既視感あり…「野党間予備選挙」は政権交代につながらない

 

小林節
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小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

公開日:

 来年の参議院半数改選の1人区について、野党の有力者たちが、一見「野党共闘」に前向きな姿勢を示しながら、異口同音に、1人区における野党候補だけによる「予備選挙」を提案し始めた。

 しかし、私には「既視感」がある。3年前、当時の民主党の幹部が私に言っていた。「野党だけの予備選挙をすれば、1人区の候補者はわが党に絞られる」と。実に「身も蓋もない」露骨な話である。つまりそれは、「野党間で予備選挙をした結果なのだから、他の野党は全てわが党の候補者を支援しろ」、または「せめて他の野党が候補を出さないでくれれば、わが党の候補者が当選する確率が高まる」という主張であった。

 しかし、それでは、鉄の団結を誇る自公与党連合の組織選挙に勝てる保証はない。もちろん、旧民主党の選挙に強い有力者は確実に再選されるだろうが、大多数の拮抗区では全力で戦う自公に野党は競り負けてしまい、だから、政権交代などは起こらないだろう。

 

 権力を私物化して平然と嘘を吐いて恥じない1強政権に、国民はもはや「うんざり」しているように見える。しかも、過去の選挙統計でも全与党と全野党の得票は40%台で拮抗している。それが、選挙制度(1人区)のトリックで与党が70%台の議席を得て「絶対権力」化しているに過ぎない。

 だから、全野党が一致協力して全力で戦えば、野党側が多くの区で競り勝って、40%台の得票で70%台の議席を奪取して劇的な政権交代が起こるはずである。

 そのためには、「共産党を含む全野党」が比例票の実績に応じて1人区を公平に配分して、その上で全選挙区で全野党が一丸となって全力で運動することが不可欠である。この点が自公の実績から皆が学ぶべきことである。

 にもかかわらず、「似非」予備選挙方式では、野党のままでも議員でありさえすれば満足だと考えているとしか思えない旧民主党の有力な「専業野党」議員たちだけは延命されるが、政権交代は起きようがない。

 有権者は、自民党の世襲議員とは違った形で議席を私物化して恥じない野党幹部の発言の裏にある私利私欲にだまされてはならない。

 

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