農家に住み、医学を学ぶ
・・
もっと社会性をもった医学を建設したいと願うのである。
そのためには社会科学方面のすぐれた学者を、
この農村医科大学に集めなければならないであろう。
農村の社会学や経済学、また福祉に関する科学が
十分に説かれねばならない。
・・
従来の医学は、あまりにも治療にかたよっていた。
予防、あるいは、リハビリテーション(社会復帰)
の方面への努力が薄かった。
これからはこれを大きく補正しなければならない。
それには医学が民衆の方向に向きをかえなければ駄目である。
医学は民衆のためにある。
そこで、そのための教育が特に大事となるが、私は、教養課程で
学生たちといっしょに暮らすことが何より大切と思っている。
そして、学生たちをできたら寄宿舎に住まわすよりも、
農家に住んでもらおうと思っている。
各自、農家に民宿である。
・・
その目で農民の現実を見てもらいたい。
医者が稲刈を手伝ってはおかしいかもしれないが、
手伝っていけないというわけでもないであろう。
・・
働く人たちや一般庶民に共感をもてないようで、
どうしてほんとうの学問や技術を発展させることができるであろうか。
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もっと社会性をもった医学を建設したいと願うのである。
そのためには社会科学方面のすぐれた学者を、
この農村医科大学に集めなければならないであろう。
農村の社会学や経済学、また福祉に関する科学が
十分に説かれねばならない。
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従来の医学は、あまりにも治療にかたよっていた。
予防、あるいは、リハビリテーション(社会復帰)
の方面への努力が薄かった。
これからはこれを大きく補正しなければならない。
それには医学が民衆の方向に向きをかえなければ駄目である。
医学は民衆のためにある。
そこで、そのための教育が特に大事となるが、私は、教養課程で
学生たちといっしょに暮らすことが何より大切と思っている。
そして、学生たちをできたら寄宿舎に住まわすよりも、
農家に住んでもらおうと思っている。
各自、農家に民宿である。
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その目で農民の現実を見てもらいたい。
医者が稲刈を手伝ってはおかしいかもしれないが、
手伝っていけないというわけでもないであろう。
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働く人たちや一般庶民に共感をもてないようで、
どうしてほんとうの学問や技術を発展させることができるであろうか。
(若月俊一著作集第1巻掲載論文「私の農村医大論」231ページ、1986)
初出は『望星』(3巻8号)1972
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