大阪の学校法人「森友学園」に対し、大阪地検が強制捜査にのり出した。一昨日の午後7時すぎに始まった家宅捜索は、きのうの朝まで異例の時間帯におこなわれた。

容疑は、運営する幼稚園で、教員数と障害のある園児数に応じて支払われる大阪府の補助金を、虚偽の申請書を提出するなどして詐取したというもの。

さらに、豊中市で開校を計画していた小学校舎の建設で、金額の異なる3通りの契約書を作り、最も高額の分を国に出して補助金を不正受給した補助金適正化法違反の疑いもある。

保護者の中には「子どもを利用した裏切りがあったのなら許されない」と憤る人もいる。

両容疑とも公金の不正だ。検察は籠池泰典前理事長らに加え府や国の関係者からも事情を聴き、解明に努めてほしい。

一連の問題は、同学園が学校用地として国有地を格安で買い入れたことで発覚した。

財務省は鑑定価格からごみ撤去費として8億円余りを差し引き、近隣地の約1割の1億3400万円で売却した。なぜここまで値引きされたのか、その経緯は今も定かではない。

地元の大阪府豊中市議らは「不当な安値で売却し、国に損害を与えた」として財務省近畿財務局職員らを背任の疑いで告発し、地検が受理している。

背任の立件には「国に損害を与える意思があったかどうか」などの立証が必要となる。

きのうの朝、会見した籠池氏は、深夜に捜索した検察を批判した上で、安倍首相夫人の昭恵氏を小学校の名誉校長に迎えて国有地の買い取りを進めた経緯に言及し、「忖度(そんたく)する形ですべてが動いたと今も認識している」と述べた。

問われるのは忖度の中身であり、安倍首相への配慮があったのか、その認識と行動だ。

地検に求められるのは、国有財産の処分として価格や決定のあり方が適法だったかを明らかにすることだ。「文書は廃棄した」と主張する財務省関係者からも事情を聴き、関連資料を集めて捜査を尽くしてほしい。

昭恵氏は名誉校長を、問題発覚まで1年半、引き受けていた。国会で野党は、昭恵氏と学園のつながりが値引きの背景にあるのではと追及し、昭恵氏の国会招致を求めた。だが与党は拒み、疑問が残ったままだ。

籠池氏は国有地取得までの3年半、国との交渉の節目で昭恵氏に「交渉経緯を報告した」と主張している。学園が強制捜査を受けた今、昭恵氏は説明責任を果たすべきだ。