トランプ親書を尻に?安倍首相の外交力を海外メディア酷評

安倍首相のイラン訪問をめぐる海外メディアの嘲笑、酷評が止まらない。タンカー攻撃ばかりでなく、安倍首相がトランプ米大統領の親書を尻に敷いた疑惑まで飛び出した。
最高指導者ハメネイ師との会談では、協議内容はもとより、安倍首相のしぐさも注目を集めた。安倍首相の目をジッと見ながらとうとうと語るハメネイに対し、安倍首相は視線をロクに合わせず、テーブルの上にあったペーパーを引き寄せ、ペラリと開いたり、閉じたりした揚げ句、尻の下に敷いたのだ。
その様子を英BBCの現地記者が〈トランプ大統領の親書の受け取りを拒否され、尻の下に隠した〉といった趣旨のツイートをしたことで騒動に発展。同行した河野外相が〈総理が持っていたのは会談のためのメモで、トランプ大統領からのメッセージではない〉とツイッターで反論し、火消しするオチまでついた。
BBCに限らず、海外メディアはケチョンケチョンだ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版14日)は〈中東和平における初心者プレーヤーが痛みを伴う教訓を得た〉と見出しを打ち、〈7月の選挙に先立ち、イメージアップのために日本の指導者が伝統的に避けてきた中東の緊張緩和の分野に足を踏み入れると決めた〉と冷やかした。英紙ガーディアン(電子版14日)の〈最近の不運な調停の取り組みのひとつ〉と皮肉った。
「外務省は中東情勢を理解した上で、段取りをつけたのか疑問です。仲介者として動くのであれば、米国、イスラエル、サウジアラビアだけではなく、核合意メンバーの英独仏とも協議した上で臨むべきでした。ペルシャ文化を誇るイランはロジックの国である半面、詩作大国でもある。事務的なやりとりではビクともしない。知識を披歴しつつ、ハートに訴える交渉が求められる国柄なのです」(現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏)
外交不発に「もはや観光のアベ」(霞が関関係者)と揶揄される始末。“外交の安倍”の演出で参院選を乗り切るもくろみは木っ端みじんに吹き飛び、化けの皮は剥がれきった。