2017年7月21日20時31分
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題をめぐる国会審議で、事実と異なる説明をしたり確認を拒み続けたりするなど、政府側の対応が原因で少なくとも14時間が空費されたことが朝日新聞の調べでわかった。国会審議の2日分に相当する長さ。真相解明に後ろ向きな政府の姿勢を映した形だ。
24、25日には衆参両院の予算委員会で首相が出席する閉会中審査がある。「せっかく開くなら国民が『分かった』と納得してもらうまで説明する」と自民党幹部に話した安倍晋三首相の答弁が改めて問われる。
「総理のご意向」などと記された文部科学省の内部文書の存在を朝日新聞が特報した5月17日から、首相外遊中に閉会中審査があった7月10日まで、加計学園問題を担当する内閣府、文科省、農林水産省と関係が深い衆参の計10委員会を対象に審議内容を調べ、質疑と答弁の時間を集計した。
政府の事実と異なる説明が発端で空費されたのは、9時間3分。大半を占めたのが、「総理のご意向」文書の存否や内容をめぐるやり取りだった。政府は当初、「怪文書のようなもの」(菅義偉官房長官)とその存在を否定したため、再調査結果をもとに存在を認め、首相が反省を口にした6月16日の審議を含めて7時間44分が空費された。
このほか、学部の新設予定地の愛媛県今治市が公開した行政文書には記載があるのに、政府が十分な確認をせずに費やされたのが2時間23分。安倍政権が獣医学部新設を検討すると表明する前の2015年4月に首相官邸で市職員と面会していた政府側の人物などがわからなかった。
政府内で見解が食い違ったり説明の根拠を示せなかったりしたせいで、議論が進まなかった時間も2時間36分に上った。このうち、加計学園を念頭にした「2018年度開学」のスケジュールについて、文科省は決定前から認識していたと認めたが、内閣府は「明示的に聞いた記憶はない」と主張。57分費やしても相違は埋まらなかった。
学園は首相の友人が理事長を務めており、首相との関係が最初に問われた3月8日の衆院文科委員会までさかのぼれば、空費された時間はさらに増える。(南彰)
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