支え合い 新たな芽
「歴史の峠」に 街なかで 農山村で
ふるさとを ここに 第一部
「歴史の峠」に 街なかで 農山村で
ふるさとを ここに 第一部
「歴史の峠」という言葉があります。
国内人口が1億2780万人超に上り詰め、
下り坂に入ろうとしていた2004年に
長野県がまとめた中長期ビジョン「未来への提言」
に出てくる言葉です。
一つの時代が終わり、全く違う次の時代の風景が見えてくる
「峠」に私たちは立っているー。
それから14年。
リーマン・ショック、東日本大震災と原発事故などを経て、
「私たちを取り巻く問題はさらに大きくなった」。
提言の取りまとめに関わった経済学者、神野直彦さん
(日本社会事業大学長)は言います。
戦後の経済成長と一億総中流社会を支えてきた雇用、
家庭は様変わりしました。
非正規雇用が全体のなお3分の1を超え、
あと20年余りで4割の世帯が独り暮らしになるともいいます。
個人にも地域にも「自己責任」や「自立」を求める掛け声が
大きくなり、社会的な孤立、生きづらさ、将来不安を
感じる人が増えています。
ただ、神野さんは「未来が不確かな今こそ、
私たち一人一人がビジョンを考え、実現に向けて取り組む好機」
とも語ります。
街なかや農山村で、さまざまな人が交じり合い、穏やかに
暮らし続けられる「ふるさと」をつくる試みが芽生えています。
その先に、どんな時代の風景が展望できるのでしょうか。
・・・
信濃毎日新聞 2018年1月20日 一面
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