脱原発へ、韓国・台湾を変えたのは

(e潮流)脱原発へ、韓国・台湾を変えたのは 竹内敬二
朝日新聞 2017年7月4日16時30分

議論の急展開に驚いている。

「古里原発1号機の永久停止は、脱核国家への第一歩だ」「原発が安全でもなく、安
くもないことが明白になった」

まず、6月19日、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が、同原発を停止する記念
式典でこう宣言した。

原発の建設計画を白紙に戻すこと、運転寿命の延長をしないことも言明した。そして
子供たちと壇上に並び、一緒に「閉鎖ボタン」を押すパフォーマンスまで行った。

それまで、隣国の新大統領がこんなにはっきりした脱原発の姿勢をもつとは知らなか
った。

韓国は世界6位、25基の原発をもち、原発推進の国というイメージがある。原発輸
出にも力を入れ、2009年、韓国が日仏の企業を抑えて、アラブ首長国連邦の原発建
設を受注したときは、国中が沸いた。

変わったのか? 韓国の知り合いに電話すると「福島の事故で意識が大きく変わった
」という。「年配の人は『原発なしでは電気代が上がる』というが、若い人は事故を嫌
がっている。かなり大統領を支持すると思う」

そして6月27日に、進行中の新古里原発の5、6号機の工事が中断になったことで
、脱原発の現実味が増した。

6基の原発をもつ台湾。ここでは今年1月、「25年末までに全原発を停止」とした
改正電気事業法が可決され、脱原発の道をスタートした。今から8年後、すぐそこだ。

東京電力福島第一原発事故の後、原発に寛容だった国民党の馬英九(マーインチウ)
政権が、完成近い龍門原発2基の工事を止め続けた。脱原発の流れをつくり、蔡英文(
ツァイインウェン)・新政権(民進党)が受け継いだ。

韓国、台湾の共通点は2つ。原発は運転寿命(台湾は40年、韓国は30年か40年
)を経たあとに止める。そして、今後は自然エネに力を入れる。

福島第一原発事故は確かに近隣の原発意識と政策を変えつつある。ただ、すんなりと
脱原発に向かうとは限らない。

今後が興味深いが、私たちは、「さてどうなるか?」と見ているだけでいいのか。い
ちばんに政策変更が必要なのは、事故を起こした日本だ。
(元朝日新聞編集委員)

http://www.asahi.com/articles/DA3S13018851.html

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

Categories 原発廃止

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