「チルドレン」存在と不祥事のデパート化の因縁

伊藤惇夫
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伊藤惇夫政治アナリスト

1948年、神奈川県生まれ。学習院大学卒業後、自民党本部事務局に勤務後、新進党、太陽党、民政党、民主党の事務局長などを歴任。「新党請負人」と呼ばれる。執筆、テレビ・コメンテーターなど幅広い分野で活躍中。

「チルドレン」存在と不祥事のデパート化の因縁

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2017衆議院選挙は自民党の大勝だった(C)日刊ゲンダイ
2017衆議院選挙は自民党の大勝だった(C)日刊ゲンダイ
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 ダブル選挙は消えたのか消えてないのか、まだ微妙だが、どうしてもまぬがれたいのが「魔の4回生」の誕生だ。政治家の質の低下、劣化は誰もが指摘するところだが、その象徴ともいえるのが、いわゆる「チルドレン」といえる。

 かつての自民党は「官僚派」と「党人派」が2大勢力だった。今はどうか? 「世襲派」と「公募派」がそれにとって代わり、ほんの少しの「たたき上げ」が存在というのが実態である。なかでも、平成の半ばすぎから与野党とも急速に「勢力」を拡大したのが公募派だ。総選挙を前にして、空白区や比例区の候補者を埋めるため、活用しだしたのが候補者公募システム。中には優秀な人材もいるだろう。

 だが、多くは政治経験、知識もなく、学歴、職歴は高くてもたいした人生経験もないのに「国会議員になりたい」というだけで応募してくる。それが「何かの間違い」で議員バッジを着けてしまう。

 その典型が「チルドレン」と称される連中だ。はしりは「小泉チルドレン」。2005年の郵政解散で、郵政民営化に反対する現職を切り捨てた穴埋めに、急きょかき集めた「刺客」という名のチルドレンが83人も当選した。次いで09年、政権奪取目前の民主党が空白区に大量の新人を擁立、なんと143人も当選する。これが「小沢チルドレン」だ。

 ただ、小泉チルドレンも小沢チルドレンも、その“寿命”は短かった。小泉チルドレンのうち、次の総選挙(09年)で生き残ったのは、わずか10人、小沢チルドレンに至っては12年総選挙でほぼ壊滅している。いずれも仕事らしい仕事もしないで消えていったわけだから、税金の無駄ともいえるが、たいした悪さもせずに消えただけマシかも。

 問題は「魔の3回生」といわれる「安倍チルドレン」だ。12年総選挙で当選したチルドレンは119人。困ったことにそのうち88人もが、いまだに生き残っている。安倍政権が衆院選で3連勝したために、彼らはろくに苦労もなしで連続当選し、「センセイ」と呼ばれているうちに勘違いして「自分は一人前の政治家だ」と思い込む。そんな連中だから、重婚疑惑に路チュー、ゲス不倫に暴言、失言と不祥事のデパート化するのも必然だろう。

 そもそも政治の世界に「子供」は必要ない。自力で這い上がるのではなく、党や党首の人気にぶら下がって当選してきたような政治家が、これだけ大量に存在すれば、政治全体が劣化するのも当然だ。

「4回目」を防げるかどうかは、すべて有権者にかかっている。

 

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