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マクロンは本当に2017年フランス大統領選挙で有権者の支持を得ていたのか? by limitlesslife
May 17, 2017, 11:03 pm
Filed under: Uncategorized

太田さん

私の疑問に答えていただき、ありがとうございました。
若干コメントします。

1. 私のメールは、まっぺんさんのメールを見る前に出しましたが、私は、まっべんさんの議論に
ほぼ同意します。

2. フィヨンについて
彼が、妻ぺネロプに勤務実態がないのに多額の給与を支払っていた疑惑(下院議員時代)について、
1月に検察が捜査を開始 しました。(子供にも払っていたそうです)
彼は不利な立場にあった、と言ったのはこのことです。
コンドルセ方式と結びつけたのは、言い過ぎでした。フィヨンはけしからんと感じていたので。

フランスでは、共和党の関係者が「敗れたのは右派(共和党)ではなく、フィヨンだ」と述べました。

3. コンドルセ方式の妥当性については、現在は私には分かりません。
ただし、投票方法が複雑になるので難しいのではないか、との印象を持ちます。

4. ルペンが負けたのは幸いでしたが、1000万票以上獲得、得票率3分の1という事実は、
恐ろしいことです。

加藤周一氏が、フランス人はドイツ占領下にあって、10%の人たちはナチに進んで協力、10%はレジスタンス、
80%はいろいろな段階のいろいろな理由による協力をした可能性があると書いた(「常識と非常識」p73-74)ことを
思い出します。

阿久津孝志

—–Original Message—– From: OHTA, Mitsumasa

阿久津さん

お元気でしたか。お久しぶりです。

On 2017/05/13 17:49, 阿久津 wrote:

太田様

長らくご無沙汰しています。

次の疑問についてご教示ください。

1.コンドルセ式選挙制度を採用している国はあるのでしょうか。
私の知るかぎり、主要国でこの方式を採用しているところは無いと理解していますが、

これは間違っていますか。

別便で他MLでの私からの応答メールを転送しますが、その中でも指摘したように、私も採用国は把握していません。

2.シミュレーションの方式が十分理解できません。もう少し分かりやすく説明していただけませんか。
これについて記述しているこういう本を読みなさい、ということでも結構です。

投票者が一番目に好ましい候補者に一番、二番目に好ましい候補者に二番というように、全候補者に選好順位を付けます。そうすると、マクロン対ルペンなど、あらゆる組み合わせの2人対決についての全投票者の判断が分かります。つまり、第1回投票での1位マクロン、2位ルペンというのは、あくまでマクロンとルペンに投票した有権者だけの範囲内での両人に対する評価ですが、コンドルセ式制度の基本となる選好順位付き投票をすることで、「全投票者による全2人対決(総当たり戦)の評価」が可能となるのです。

例えば仮定2の「フィヨン支持者の選好順位はフィヨン>マクロン>メランション>ルペン」は、フィヨンに第1回投票で投じた有権者は、2番目に好ましい候補者にマクロンを、3番目に好ましい候補者にメランションを…というふうに選ぶということです。単純化していますので、フィヨン支持者すべてがこうした選好をすると仮定しています。

3.フランスの制度に問題はありますが、コンドルセ式のほうが望ましいということに、いかなる意味があるのでしょうか。

候補者が4人いる場合、フィヨンがあらゆる2人対決で勝利し、つまり3勝し、かつ他の候補者はよくて2勝の場合、フィヨンを勝利者とするのが自然です。こうしたフィヨンを決選投票に参加させないフランス式2回投票制は民意を測定できないわけですから、コンドルセ式が優れていると思います。

4.フィヨンは、今回、明らかに不利な立場にありました。
私は、彼は予想より多くの得票を得た、と思います。
そのようなフィヨンが当選するような方式は望ましくない、と考えます。

不利な立場という意味が理解できませんが、「フィヨンが当選するような方式は望ましくない」というご意見は、阿久津さんという1人の有権者が望ましくないと思う候補者を当選させる制度は望ましくない、ともとれます。

「選挙市民審議会」でも例えば独裁者を排除できる選挙制度が望ましいという意見も出ているのですが、選挙制度は原理的に特定の思想傾向の候補者を排除できる機能を持ち合わせていません。選挙制度はあくまでも有権者による候補者の判断を忠実に映し出すだけの仕組みを提供するものです。独裁者を排除できる選挙制度というものは倫理的にではなく機能的に無理というものです。別の仕掛けがないとできません。

最大の民意の支持を得ていない候補者が当選するのはけしからんという批判なら成り立ちますが、阿久津さんの4番のご質問の意味はいまいち分かりません。

ちなみに私はフィヨンがマクロンより優れているという判断をしているわけではなく、有権者の選好が仮定のようであるなら、民意に従って当選してしかるべきはフィヨンであるということを指摘することで、民意を忠実に測定できないフランス式2回投票制を批判したいわけです。

太田光征

よろしくお願いします。

阿久津孝志

—–Original Message—– From: OHTA, Mitsumasa

[転送・転載歓迎します。重複受信の際はご容赦ください。]

2017年フランス大統領選挙はフランス式2回投票制によってマクロンが勝利を収めました。しかし、コンドルセ式選挙制度であれば、マクロン勝利という結果にはならなかった可能性があります。

コンドルセ式選挙制度とは、投票者が候補者すべてに選好順位を付けた投票を行い、候補者に総当たり戦、すなわちあらゆる組み合わせの2人対戦を行わせ、全投票者による絶対多数決で候補者間の選好順位を決めるものです。

実際の第1回投票では下記の有力4候補がかなりの接戦でした。

エマニュエル・マクロン(中道、無所属、新自由主義)
マリーヌ・ルペン(極右、国民戦線、保護主義)
フランソワ・フィヨン(中道右派、共和党、新自由主義)
ジャンリュック・メランション(左翼党、反新自由主義)

2017年フランス大統領選挙を下記の仮定で単純化して、コンドルセ式選挙制度のシミュレーションをしてみます。

仮定1:上記4候補が立候補し、第1選好投票(第1回投票に相当)の得票数は下記の通りとする。

マクロン 24
ルペン 23
フィヨン 22
メランション 21

仮定2:フィヨン支持者の選好順位はフィヨン>マクロン>メランション>ルペンとする。
仮定3:マクロン支持者の選好順位はマクロン>フィヨン>メランション>ルペンとする。
仮定4:メランション支持者の選好順位はメランション>フィヨン>マクロン>ルペンとする。
仮定5:ルペン支持者の選好順位はルペン>フィヨン>マクロン>メランションとする。

結果は、フィヨン>マクロン>メランション>ルペンという選好順位となり、マクロンではなくフィヨンが勝者となります。

コンドルセは、フランス式2回投票制のように相対多数の上位2名だけで決選投票を行うことの不合理を教えているのです。

太田光征

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

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