平和の詩・生命の詩:未来世代の訴え    (MLより転載)

魯参さん

平和の詩の反響報道をありがとうございました。
わたしの出したメールに対して、本人からも学校からも
返事がなくて残念に思っていましたが、100通ものメールが
届いていたならば、なかなか返事をかけませんね。
相良倫子さんの朗読を聞いて、1992年ブラジルでの環境サミットでの当時12歳だった日系カナダ人のセヴァン・スズキさんの
スピーチを思い出しました。
 
現在も環境活動家として活躍しているようですね。
相良倫子さんの将来の活躍も楽しみです。
 
ネットで調べたら、セヴァン・スズキさんのスピーチが出てきました。
26年以上経った今、再び読んでも感動を覚えました。
真実を語ることは、時を経ても色褪せないものですね。
 
以下に転載します。
 

こんにちは、セヴァン・スズキです。エコを代表してお話しします。エコというのは、子供環境運動(エンヴァイロンメンタル・チルドレンズ・オーガニゼーション)の略です。カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、今の世界を変えるためにがんばっています。あなたたち大人のみなさんにも、ぜひ生き方を変えていただくようお願いするために、自分たちで費用をためて、カナダからブラジルまで1万キロの旅をしてきました。

 今日の私の話には、ウラもオモテもありません。なぜって、私が環境運動をしているのは、私自身の未来のため。自分の未来を失うことは、選挙で負けたり、株で損したりするのとはわけがちがうんですから。

 私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。

 太陽のもとにでるのが、私はこわい。オゾン層に穴があいたから。呼吸をすることさえこわい。空気にどんな毒が入っているかもしれないから。父とよくバンクーバーで釣りをしたものです。数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまで。そして今、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを、私たちは耳にします。それらは、もう永遠にもどってはこないんです。

 私の世代には、夢があります。いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。でも、私の子どもたちの世代は、もうそんな夢をもつこともできなくなるのではないか?あなたたちは、私ぐらいの歳のときに、そんなことを心配したことがありますか。

 こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子どもの私には、この危機を救うのになにをしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたたち大人にも知ってほしいんです。あなたたちもよい解決法なんてもっていないっていうことを。オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう

 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。

 どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。

 ここでは、あなたたちは政府とか企業とか団体とかの代表でしょう。あるいは、報道関係者か政治家かもしれない。でもほんとうは、あなたたちもだれかの母親であり、父親であり、姉妹であり、兄弟であり、おばであり、おじなんです。そしてあなたたちのだれもが、だれかの子どもなんです。

 私はまだ子どもですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員であることを知っています。そうです50億以上の人間からなる大家族。いいえ、じつは3千万種類の生物からなる大家族です。国境や各国の政府がどんなに私たちを分けへだてようとしても、このことは変えようがありません。私は子どもですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。私は怒っています。でも、自分を見失ってはいません。私はこわい。でも、自分の気持ちを世界中に伝えることを、私はおそれません。

 私の国でのむだづかいはたいへんなものです。買っては捨て、また買っては捨てています。それでも物を浪費しつづける北の国々は、南の国々と富をわかちあおうとはしません。物がありあまっているのに、私たちは自分の富を、そのほんの少しでも手ばなすのがこわいんです。

 カナダの私たちは十分な食べものと水と住まいを持つめぐまれた生活をしています。時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持っているものを数えあげたら何日もかかることでしょう。

 2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。ひとりの子どもが私たちにこう言いました。

 「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べものと、着るものと、薬と、住む場所と、やさしさと愛情をあげるのに。」

 家もなにもないひとりの子どもが、わかちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、いったいどうしてなんでしょう。

 これらのめぐまれない子どもたちが、私と同じぐらいの歳だということが、私の頭をはなれません。どこに生れついたかによって、こんなにも人生がちがってしまう。私がリオの貧民街に住む子どものひとりだったかもしれないんです。ソマリアの飢えた子どもだったかも、中東の戦争で犠牲になるか、インドで物乞いをしていたかもしれないんです。

 もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えばこの地球はすばらしい星になるでしょう。私はまだ子どもだけどそのことを知っています。

 学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたたち大人は私たち子どもに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。たとえば、

* 争いをしないこと 
* 話しあいで解決すること 
* 他人を尊重すること 
* ちらかしたら自分でかたづけること 
* ほかの生き物をむやみに傷つけないこと 
* わかちあうこと 
* そして欲ばらないこと 

 ならばなぜ、あなたたちは、私たちにするなということをしているんですか。

 なぜあなたたちが今こうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったいだれのためにやっているのか。それはあなたたちの子ども、つまり私たちのためです。みなさんはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。

 親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子どもたちをなぐさめるものです。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりじゃあるまいし」とか。しかし大人たちはもうこんななぐさめの言葉さえ使うことができなくなっているようです。おききしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか。

 父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。しかしあなたたち大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。あなたたちはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、いわせてください。もしそのことばがほんとうなら、どうか、ほんとうだということを行動でしめしてください。

 最後まで私の話をきいてくださってありがとうございました。

(翻訳:ナマケモノ倶楽部)

(Her original English speech video is quoted at the end of this article)

             大塚卿之

             otsuka.shimoda@gmail.com

             http://www.wadashigemasa.com/
みなさん

(赤字部分読み落としで追加)

中3少女の平和の詩、反響呼ぶ 沖縄慰霊の日に暗唱朝日新聞 2018年7月29日 山下龍一 6月23日の「慰霊の日」の沖縄全戦没者追悼式で、沖縄県浦添(うらそえ)市立港
川中学校3年相良倫子(さがらりんこ)さん(14)が読んだ平和の詩「生きる」が、
今も反響を呼んでいる。著名人から絶賛される一方、厳しい声もあった。相良さんは多
様な意見が出た経験を糧に「もっと大きく物事を見られる人になりたい」と話している

 相良さんの元には「詩をもう一度読みたい」「感動しました」といった手紙やメール
が全国から100通近く届いた。高齢の人が戦争体験をつづり、「平和であることは大
事だと、また新たに気づかされた」と書いたものもあった。

 自分の好きな沖縄の景色から書き始めた詩。戦争の景色は怒りの感情を出そうと考え
た。放課後、国語の先生とマンツーマンで朗読の練習をした。

 本番では6分半にわたり、原稿を見ることなく、力強い声で暗唱した。その様子が全
国に放送された。

 落語家の立川談四楼さんはツイッターで「胸を打たれた。これを本当の愛国心と言う
」。ミュージシャンの後藤正文さんは、朝日新聞のコラムで「大人たちこそ、平和への
願いを自らの言葉で発するべきだろう」と書いた。一方で「大人にやらされている」と
いった声もあった。

 予想外の大きな反響。「私の詩に真剣に向き合ってくれた人がいて、伝わっていると
感じて、ありがたかった。戦争と平和について考えるきっかけを作れたかな」と受け止
めた。

 演台に向かうときは足が震えた。そのせいか「きっとわかるはずなんだ。/戦争の無
意味さを。本当の平和を」に続く「頭じゃなくて、その心で」という一節を飛ばしてし
まった。「私と同じような普通の中学生でも、平和というのは、難しいことでもなんで
もなくて、心で感じられるものとしてあるんだよということを伝えたかったのに、ショ
ックで」と振り返る。

 慰霊の日から1カ月。改めて自作の詩と向き合って、こう考える。「沖縄の風景だっ
たり、悲しい過去の歴史だったりとかに、もう一度深く向き合って、私たちの世代が考
え、つなげていかないといけない。次の世代に語り継ぐことが私たちの役目になると思
うし、それがふるさと沖縄に対しての恩返しになるかな」(山下龍一)

「生きる」の全文

私は、生きている。/マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、/心地よい湿気を孕(は
ら)んだ風を全身に受け、/草の匂いを鼻孔に感じ、/遠くから聞こえてくる潮騒に耳
を傾けて。

私は今、生きている。

私の生きるこの島は、/何と美しい島だろう。/青く輝く海、/岩に打ち寄せしぶきを
上げて光る波、/山羊(やぎ)の嘶(いなな)き、/小川のせせらぎ、/畑に続く小道
、/萌(も)え出(い)づる山の緑、/優しい三線(さんしん)の響き、/照りつける
太陽の光。

私はなんと美しい島に、/生まれ育ったのだろう。

ありったけの私の感覚器で、感受性で、/島を感じる。心がじわりと熱くなる。

私はこの瞬間を、生きている。

この瞬間の素晴らしさが/この瞬間の愛(いと)おしさが/今と言う安らぎとなり/私
の中に広がりゆく。

たまらなく込み上げるこの気持ちを/どう表現しよう。/大切な今よ/かけがえのない
今よ

私の生きる、この今よ。

七十三年前、/私の愛する島が、死の島と化したあの日。/小鳥のさえずりは、恐怖の
悲鳴と変わった。/優しく響く三線は、爆撃の轟(とどろき)に消えた。/青く広がる
大空は、鉄の雨に見えなくなった。/草の匂いは死臭で濁り、/光り輝いていた海の水
面(みなも)は、/戦艦で埋め尽くされた。/火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き
声、/燃えつくされた民家、火薬の匂い。/着弾に揺れる大地。血に染まった海。/魑
魅魍魎(ちみもうりょう)の如(ごと)く、姿を変えた人々。/阿鼻叫喚(あびきょう
かん)の壮絶な戦の記憶。

みんな、生きていたのだ。/私と何も変わらない、/懸命に生きる命だったのだ。/彼
らの人生を、それぞれの未来を。/疑うことなく、思い描いていたんだ。/家族がいて
、仲間がいて、恋人がいた。/仕事があった。生きがいがあった。/日々の小さな幸せ
を喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。/それなのに。/壊さ
れて、奪われた。/生きた時代が違う。ただ、それだけで。/無辜(むこ)の命を。あ
たり前に生きていた、あの日々を。

摩文仁(まぶに)の丘。眼下に広がる穏やかな海。/悲しくて、忘れることのできない
、この島の全て。/私は手を強く握り、誓う。/奪われた命に想(おも)いを馳(は)
せて、/心から、誓う。

私が生きている限り、/こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さない
ことを。/もう二度と過去を未来にしないこと。/全ての人間が、国境を越え、人種を
越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。/生きる事
、命を大切にできることを、/誰からも侵されない世界を創ること。/平和を創造する
努力を、厭(いと)わないことを。

あなたも、感じるだろう。/この島の美しさを。/あなたも、知っているだろう。/こ
の島の悲しみを。/そして、あなたも、/私と同じこの瞬間(とき)を/一緒に生きて
いるのだ。

今を一緒に、生きているのだ。

だから、きっとわかるはずなんだ。/戦争の無意味さを。本当の平和を。/頭じゃなく
て、その心で。/戦力という愚かな力を持つことで、/得られる平和など、本当は無い

ことを。/平和とは、あたり前に生きること。/その命を精一杯輝かせて生きることだ
ということを。

私は、今を生きている。/みんなと一緒に。/そして、これからも生きていく。/一日
一日を大切に。/平和を想って。平和を祈って。/なぜなら、未来は、/この瞬間の延
長線上にあるからだ。/つまり、未来は、今なんだ。

大好きな、私の島。/誇り高き、みんなの島。/そして、この島に生きる、すべての命
。/私と共に今を生きる、私の友。私の家族。

これからも、共に生きてゆこう。/この青に囲まれた美しい故郷から。/真の平和を発
進しよう。/一人一人が立ち上がって、/みんなで未来を歩んでいこう。

摩文仁の丘の風に吹かれ、/私の命が鳴っている。/過去と現在、未来の共鳴。/鎮魂
歌よ届け。悲しみの過去に。/命よ響け。生きゆく未来に。/私は今を、生きていく。

https://www.asahi.com/articles/ASL7S6DP8L7STPOB008.html?ref=nmail

 

(English translation of the above poem, the above addition already included at it posting)

 

I am alive.

Treading the great earth, transmitting the heat of the mantle,

Receiving the wind, impregnated with comfortable dampness, in the whole body,

Sensing the smell of the grass in the nostrils,

Listening to the sound of the sea coming from afar.

 

I am alive now.

 

What a beautiful island this is

Where I live!

The sea shining blue,

The wave glittering into splashes, dashing against the rock,

The neighing of a goat,

The babbling of a brook,

The path leading to farmland,

The budding green of the mountain,

The gentle sound of the Sanshin,

The light of the shining sun.

 

What a beautiful island,

Where I was born and raised!

 

I feel the island with all my senses and sensitivity.

My heart grows increasingly warm.

 

I am alive at this moment.

 

The splendor of this moment,

The affection of this moment,

Becoming a comfort of the now,

Is spreading within me.

 

How should I express this feeling

That is welling up unbearably?

Dear now,

Irreplaceable now,

The now where I live!

 

Seventy-three years ago,

That day my beloved island was transformed into an island of death,

The chirping of birds changed into screams of fear.

The gentle sounding Sanshin disappeared in the roaring of the bombing.

The great expansive blue sky disappeared in the rain of iron.

The smell of the grass was muddied with the smell of the dead,

The surface of the shining sea was filled with battleships.

The flame blowing out from the flamethrower, the crying of small children,

People’s homes burned out, the smell of gunpowder.

The earth shaken by the landing bombs, the sea dyed with blood,

People changing their appearance, becoming like demons and monsters,

Memories of a fierce battle in the screaming and shrieking.

 

Everyone was alive.

It was life living desperately – nothing different from me,

They imagined their lives, their respective futures,

With no doubt.

They had their families, their friends, and their lovers,

Their jobs, their life values.

They were delighted with their daily little happinesses.

They were the same human beings as I, having lived with others hand in hand.

And yet,

They were destroyed and deprived,

Just because the era they lived was different, only because of that,

Their innocent lives, those days that were lived as ordinary.

 

The Hill of Mabuni, a gentle ocean expanding under the eyes,

All of this island, sad, and unforgettable.

I firmly grip my hands and swear.

I swear from the bottom of my heart,

With my heart reaching the lives deprived.

 

So long as I live,

I absolutely will never allow war, which sacrifices so many lives,

Will never, ever make the past a future,

And will aim at a world of peace among all people, beyond nationality, beyond race,

Beyond religion, beyond all kinds of interests,

To live, to be able to cherish life,

To create a world unviolated by anyone,

To never give up the effort to create peace.

 

You will feel, also,

The beauty of this island.

You will know, also,

The sorrow of this island.

And you, also,

Live this same moment as I.

 

You live together with the now.

 

Therefore, you must surely understand

The meaninglessness of war, true peace,

Not with your brains, but with your hearts.

There is actually no peace gained

By having the foolish power of military power.

Peace is to live the life of course,

To let life shine in its fullness.

 

I am alive now,

Together with everyone.

And I will live from now on,

Dearly and carefully day by day,

Thinking of peace, praying for peace,

Because the future is

On the extending line of this moment,

In other words, the future is now!

 

My favorite island,

A proud people’s island.

And all the lives that live on this island.

I am living my life with me, my friends, my family.

 

Let’s continue living together from now on also.

From this beautiful homeland surrounded by this blue.

Let’s transmit our message of true peace.

Each person standing up,

Let’s each one of us rise up

And walk the future with everyone.

 

 In the winds of the hill of Mabumi,

My life is ringing, blowing,

The resonance of past, present, and future.

Let the requiem reach the past of sorrow!

Let life reverberate

In the future we live in!

I live in this very now!

 

(translated and posted by Rosan Yoshida, edited by Erin Davis)

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