
眉唾モノの公約にだまされてはいけない。大激戦が伝えられる沖縄県知事選(30日投開票)で、「日米地位協定の見直し」をブチあげている自公推薦候補の佐喜真淳前宜野湾市長(54)。県民にとって耳当たりのいい政策を並べているが、実現できるかは疑問だ。
■公明の推薦を得るための「お題目」
「政府と対等な交渉により日米地位協定の改定を具体的に提言」「日米地位協定の見直しを強力に求めます」――。佐喜真氏の公式サイトには、このような勇ましい公約が並ぶ。ところが、宜野湾市長だった時も含め、今まで地位協定の改定に乗り出そうとした気配はゼロ。今年5月、沖縄の米軍基地の負担軽減を訴えるために訪米し、米政府関係者と面会しているのだが、宜野湾市のホームページにあるその報告には「日米地位協定」の文字すら出てこないのだ。
「宜野湾市訪米要請行動について(報告)」によると、佐喜真氏が求めたのは、<普天間飛行場を絶対に固定化・継続使用せず、一日も早い閉鎖・返還を実現すること><日米両政府の真摯な協議の下、普天間飛行場の返還期日を早期に確定させること>などである。その他は、米軍機が<夜間飛行及び住宅地上空における旋回飛行訓練を行わないこと>などで、肝心の地位協定はまったく言及されていない。
米軍の治外法権的な特権を保障する地位協定こそが、真っ先に見直されるべきなのだが、安倍政権は現状維持だ。そんな政府に全面支援されている佐喜真氏が「地位協定見直し」などやれるわけないだろう。知事選を取材しているジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「昨年12月から今年1月にかけて沖縄でヘリ事故が頻発した後も、安倍首相は国会答弁で『日米地位協定は運用改善だけで十分』と明言してきました。佐喜真さんが本当に見直しをする気があるなら、安倍首相の発言に異を唱えなければならないですし、公約に掲げる以上、安倍首相から見直しに前向きなコメントを取る必要があったのではないか。結局、佐喜真さんの公約は、地位協定の見直しを掲げる公明の推薦が欲しかっただけで、単なる“お題目”に過ぎないのでしょう」
もはや知事の権限ですらない「携帯料金の4割値下げ」をも掲げている佐喜真氏。自分の力で実現できない公約を並べるなんて、有権者をバカにするにも程がある。
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