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9月1日の民進党代表選に向けて、前原誠司元外相と枝野幸男元官房長官の論戦が続く。
候補者自身が「盛り上がっていない」と認めざるを得ない国民の関心の低さは、崖っぷちにある党の現状の反映だろう。
だが、政権党に代わりうる「もう一つの受け皿」があってこそ、健全な民主主義は成り立つ。野党第1党には、それを形にする責任がある。
その意味で、気になるのは他の野党、とりわけ共産党との選挙での連携をめぐる議論だ。前原氏は消極的、枝野氏は積極的だとされ、討論会で支援者同士が言いあう場面もあった。
見失ってはならない現実がある。小選挙区制を中心とする衆院選挙制度の下で、野党がバラバラでは、自民・公明の連立与党に対し、勝ち目は乏しい。
安倍政権の慢心を正し、暴走を防ぐためにも、野党勢力の結集が不可欠なのは明らかだ。
論戦も終盤。そうした議論は横に置いて、より建設的な政策論争に力を注いではどうか。
両氏はともに旧民主党政権の中枢を経験し、深い挫折も味わってきた。その2人のこれまでの論戦で、民進党がめざすべき社会の土台は見えてきた。残る期間、さらに政策論争を深めるために三つの注文がある。
一つは社会・経済政策だ。
前原氏は「All for All」、枝野氏は「お互いさまに支え合う」という。
人口が減る社会で、若者や高齢者の不安を解消するために、教育の負担軽減や介護福祉士らの給与アップが欠かせない。そんな両氏の主張はわかる。
問題は実現への道筋だ。財源に消費税を挙げる前原氏と、当面は国債をあてるという枝野氏のどちらに現実味があるか。制度設計をもっと聞きたい。
二つめは原発政策だ。両氏とも「ゼロ」をめざすという。
いまも民進党は「2030年代ゼロ」を掲げるが、電力会社の労組への配慮から、脱原発の先頭には立っていない。
前原氏に現状を乗り越える気があるのなら、電力労組との向き合い方を語るべきだ。一方、枝野氏は「廃炉はビジネスになる」と語る。具体的なプランを聞きたい。
三つめは、政治や行政を透明にするための具体策だ。
森友、加計学園問題や自衛隊の日報問題で露呈した安倍政権の隠蔽(いんぺい)体質に、国民の不信が募っている。民進党ならではの文書管理や情報公開のあり方を踏み込んだ形で示してほしい。
国民が思わず足を止める。そんな議論を望む。