
安倍政権のレームダック化が進むか――。25日、大阪地裁で開かれた森友問題を巡る訴訟の口頭弁論で、森友学園側と国有地売却の交渉をした財務省近畿財務局職員の池田靖管財総括第3課長(54)の証人尋問が認められた。
この訴訟は、大阪府豊中市議の木村真氏らが、国有地の売却額を非開示とした国の決定を違法として、国家賠償を求めているもの。原告側は、池田氏と森友学園の籠池泰典前理事長の証人尋問を裁判所に要求してきたが、国側は、「必要ない」と主張。
しかし、25日、松永栄治裁判長は、「池田氏が非開示決定にどう関わったかを証人尋問で尋ねたい」として、池田氏については証人尋問を認めたのだ。
森友問題を巡る別の裁判でも、21日、近畿財務局の前総務部長が証人採用されたばかり。これから、学園への不当な国有地売却の経緯を知る“キーマン”が続々と法廷に出てくるというワケだ。
中でも池田氏はキーマン中のキーマンだ。今年5月に野党議員から籠池前理事長とのマスコミ対応に関するやりとりを暴露された人物。また、昨年8月にFNN(フジテレビ系)が公開した音声テープには、国有地の売却額を巡って、池田氏が籠池前理事長に「1億3000万円を下回る金額にはならない」と話している生々しいやりとりが記録されていた。
森友問題の端緒を知る人物が証人として出廷するのだから、政府も頭を抱えているに違いない。木村真氏がこう言う。
「早く証人尋問を進めたいのですが、私が来月提出する陳述書を受けて、そこからさらに『準備に3カ月かかる』と言い出しました。証人尋問では聞かれたことに答えればいいだけなのに、事前にそんなに調整しなければならないことがあるのかと勘ぐってしまいます。国会開会中に裁判が重なることで、森友問題が脚光を浴びるのを恐れているのではないか」
国はいろいろ理屈をこねてズルズルと“引き延ばし”作戦に出るつもりなのだろう。
「証人尋問ではウソを言えば偽証罪になるし、『記憶にない』と言い張れば証言の不自然さが際立ちます。この裁判で私たち原告が明らかにしたいのは、国が存在しないゴミを口実にタダ同然で国有地を売却したから情報を開示できなかった、ということ。学園との交渉経緯を詳しく知る池田さんが何を語るのか注目しています」(木村真氏)
総裁選後に共同通信が実施した世論調査によると、モリカケ問題を巡る首相の説明に「納得していない」は76・8%。キーマンの財務省役人が法廷で何をしゃべるのか、Xデーに向け安倍首相は戦々恐々だろう。
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