日立、英原発事業を中断 2000億円規模の損失計上へ  来週にも機関決定

日立、英原発事業を中断 2000億円規模の損失計上へ 
来週にも機関決定

エレクトロニクス

 

ヨーロッパ
2019/1/11 10:59
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日立製作所は英国で計画する原子力発電所の建設事業を中断する方針を固めた。約3兆円の事業費を巡る日英の政府や企業との交渉が難航し、現時点での事業継続は難しいと判断した。2千億~3千億円の損失を2019年3月期中に計上する見通しだ。日本企業による海外での原発建設は事実上なくなる。日本政府のインフラ輸出政策も転換を迫られそうだ。

日立は来週開く取締役会で計画中断を決める予定だ。現在は設計や工事準備などを進めており、1カ月に数十億円の費用が発生している。中断により資金流出に歯止めをかける。英国には原発事業関連で既に3千億円規模の資産があり、減損処理などで損失が発生するとみられる。

日立は英原発事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーを12年に買収。同社を通じ、英中部アングルシー島に原発2基を新設すると決めた。18年5月には中西宏明会長(経団連会長)が英メイ首相と会談して資金負担の枠組みを固めた。総事業費3兆円のうち2兆円超を英国政府が融資し、残り9千億円は日立、日本政府と日本企業、英政府と英企業が3千億円ずつ出資するものだ。

しかし東京電力ホールディングス(HD)や中部電力など国内電力大手が出資に及び腰となり、国内出資者集めは難航している。日立は昨年末に英国政府に追加の資金拠出を要請したが、この交渉も進んでいない。欧州連合(EU)からの離脱を巡って英国議会とメイ政権の対立が強まっており、同国の原発政策の先行きも不透明となってきた。

日立は原発事業のリスクを避けるため、現在は全額出資するホライズンへの出資比率を引き下げて連結子会社から外すことや、原発稼働後の売電収入で安定収益を確保できる環境整備を事業化の条件にしてきた。達成が困難になってきたため計画を中断する。

日立は今後、中期的に情勢をみながら再開も検討する姿勢だ。引き続き、英国政府との交渉は継続する。だが事業計画の組み直しが必要となる再開への道は簡単ではない。このまま事業撤退に追い込まれる可能性が高い。

11年の東日本大震災で東電福島第1原発事故が発生し、世界の原発建設は計画見直しが相次ぐ。東芝は米原子力大手のウエスチングハウスの売却で6千億円を超える損失を計上し経営危機の引き金となった。三菱重工業も日本政府と共同で取り組んでいたトルコ原発新設計画を断念する方向だ。日立の英原発計画は日本企業による原発の海外輸出で唯一残る案件だっただけに、日本政府が原発政策の見直しを迫られることは必至だ。

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