官邸に逆らえば更迭…夏の人事で文科省“前川一派”大粛清

安倍官邸(左)と文科省の前川前次官/(C)日刊ゲンダイ
安倍官邸(左)と文科省の前川前次官/(C)日刊ゲンダイ
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 霞が関にとって、6月は人事のシーズン。「加計学園文書」の流出で官邸の怒りを買った文科省には、粛清の嵐が吹き荒れるとみられ、職員は戦々恐々となっている。

文科省の前川前次官の捨て身の告発に、心ある官僚が続くことを期待したいが、現役職員は今回の騒動の“とばっちり”を恐れて逃げ腰だ。

「もちろん、心情的には前川前次官に共感するところはあります。でも、官邸に牙をむくなんて、そんな恐ろしいこと、できるわけがない。この夏の人事でどんな報復が待っているか、分かったものじゃありませんから」(文科省関係者)

実際、官邸は文科省にカンカンだ。審議官や局長クラスに息のかかった経産官僚を送り込み、文科省を解体するプランも浮上しているという。「加計文書」共有の実名入りEメールを民進党に流出させた犯人捜しにも血眼になっている。

 例年、通常国会が閉じると、中央省庁の人事異動が行われる。

安倍官邸は内閣人事局の創設で幹部の人事を掌握し、霞が関に睨みを利かせてきた。官邸の方針に逆らえば左遷、忠犬のように働けば昇進というアメとムチ。そういう情実人事で官僚機構を支配下に置き、かつては政権を潰す力をも持っていた財務省も軍門に下った。某省の幹部職員が言う。

「大臣が了承した人事案も、菅官房長官が首を縦に振らないと通らない。官邸の意向を反映するまで、何度でも突き返されます。財務省、経産省のような主要省庁だけでなく、昨年はTPP関連で、農水省人事にまで手を突っ込んで、霞が関を震え上がらせた。官邸の方針に抵抗した局長を飛ばして、経産省から幹部を送り込み、農水省を事実上の“子会社化”したのです」

安倍首相は1日、ニッポン放送の番組収録で一方的な前川批判を展開。「次官であれば、『どうなんですか』と大臣と一緒に私のところに来ればいい」「なんでそこで反対しなかったのか」などと不満をブチまけた。だが、在任中に批判しようものなら、容赦なくクビにするのが、この政権のやり方だ。

 1日、森本康敬釜山総領事を退任させて、後任にドバイ総領事を充てる人事が発表された。

報道によれば、森本氏が知人との会食の席で、官邸の方針を批判したことが総領事交代の原因とされる。

「私的な会合での発言まで問題視するのは異常ですよ。誰が密告したのか知りませんが、審議中の共謀罪の懸念がすでに現実のものになっている。また、こういう記事が出ることで、官邸批判は絶対に許さないという霞が関へのメッセージにもなります」(元外交官の天木直人氏)

しかも、森本氏はノンキャリだ。出世レースや退官後の生活で生殺与奪を官邸に握られたキャリア官僚は、輪をかけて物を言えなくなる。

「今はまともな行政を取り戻せるかの瀬戸際です。官僚機構が一致団結して抵抗すれば、政権はひとたまりもないのです。官僚は自らの保身や組織防衛より、まず国家国民のことを考えて欲しい。官邸のために体を張った財務省の佐川局長が出世し、公正公平な行政を取り戻そうとした文科省の前川一派が粛清されるようなことがあれば、この国はオシマイです」(天木直人氏=前出)

霞が関の反乱を潰すために、官邸はどんな手を使ってくるのか。この夏の人事に注目だ。

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