2018年10月3日 夕刊

絵本「戦争なんか大きらい!」を手にする絵本作家ひろかわさえこさん(右)と大月書店の岩下結さん=東京都文京区で(梅野光春撮影)

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 六十一人の絵本作家が平和への思いを込めて描いた絵に、憲法の条文を添えた「戦争なんか大きらい!」が出版された。改造内閣を発足させた安倍晋三首相は、憲法九条への自衛隊の明記を含む改憲案の国会提出に意欲を見せる。絵本作家らは「このタイミングで出版できてよかった。現憲法の条文の重さを感じ取ってほしい」と願う。 (梅野光春)

 絵本は見開きの片側に絵を、もう片方に条文を記した。例えば、たるいしまこさんの絵は見開きの右側のページで、おむつ姿の赤ちゃんが戦車や戦闘機を踏みつぶしている。左側のページでは、九条の条文「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」を配置するといった具合だ。

 絵は、二〇〇八年結成の「子どもの本・九条の会」(相模原市)の絵本作家六十一人が一五年、平和をテーマに一枚ずつ描いた。「だるまちゃん」シリーズで知られ、五月に九十二歳で亡くなった加古里子(かこさとし)さんは、だるまがこぶしを突き上げ、銃を踏み付ける姿を寄せた。

 これらの絵は昨年末まで全国約三十カ所で開いた巡回展で披露。「戦争は嫌だという気持ちが伝わりやすい」と好評だった。会が結成十周年を迎えるのを機に、九月に出版した。

 絵と憲法を並べる構成は大月書店の岩下結(ゆう)さん(38)が考案。憲法の条文から平和と人権にかかわる部分を抜粋し、親子で読めるよう漢字に振り仮名を付けた。「じっくり読むと『すごいな、いいことを言っている』と気付くはず」と込めた思いを語る。

 同会会員で絵本作家のひろかわさえこさん(64)は「九条を変える改憲議論が具体化しても、あきらめるわけにいかない。子ども向けの本を作る私たちには、子どもの将来に責任がある」と言う。

 B5変型判、百十二ページ、税別千八百円。本の問い合わせは大月書店=電03(3813)4651=へ。

     ◇

 出版を記念した原画展が十月五~十一日の午前十一時~午後六時、ブックハウスカフェ(東京都千代田区神田神保町二)で開かれる。入場無料。七日午後三時からは、会場で絵本作家のトークイベントもある(本の代金込みで、参加費三千五百円)。原画展の問い合わせは同店=電03(6261)6177=へ。

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