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安倍首相は1月4日、伊勢神宮に参拝後の記者会見で「今年こそ憲法のあるべき姿を国民に提示、憲法改正に向けた国民的議論を深めていきたい」と述べ、憲法改正に突き進んでいる。
だが「改憲」と言っても、国民投票で多数の賛成を得るため、第9条1項の「戦争放棄」と2項の「陸、海、空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」はそのままにし、新たに「自衛隊の保持」を認める第3項を追加するだけだ。これでは次に「自衛隊は戦力ではないのか、3自衛隊は事実上、陸、海、空軍ではないか」との論議が再燃し、「憲法9条論議に終止符を打つ」という安倍首相の目的は果たせないだろう。
自衛隊の存在を明記しても、現実的に考えればそれが日本の防衛、安全保障に有効とは思えない。「自衛官の士気が高まる」と言う人もいるが、現在でも自衛隊の士気が低いわけではない。もちろん平時だから戦意に満ちているはずはないが、規律は他国の軍隊と比較してもかなり良いほうだろう。有事の場合を考えても、前線の兵士が危険を冒して戦うのは、主として仲間から軽蔑されたくないためであるのは戦場心理学の定説で、憲法を考えつつ戦闘する兵士はまずいないだろう。
米国のベトナム戦争のように戦争の大義が怪しく、長期化すれば士気、規律も低下するが、専守防衛で自国を守るのなら士気にまず問題は生じない。もし自衛隊が国民に白眼視されていれば士気に響くこともあろうが、2015年の内閣府の世論調査では自衛隊に「良い印象」を持つ人は41.4%、「どちらかといえば良い印象」が50.8%で計92.2%だ。
■形骸化した条文を無理に潰しても実益はない
「侵略を受けた場合どうするか」の質問に「自衛隊に志願する」と答えた人は男性の10.8%、女性の3.2%で、男約670万人、女約250万人が自衛隊に押しかければ大変だ。そのほか「何らかの方法で自衛隊を支援する」という人は男女計56.8%、「ゲリラとなって抵抗する」という無謀、勇敢な人も1.9%いる。
東日本大震災での活躍で自衛隊支持が急増したと思われがちだが、実はそうでもない。1950年7月にマッカーサーの指令で7万3000人の「警察予備隊」がつくられ、再軍備が始まったが、その年の11月15日の朝日新聞の世論調査では「軍隊の創設」に賛成が53.8%、反対が27.6%で国民の約3分の2は再軍備支持だった。その後も支持は徐々に高まり、東日本大震災の2年前、2009年の内閣府の調査でも自衛隊に「良い印象」「どちらかといえば良い印象」は計80.9%に達していた。
自衛官には「国民に敵視、軽視されている」との被害者意識を持つ人もいるが、妄想に近い。何事にも反対者はいるものだ。元航空幕僚長の田母神俊雄氏らは「こんな憲法では戦えない」と言い、安倍首相も「自衛隊を違憲とする議論が今なお存在しています。何かあれば命を張ってくれというのは無責任です」と述べた。これは自衛官が任用の際「日本国憲法及び法令を遵守し…事に臨んでは危険を顧みず責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえます」と服務宣誓をしたことを忘れた論だ。自衛官は現行憲法を承知の上で入隊したのだから、日本を守るため命を懸ける義務がある。現代の戦争では命の危険にさらされるのは軍人だけではない。
もし自衛官が「戦えない」なら逃亡か投降することになるが、有事の際、命令に反抗又は不服従は7年以下の懲役か禁錮で、それを教唆、扇動した者も同罪だ。総理大臣は自衛隊の最高指揮官であり、その人が「命を張ってくれとは無責任」と言えば、出動命令に反抗、逃亡した隊員が起訴されても「最高指揮官が危険な命令は無責任とおっしゃっていた」と主張できよう。
1947年の憲法施行から僅か3年後、憲法9条を起草したマッカーサー自身が再軍備を指示して、憲法9条は空文化し、国民の大多数が70年近くそれを容認してきたのだから事実上「9条無視」が定着した、とも言える。国連憲章の「旧敵国条項」と同様、すでに形骸化した条文を無理に潰しても実益はない。安倍首相の趣味に類するか、と思われる。
コメント:マッカーサーは共産主義の拡大阻止の為に日本に協力させようとしたのであり、ソ連崩壊で米ソ冷戦は米国の世界支配が行き渡りその弊害が出ている(アフガニスターン、イラク、リビアなどの国家破壊、北朝鮮・イランへの戦争姿勢など)。安倍政権の憲法敵視政策は戦争法・秘密法・共謀法など強行成立で憲法破壊を行っているが究極目的は憲法の心臓である九条の破壊であり戦力保持・戦争承認である。これは趣味どころか原爆の被害日本国民のみならず世界中に惨禍を与えた世界の為に戦争・戦力を放棄し、理想の先頭に立とうと決心し守って来た憲法を放擲するという国民・人類・生類への挑戦・執念である。自衛隊は世界第四位の軍隊でこれを九条に明記することは(特殊規定・変更規定優先の法理)戦力不保持を否定することである。従来の集団的自衛権否定を反故にしようという戦争法などは戦争放棄を破棄しようというものである。