永岡です、関西テレビの、みんなのニュース報道ランナー、滋賀で2003年に起きた介護施設での老人の死亡に関して、殺人罪で服役した女性、Aさん(番組では実名報道でしたが、ここに私人の実名を挙げる必要はなく、アルファベットにします)の冤罪を訴える主張が取り上げられました。以前毎日放送のVOICEでも取り上げられましたが、今回改めて報じられました。VOICEの報道の後で、Aさんを支援する集会があり、多くの支援者が集まりました。
2003年に、当時72歳の男性が施設で死亡し、警察はAさんを、人工呼吸器を外して殺した、背景に介護施設での待遇の悪さがあったとして、しかしAさんの犯行を裏付ける物証は一切なく、Aさんは自白を法廷では否認しても、任意の取調べでの自白は信用性が高いとして、一審で有罪、控訴、上告も棄却されて、Aさんは懲役12年の判決を受けて、服役し、この夏に満期出所しました。しかし、まず、自白は証拠にならないと、私は中学生の際の社会科の授業で40年以上前に習っていますが、これは拷問を禁止するのと同義であり、しかし、Aさんの言うところでは、取調べは任意と言うものの、刑事から亡くなった男性の写真を見せられて、申し訳ないと思わないのかと、はっきり言って恫喝し、そして、Aさんが認めると、優しくするという、要するに誘導尋問、これは近代刑法で禁止されているもので、そして、Aさんは兄二人に対してコンプレックスを持ち、それを刑事に突かれて、刑事の言うがままにストーリーを自白してしまったのです。もちろん、取調べの可視化があったらこんなアホなことにはなりません。
これは、死亡した男性の、人工呼吸器を外すと、アラームが鳴り、それを止めるボタンを押したなど、警察のストーリーはあり得ず(Aさんの証言は一定しないもの、それを弁護団が指摘しても裁判所は取り合わなかった)、そして自白が唯一の証拠になり有罪であるものの、弁護団は井戸謙一先生がついて、取調べの問題も指摘されて、そして、VOICEでも取り上げられた、死亡した男性の血中のカリウム濃度が低く、人間は亡くなる時にカリウム濃度は上がるのにおかしく、これは自然死、病死の可能性があるとして、再審を請求して、大阪地裁は認めず、年内にも大阪高裁の結果が出るもので、スタジオでも菊池幸夫弁護士は、物証のない事件で、自白には不自然な面があり、冤罪の可能性を指摘されて、Aさんは、この間両親に支えられて、お金のあるわけでもなく、その間に支えてくれたAさんは無罪判決が両親への、何よりの親孝行と言われるのです。
これは、2010年の村木さんの事件でも、このようなことがあり、当時、おはようコールで二木啓考さんが、今の検事はマニュアル通りの捜査しかできないと指摘されたのを思い出し、何より、刑事事件では物証が必要なのに、未だに自白が重視されて、背景には事件で犯人の検挙、裁判官には有罪判決が出世になる雰囲気があり、そして、警察組織でも、この国に長くとどまる、間違っていたら謝るということができない、特に権力者の場合はその傾向が強く、以前、自由なラジオで、木内みどりさんが、ありがとうもごめんなさいと言える人間になろうと言われていましたが、日本のエリートにとって、この二つはできず、自分より弱いものを蔑み弾圧して(この最悪の結果が関東大震災時の朝鮮人虐殺)、より強いものにこびへつらい(安倍総理のトランプ大統領への卑屈な姿勢を見たら一目瞭然)、冤罪事件の甲山事件で、被害者は、日本は冤罪大国で、原因は昭和天皇が戦争責任を取っていないためと以前指摘されたのを聞いており、おそらく警察の体質は戦前のままであり、もちろん、日本の会社組織は戦前のまま、どれだけ暴走しても何もできず、今不祥事の発覚した神戸製鋼の経営者たちの無能さを見たら、この国のエリートたちがどれだけ無能か分かります(おそらく、神鋼の経営者たちは最後は安倍総理が助けてくれると思っているでしょう、太平洋戦争で最後に神風が吹くと信じたのと同じです)、こんな中で、人権を規定した憲法を改悪したら、真っ先に戦争になることは確実です、こんな愚行を権力者にさせてはなりません、以上、報道ランナーの内容でした。