げなあかんのかなあと思って取り下げました。その直後に酒井弁護士は辞任したのですが、(事務所の)上から言われているので降りると一方的に言ってきました。真っ青な表情だったのが印象的です」

3時間半に及ぶインタビューを終え、立花氏はこう言った。

「実際にお会いしてわかりましたが、籠池さんはウソをつける人ではなく、人を信用しきってしまうタイプ。施工業者や顧問弁護士を疑わず、任せていた。工事関係のことなど、ほとんどご存じない。自分が何も知らないまま、幕引きなどもってのほかだと思っているため、情報発信の意味も込め、私に接触してきたのでしょう」

この日の籠池氏は、大阪府の松井一郎知事ら維新については終始、憤慨していたというが、安倍首相夫妻や自民党への“文句”はなかったという。今でもシンパシーを感じているようだ。

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