ピースボート/ICANの川崎哲です。
https://kawasakiakira.net/2018/10/19/unga2018/
現在ニューヨークで開かれている国連総会第一委員会に、オーストリアなどが中
心となり、核兵器禁止条約の署名・批准を促進するための決議案が提出されまし
た(こちら)。きわめてシンプルな内容で、核兵器禁止条約の採択を歓迎し、こ
れまでに69カ国の署名と19カ国の批准が得られたことを歓迎し、未署名・未批准
国に対して早期に署名・批准することを呼びかける内容です。
オーストリアを中心に起草されたものですが、以下の53カ国が共同提案国として
名を連ねています。
Algeria, Angola, Antigua & Barbuda, Austria, Benin, Bolivia, Brazil, Chile, Costa Rica, Cuba, Dominican Republic, DRC (Congo), Ecuador, El Salvador, eSwatini, Ghana, Guatemala, Guyana, Honduras, Indonesia, Ireland, Jamaica, Kazakhstan, Liechtenstein, Madagascar, Malawi, Mexico, Namibia, Nepal, New Zealand, Nicaragua, Nigeria, Palau, Panama, Paraguay, Peru, Philippines, Saint Vincent & Grenadines, Samoa, San Marino, Senegal, Seychelles, Sierra Leone, South Africa, Thailand, Trinidad & Tobago, Uganda, Uruguay, Vanuatu, Venezuela, Vietnam, Zambia, Zimbabwe.
国連総会第一委員会では、これから核兵器に関する実質的審議が始まり、この決
議案の投票は11月1日頃の予定です。
以下のような注目点があります。
第一に、どれだけ多くの国々がこの決議案を支持するか。昨年7月の条約採択時
には122カ国が条約への賛同を表明しましたが、それと同等の水準の支持が得ら
れるか。この投票結果が、今後の核兵器禁止条約の発効への動向を占うものとな
ります。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、多くの国々に対して決議案への
賛成投票を働きかけています。
第二に、日本の投票態度です。日本政府は核兵器禁止条約に賛同しない姿勢を明
らかにしていますので、賛成投票することはないでしょう。しかし、反対投票を
するのか、棄権をするのかというのは重要な点です。反対投票をすれば、それは
核兵器禁止条約への敵対姿勢の表明となります。棄権をすれば、同条約に署名・
批准したい国がそうすることについては関知しない、という姿勢の表明とも言え
るでしょう。
核兵器禁止条約への参加を促進しようという国連決議案に日本は反対するのか。
そのことが問われています。
第三に、日本が独自に提案する決議案との関係です。報道では、日本決議案には
今年も核兵器禁止条約への言及がないとみられています。このような決議案に対
して、核兵器禁止条約を支持する諸国がどのような態度を示すか。
これらの観点を踏まえ、動向を注目していく必要があります。そして、唯一の戦
争被爆国である日本の政府が核兵器禁止条約への参加を促す国連決議案に反対票
を投じるのはおかしいということを、政府や政治家に対して働きかけていく必要
があるでしょう。
なお、この決議の投票直前、10月29~30日にピースボートは被爆者2名を乗せて
ニューヨーク港に寄港し、国連本部内やラトガース大学にてイベントを行います。
被爆証言を行い、各国に核兵器禁止条約への支持を求めるものです。私自身も参
加いたします。詳しくはまたお知らせします。
川崎哲
090-8310-5370
pbglobal@peaceboat.gr.jp
https://kawasakiakira.net/2018/10/19/unga2018/
MLホームページ: https://www.freeml.com/abolition-japan
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