「景気」の現実伝わった 切実な声に耳傾けたい

香山リカさんのまとめ

「景気」の現実伝わった 切実な声に耳傾けたい

香山リカ・精神科医

香山リカ氏=平野幸久撮影

香山リカ氏=平野幸久撮影

 景気は回復しつつあるのか。「景気回復基調は変わらない」と主張し続ける安倍政権だが、生活の実感を示す実質賃金については、毎月勤労統計の不正調査もあり、調査対象の入れ替え前後で共通する事業所を比較した参考値のデータも公表できない状況になっている。

 これでは「アベノミクス偽装」ではないかという山井和則議員の寄稿を紹介し、「あなたのところに『景気回復の温かい風』は届いているか」と安倍晋三首相がよく使う言葉を引いて問いかけた。

 多くのまさに実感に基づいたコメントが寄せられた。

 「景気回復の風は届いていない」という声が100件近くあり、特に印象に残ったのは「よっちゃん」さんの「旅行もたまにしか行けなくなり、趣味、スポーツクラブなども最小限に抑えています。それでも、まだ何とか年金がもらえる境遇なのですが、年金だけでは生活は出来ず、1カ月に4万円くらいは取り崩しています」という切実な投稿だ。

 また、地方で歯科医をしているという「もうたくさんだ」さんの「保険診療の負担金すら払えない患者さん、夜逃げしてしまった方などがこの5年でどんどん出てきています。地方の経済などまるで気にしていないのがよくわかります」という声もリアルだった。

 一方、この質問自体がネガティブな答えを期待する誘導尋問だという指摘もいただいた。十数件ではあるが「景気回復を感じている」というコメントもあり、「烏」さんは「2015年独立開業。そして結婚。その後は1000万を越えない程度に仕事量を調整しながら何とか5年目。今年はローンながら家を購入」と実体験から主張している。

 実は景気は人々の心理と深く結びついており、消費意欲を最も刺激するのは「景気がいいな」という気分、つまり景況感だと言われている。

 そういう意味では、実質賃金とともに「温かい風が吹いていますよ」と景況感を高めることも大切なのだろう。

 しかし、実際の生活は気分だけでなんとかなるものではない。コメントに並ぶ「生活が苦しくなった」という切実な声に耳を傾けながら、日本経済の動向に今後もしっかり目を向けていきたい。

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