森友・加計学園問題、終わっていない 新聞27社が社説でくぎ刺す

衆院選から一夜明け、記者会見に臨む安倍晋三首相(左)=東京都千代田区で23日、小川昌宏撮影

 衆院選の結果を報じた23日朝刊では、全国の新聞の少なくとも27社が社説で森友・加計学園の問題に触れた。安倍晋三首相に引き続き納得のいく説明をするよう求め、自民党の勝利で幕引きとし「過去の問題」と片付けないよう主張している。この問題を巡って首相は「質問があれば答える」としているが、選挙期間中の街頭演説などでは積極的に説明する態度を示さなかった。

「みそぎ」ではない/丁寧な説明を

 全国紙では毎日新聞、朝日新聞、日本経済新聞が取り上げ、自民党の勝利によっても「不信感が払拭(ふっしょく)されていない」などと主張した。比較的広い地域で発行するブロック紙はいずれもこの問題に触れた。中国新聞は首相の妻の昭恵さんや加計学園理事長を挙げて「国会に招いて話を聴くことも必要ではないか」と踏み込んだ。

 地方紙には一連の問題について選挙戦での説明不足に厳しい目を向けるところがあった。愛媛新聞は「街頭演説では全く触れず、党首討論などでも質問にまともに答えなかった。説明責任をまるで果たしていない」。福井新聞は「圧勝でみそぎを受けたという姿勢ならば『1強』のおごり体質そのままと言わざるを得ない」。熊本日日新聞も「選挙で信任されたとばかりに、疑惑に終止符を打つようなことがあってはならない」とくぎを刺した。

 首相は23日の記者会見で「これからも国会で質問いただければ丁寧にお答えさせていただきたい」としたものの「国会審議をすべてご覧になった方には、かなりご理解をいただけたものと思っている」と従来の説明を繰り返した。さらに、野党側から加計学園問題への説明を求められたTBSテレビの党首討論番組(9日)などを念頭に「一部のテレビ局においては、他の政策議論よりも大変多くの時間を割いて説明させていただいた」と述べ、既に一定の説明をしたとの立場を強調した。【青島顕】

取材拒否に批判の声 首相夫人の地元回り

総決起大会の会場のロビーに張り出された掲示。ロビーでの撮影も警備の警察官にとがめられた=山口県下関市竹崎町の市民会館で19日

 安倍晋三首相の山口県下関市の事務所が衆院選期間中、妻昭恵さん(55)の出席する演説会や会合の取材を拒否した。昭恵さんは森友学園問題の渦中にいたこともあり、有権者にどのような説明をするか注目されていた。地元での「森友・加計学園問題隠し」に批判が出ている。

 昭恵さんは、地元山口4区に入らない首相に代わり、選挙期間中に地元を回ることになっていた。

 公示日の10日、地元報道機関でつくる「下関市政記者クラブ」の記者の囲み取材に応じたが、直前に地元秘書が記者クラブ幹事社に「森友・加計問題に触れたら取材を打ち切る」と通告したため、問題に関する質問ができなかった。

 この日、下関市で開かれた出陣式には問題の追及を掲げて同区に無所属で立候補した黒川敦彦氏と山本太郎参院議員が姿を見せ、終了後に昭恵さんに握手を求めた。

 翌11日、地元の山口新聞に黒川候補と握手する昭恵さんの写真が掲載されると、事務所の対応が一変。事務所は記者クラブに対し、選挙期間中に地元で開催する全ての個人演説会や総決起大会の取材を「主催者権限」で拒否すると口頭で一方的に通告した。演説会や総決起大会には昭恵さんが出席することになっていた。街頭演説などの予定も一切公開されなくなり、13日に予定されていた昭恵さんの各社合同インタビューも一方的にキャンセルされた。

 記者クラブは抗議するとともに取材規制の撤回を文書で申し入れたが、事務所は取材拒否を撤回しないことを文書で回答した。ツイッターに昭恵さんを「取り囲みましょう」などと呼び掛けがあり「危害を加えかねない動きがある」として、来場者らの安全確保や演説会などの円滑な運営のためだとした。昭恵さんが候補者本人でないことも挙げた。記者クラブは再度、文書で抗議したが事務所は改めて口頭で拒否を伝えた。

 終盤の19日、下関市で開かれた総決起大会。ロビーに報道関係者の会場への立ち入りを禁じる紙が張られ、警察官が警備にあたる「厳戒態勢」が敷かれた。記者はロビーに漏れてくる演説の音を聞くしかなかった。

 22日夜、安倍首相の当選を受けて昭恵さんは事務所で報道各社の取材に応じたが、森友・加計問題には触れなかった。

 森友学園が大阪府豊中市の国有地の格安の払い下げを受けた問題では、昭恵さんが森友学園の計画していた小学校の名誉校長を一時務めていたことが明らかになっている。【上村里花】


23日朝刊の全国紙・ブロック紙社説の森友・加計学園問題への言及(要旨)

毎日新聞   首相は選挙での勝利を口実として、過去の問題だと片付けるべきではない。

読売新聞   (言及せず)

朝日新聞   首相の「丁寧な説明」は果たされていない。行政の公正・公平が問われる問題だ。勝ったらリセット、とはいかない。

日本経済新聞 政権への不信感はなお払拭されていないと見るべきだろう。「みそぎは済んだ」などと浮かれないことである。

産経新聞   (言及せず)

北海道新聞  国民が納得していないのは明白だ。首相は「丁寧な説明」を実行に移す責務がある。

河北新報   選挙で「みそぎ」が済んだわけではない。今後も丁寧な説明が求められる。

中日新聞   選挙を経たからといって免責されるわけでもない。東京新聞 首相自身、問題の解明に進んで協力し、丁寧な説明に努めるべきである。

中国新聞   政府側には、納得できる説明が求められる。昭恵夫人や加計学園の加計孝太郎理事長を国会に招いて話を聴くことも必要ではないか。

西日本新聞  首相は自らの疑惑を払拭し切れなかった。

Categories アベノミス

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