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「黒を白にしろと言われる」――。加計学園をめぐる問題で、すべてを知る立場にあった文科省の前川喜平前次官が、政権中枢からの“圧力”を暴露した。およそ1時間にわたる記者会見で語られたのは、「総理のご意向」によって「公平公正であるべき行政が歪められた」ことへの怒りと反省だった。
安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の獣医学部新設が「総理の意向」で進められたことを示す文科省の内部文書を官邸は怪文書扱い。
この文書について「本物だ」と断言する前川氏がメディアの取材に応じると、安倍官邸はスキャンダル情報を読売新聞にリークして、潰しにかかったとも報じられている。
さらには、菅官房長官は会見で「地位に恋々としがみつき、最終的にお辞めになった方」と前川氏をおとしめる人格攻撃まで。官邸がここまでエゲツないことをしなければ、前川氏も大々的に記者会見まで開いて洗いざらいブチまけることはなかったのではないか。
「後輩たちや、お世話になった大臣、副大臣にこの件でご迷惑をおかけすることになる。その点では大変に申し訳ないと思うが、あったことをなかったことにすることはできない」
冷静な口調ではあったが、腹をくくった覚悟が伝わってきた。会見で前川氏が強調したのは、「行政が歪められた」という点だ。それは公僕の矜持として、どうしても看過できなかった。すべてを明らかにすれば、国民の理解を得られると確信して、会見を開いたのだろう。
前川氏によれば、国家戦略特区の制度を使って、加計学園の悲願だった獣医学部の新設が認められたプロセスには重大な疑義があるという。本来のルールをねじ曲げて、加計学園に特別な便宜が図られたとしか見えないのだ。
国家戦略特区で獣医学部の新設を認めるにあたり、2015年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」では4つの条件が示されていた。
①既存の獣医師養成ではない構想が具体化すること
②ライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること
③それらの需要について、既存の大学学部では対応が困難であること
④近年の獣医師の需給の動向を考慮しつつ全国的な見地から検討すること
要するに、既存の獣医学部では対応できないニーズに応える獣医師を養成する場合にかぎり、新設を認めるということだ。ところが、加計学園の獣医学部は「需要の根拠が薄弱で、既存の大学でできないのか検証されていない。条件すべてに合致していない」(前川氏)という。
政府が決めた4つの条件をまったく満たしていないのに、昨年8月に国家戦略特区を担当する大臣が石破茂氏から山本幸三氏に交代した途端、一気に獣医学部の新設が動き始めた。問題の「総理のご意向」文書が作成されたのも、昨年9月から10月だ。
「石破氏は4条件を厳しくチェックしようとしてたし、獣医師会に近い麻生大臣も獣医学部の新設に反対していた。それを覆し、自分たちが閣議決定したルールさえ無視して進めることができるのは、安倍首相の強い意向だとしか思えません。4条件から逸脱していること自体が、友人のために特別な便宜を図った証拠と言える。加計学園は特区事業者に認定される前の昨年10月に、新設予定地のボーリング調査も行っています。すべて『加計学園ありき』で動いていたのです」(ジャーナリストの横田一氏)
ここまで状況証拠がそろい、国民の間にも「行政が歪められた」ことへの疑念が広がっている。前川氏自身も「応じる」と言っている以上、証人喚問ですべてを明らかにするしかない。