国会で追及 厚労省が裁量労働制の根拠データを「捏造」か

質問する枝野立憲民主党代表(左)、合同ヒアリングする野党(右)/(C)共同通信社
質問する枝野立憲民主党代表(左)、合同ヒアリングする野党(右)/(C)共同通信社
拡大する

 19日の国会報告が見モノである。厚労省が、裁量労働制で働く人の方が一般労働者よりも労働時間が短い――と示したデータに疑義が生じている問題。安倍首相はデータを巡る国会答弁の撤回と陳謝を余儀なくされたが、15日の衆院予算委でまた仰天事実が分かった。根拠データに「捏造」の疑いが浮上したのだ。

安倍や加藤勝信厚労相が答弁の根拠にしてきたのが、2013年度の「労働時間等総合実態調査」のデータだ。予算委で質問に立った立憲民主の逢坂誠二議員が、この調査以外のデータの有無を質問すると、厚労省の山越敬一労働基準局長は「そういったデータは持ち合わせていない」と答弁。さらに逢坂議員が「(裁量労働制と一般労働者を)同じ条件で比較したのか」と問うと、山越局長は「限られたデータの中で調査した」などとモゴモゴ。この答えに逢坂議員は呆れ返り、「違うデータを比較したら捏造できる」とカンカンだった。

 根拠データがひとつしかない上、比較対象の前提条件が異なれば、いくらでも鉛筆をナメ放題。恣意的な数値を導き出すのも簡単だ。国の重要政策を決める厚労省がそんなインチキをやっていた疑いがあるなんて唖然ボー然だ。

分からないのは、いい加減なデータを基に「働き方改革」関連法案を「おおむね妥当」と加藤に答申した、厚労省の労働政策審議会(労政審)の判断だ。一体、何を議論していたのか議事録を確認して驚いた。労働者代表の委員が裁量労働制は時短どころか長時間労働を招く――と懸念し、具体的な反証データを示していたからだ。例えば、昨年9月4日の労政審労働条件分科会。労働者代表の委員はこう説明していた。

〈2015年4月から5月にかけて、ITエンジニアの労働条件、裁量労働制の実態調査をさせていただきました。調査の母数としては1066人の方から頂いておりまして、このうち200人ぐらいが裁量労働制の適用になっている。労働時間に関しては、裁量労働制が適用されている方のほうが、適用されていない方に比べて労働時間がやはり長くなっているという傾向があります〉

〈特に納期前など、忙しい時期の1日の労働時間を比較しますと、12時間及び13時間以上の割合が非適用者に比べて約10ポイント高くなっているという調査結果が出ています〉

〈業務量に関してですが、(略)法定労働時間を優に超える業務量であると答えている人が38%ほどいる。裁量労働制の対象業務拡大はもとより、現状の裁量労働制における労働時間の実態については、昨今過労死の現状など見ると少し危機感を覚えざるを得ないと考えております〉

そして、労働者代表の委員はこうも言っていた。

〈労働災害ということで見ると、みなし労働時間制ということで労働時間の実態把握が難しく、労災の申請も難しいということが、弁護士の方々からの意見として出てきたように聞いております〉

現行の裁量労働制適用者でさえ、長時間コキ使われ、労災申請もままならない現実があるのだ。こんな恐ろしい奴隷制度をデータを捏造してでも拡大しようとしている安倍政権はマトモじゃない。

Categories Uncategorized

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this:
search previous next tag category expand menu location phone mail time cart zoom edit close