日本の政治を著しく歪める創価学会と公明党の「急所」

高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

街頭演説をする公明党(央・山口代表)/(C)日刊ゲンダイ
街頭演説をする公明党(央・山口代表)/(C)日刊ゲンダイ
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 先日、元公明党議員の話を聞く機会があった。創価学会、そして公明党が陥っているアイデンティティー危機は想像以上に深刻なようである。何よりも、カリスマ的指導者に祭り上げられてきた池田大作名誉会長が、もはや巨大な学会組織の統合力としての機能を失っている。周知のように、池田は2010年5月の本部幹部会に出席して以降、今日まで6年半にわたって一切、人前に姿を現していない。その原因は元議員によれば重病で「正常な判断力を示すことができない生ける屍」状態にあるからである。

学会が昔のように日蓮正宗の信者団体という位置づけであれば、会長が交代すればいいだけの話だが、教義やご本尊の扱いをめぐる対立が高じて、91年に日蓮正宗から破門された後は「池田教」として組織の存続を図らなければならなくなったのだから、これは存亡の機である。

ところが、700年からの歴史を持つ教義とご本尊を捨てて、別の何かを立てるのが容易なことではないことは、門外漢にも分かる。混乱続きの末に、13年には信濃町に「大誓堂」を建設し、それに合わせて「日蓮世界宗創価学会」という世界的な宗教団体を立ち上げ、その会長を日本創価学会の会長が兼ね、その配下に「創価学会インタナショナル(SGI)」加盟の世界156団体を支部として組み込むという組織構図に移行しようとしたが、異論続出でまとまらず、結局、今も教団としての形すら定まらない。その状態で池田が生ける屍ではまずいので、「元気にしておりますよ」という話にして、その虚構を維持するために流行作家並みの勢いで本を出したり、写真展を開いたりしているが、もちろんすべて本部スタッフの代作である。

学会それ自体がどうなろうと世間とは無関係だが、問題はこの教団が公明党という政治部隊を抱えていて、教団が危機に陥れば陥るほど、権力からの介入・弾圧を恐れて限りなく自民党にすり寄っていこうとしていることで、これが日本の政治を著しく歪める原因となっている。現在、ミイラ同然の池田の威光を背に学会を仕切っているのは原田稔会長、谷川佳樹・八尋頼雄両副会長ら「東大閥」で、彼らは組織崩壊を恐れて自民党にしがみつこうという路線に徹している。

それに対して、正木正明前理事長はじめ「創価大閥」は、もうこんなことはやめて、連立解消、小選挙区制撤退、平和の党に戻ろうという路線だが、今のところ前者の「毒を食らわば皿まで」派の優位は変わりそうにないという。

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