皆さま今日の各紙、読売、毎日、朝日、東京(コメダ珈琲には産経がないのでごめんなさい、東京は自腹)の1面をみると、いずれもトップが、韓国最高裁の「徴用工への賠償確定」です。
4紙が共通しているのは、1965日韓条約のときの請求権協定に、今回の判決は違反しているという指摘です。その指摘の国権的な論調が、団塊世代の一人としてまず鼻につきました。
その勢いは、4紙のなかでは当然、読売がピカ1だろうと思っていましたが、あにはからんや、朝日新聞が一番でした。
「視点 日韓関係の前提覆す」(1面 ソウル=牧野博愛)をはじめとして、11面識者インタビューも、読売よりも強硬に感じました。朝日新聞は、日中戦争時1937の朝日に先祖返りするのでしょうか?
硬軟いずれとはいえ、4紙に共通していることは、「強制徴用」の訴訟根拠である戦前戦中の、侵略戦争植民地時代の歴史事実には一切触れず、論ずべき出発点を1965年の日韓条約に置いていることです。
東京新聞3面には「歴史問題根深く」という大見出しの解説記事がありますが、歴史問題そのものを解説しているのではなく、これも日韓条約以来の日韓政府の姿勢や折衝往還の経過を記しているだけです。
こうした面をみると、在京各誌政治部は、日韓歴史問題に関しては国権的ナショナリズムによる整序が、すでに完了したかにみえます。
その意味では、朝日の慰安婦報道自己批判事件は、この国の未来にとって、悪い意味で、とても大きな出来事だったのでしょう。
同じ政治部でも、沖縄辺野古問題に関しては、読売vs朝日・毎日・東京の構図ですし、東電3巨頭裁判の報じ方も、これは社会部担当なのでしょうか、読売vs朝日・毎日・東京の配置です。だから、まあまあ、だとは思えません。
この問題に関しては、野党もまったく煮えきらず、共産党書記長ですら、「よく検討してから」として、いまのところノーコメントのようです。公明はすでに韓国に対して弱腰であってはならんと安倍を激励し、おそらく立民、国民は票を目当てに、「弱腰になるな」といいそうです。ナショナリズムとは恐ろしい力です。
良心派、事実探求派の中堅記者たちは、慰安婦問題を契機に閑職に追われ、また福島原発事故7年半を経過して、「福島復興」「オリンピック」という篩によって、スクリーニングされ(選り分けられ)ています。
マスコミの内部溶解に対して、政党も防ぐ力をもっていないようです。市民運動はどうでしょうか?
ni0615田島拝
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田島さん、
ひじょうな不快感・違和感をおぼえましおた。
1965年の日韓条約締結に反対して東京駅八重洲口に坐りこんだときのことを
おもいだしました。
ことの原点がどこにあるというのか?!
この条約は、かつての「大日本帝国」の悪事を恥じるわたしたち日本人民と
こんかいの訴訟の原告となったひとびと、つまり、
強制連行され、強制的に労働させられたひぼびとや、
「大日本帝国軍隊将兵」の「慰安」のために、意志に反する性労働に
駆使されたひとびとをふくむ韓国人民との猛烈な反対にもかかわらず、
それをおしきって、日本国と韓国の非人民的政府同士がむすんだ
不正な取引にすぎません。
人民の、人民による、人民のための国家ではない、
その正反対の国家と国家とがなにを約束しようが、
そんなこと、人民にはかかわりのないことではないか。
韓国の側に、とにもかくにも人民政府と言いうる政府が誕生した以上、
「日帝」とのインチキな取引を破棄するのは、韓国人民の当然の権利です。
しかしムンジェイン政権もいささか歯切れはわるい。
このさい、わたしたちが考えなければならないのは、
国家と国家との条約とはなんぞやということです。
人民をおきざりにして私利私欲にまみれた政府同士が私利私欲のために
むすんだ条約なんぞにしばられるいわれは、すくなくともこのわたしをふくも
人民にはない。
日本国のジャーナリズムは、こんな初歩的なことすら、もう、念頭にうかべえなくなって
いるのです。
ひこ