米軍機トラブルは必然…原因は沖縄の自然環境による腐食

読谷村の現場では嫌がらせ(C)共同通信社
読谷村の現場では嫌がらせ(C)共同通信社
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 また米軍ヘリのトラブルだ。8日夕方、沖縄・読谷村儀間の廃棄物処分場に米軍普天間基地所属のAH1攻撃ヘリが不時着。現場の東側約500メートルには住宅地、南側には大型リゾートホテルがあり、あわや大惨事だった。6日には同じく普天間配属のUH1ヘリがうるま市伊計島の砂浜に不時着し、この日、撤去作業を終えたばかり。米軍機の事故やトラブルが相次ぐのは必然で、その原因も米軍はとっくに把握している。

■米当局も認めた機体の劣化

米海兵隊当局が年間基本運用方針をまとめた「米海兵航空計画2018」。その中で初めて策定したのが、在日米軍機の機体保護を目的とした米本国の基地などとの航空機の交換(ローテーション)計画だ。

なぜ、このような計画が必要なのか。理由は沖縄の過酷な自然環境だ。海域に囲まれた沖縄の塩害や強風などが、米軍機の腐食を加速させているというのである。

 米海兵隊は計画の目的について、「機体の劣化を加速させる沖縄やハワイなどの環境下における時間を削減する」とメリットを強調。沖縄配備の時間を減らせば、その分だけ機体の保護と整備に充てる時間も予算も削れるという理屈だ。

この計画をスクープした沖縄タイムスが米海兵隊当局に取材すると、沖縄などの腐食が起こり得る厳しい自然環境下で運用されている軍用機を必要に応じて他基地配属機とローテーションすることにより機体を保護するのが目的などと趣旨を説明したという。米軍当局が、沖縄の自然環境が機体に与える悪影響を認め、世界的な規模で対策を取るのは初めてとみられる。

昨年から頻発する米軍機による事故の背景に、大型輸送ヘリCH53の老朽化や米国の軍事費削減による整備体制の悪化が指摘されてきたが、何てことはない。沖縄の過酷な環境に機体を置いておくだけで、米軍機は自然とオンボロになると米軍も認めたわけだ。

■日米地位協定見直しに動くべき

米軍機は日米地位協定に基づく「航空特例法」により、日本の航空法の適用外という「治外法権」状態が続いている。普天間所属のヘリなどは沖縄だけでなく、日本全土の上空を好き勝手に飛び回り、全国の米軍基地を自由に往来している。沖縄の過酷な環境で腐食し劣化した米軍機がいつ、どこから墜落してきてもおかしくないのだ。

いざ事故が起きても、日米地位協定が妨げとなり、日本の捜査権は及ばない。伊計島の不時着現場もヘリを中心に二重の規制線が張られ、沖縄県警は外周の規制線を警護するのみ。米兵がメインローターやプロペラを外す作業を見守るだけで、事故機の調査や乗組員への聞き取りは一切できないまま。8日午前にCH53が不時着機をつり上げて撤去するまで黙って見ているしかなかった。

「8日の読谷村の不時着現場も日本のメディアが事故機を撮影しようとすると、米軍関係者がカメラに向けて投光器の光を浴びせ、機体を撮らせないよう嫌がらせをしていました」(現地メディア関係者)

 こんな到底、独立国とはいえない対米間の不平等な現実は世界を見渡しても異常だ。

「日本と同じ、先の大戦の敗戦国で米国と同盟関係にあるドイツは主権に基づき、米軍機の国内法順守を認めさせています。安倍首相は自民党の新年仕事始めで、『占領時代の仕組みを変える』と改憲に意欲を燃やしていましたが、それを言うなら、『占領時代そのもの』の日米地位協定の見直しに真っ先に動くべきです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

国民の生命と財産は二の次で、米国にシッポふりふりのポチ政権の下では、いくら命があっても足りない。

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