日本中が知っている首相のゴマカシ、すり替え、はぐらかし

日本中が知っている首相のゴマカシ、すり替え、はぐらかし

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議論が深まるわけがない45分間の党首討論(C)日刊ゲンダイ
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「安倍総理の言い返しは日本一」

 自民党の国対幹部はこうタカをくくっていたようだが、1年ぶりに開かれた19日の党首討論は、高まるアベ不信に拍車を掛ける結果となったと言っていいだろう。それにしても、ヒドイ内容だった。野党は論戦テーマを国民的関心事である「老後資金2000万円不足問題」に集中。ところが、安倍首相は質問に真正面から答えず、相変わらず論点をすり替え、一方的な自説をとうとうと並べ立ててあからさまに時間を浪費。モリカケ問題を追及された昨年の党首討論を彷彿させる展開だった。「野党は批判ばかり。対案を出せ」とかほえているくせに、イザ対案を出されたらマトモに応じない小物ぶりを見せつけた。

 トップバッターの立憲民主党の枝野代表が「見たくない事実はなかったことにしてごまかす姿勢。これが自分の暮らしと直接関わる問題で見せられた。それが皆さんの関心を招いている」と追及すると、安倍は「マクロ経済スライドを導入して、平均寿命の延伸と被保険者の増減に対応するようになった」と制度論を持ち出し、論点ズラシで反論。枝野は「家計単位で医療、介護、保育、障害者福祉の自己負担に上限を設ける『総合合算制度』を導入すべきだ」とも提案したが、安倍はガン無視を決め込んだ。

 共産党の志位委員長の提案は「マクロ経済スライドをやめ、高額所得者優遇の保険料のあり方を正すべきだ」というものだった。現行制度では年収約1000万円超の加入者の保険料率は一定だ。それを健康保険料と同様に約2000万円まで引き上げることなどで1兆円のプラスになるという。

 しかし、安倍は「マクロ経済スライドをやめてしまうことはバカげた案だ。7兆円の財源が必要になる」と色をなして猛反発、マクロ経済スライドは賃金や物価の上昇、現役世代の減少や平均寿命の延びを加味して実質的に年金給付水準を引き下げる代物。だから、年金だけでは老後生活が立ち行かなくなり、今大騒ぎになっているのだ。詭弁、すり替え、はぐらかし。今や日本中が知っているペテン首相の詐欺口上が全開だったのである。

 とりわけウンザリだったのが、安倍が十八番にしている民主党政権批判だ。しつこいといったら、ありゃしない。

「この6年間で380万人の方が新たに働き始めた。正社員においても150万人増えた。われわれが政権交代する前は正社員が50万人減っていたんですが150万人増えたことでマクロ経済スライドの数字は0.9から0.2に大きく改善した」

「44兆円の運用益が出ているわけでありまして、民主党政権時代の約10倍の運用益が出ている」

「最低賃金につきましても、この6年間で125円増えています。民主党政権の時、36円増えていますが、われわれは6年間で3.5倍増えている」

 10日の参院決算委員会で質問に立った共産党の小池晃議員にシタリ顔で「ちなみに、民主党政権下の3年間で……」とひとしきりブッて、「民主党じゃないですから、私。無意味な反論はやめてくださいよ」と一喝されて赤っ恥をかいたのに、全く懲りていないらしい。枝野が「経済の最終成績は実質成長率。2010年から2012年は1.8%、2013年から2018年は1.1%であります。自信を持って申し上げたい」と反論していた通りで、我田引水にもほどがある。

 第2次安倍政権発足以降の6年間で毎月の給与は2872円しか伸びていない。実質賃金はマイナス0.2%(13年1~3月)からマイナス1.0%(19年1~3月)に悪化。年収200万円未満の非正社員は36万人も増えている。確かに正社員は161万人増えたが、非正規社員はその倍近い306万人も増えている。
国民の怒りは増幅する一方(C)日刊ゲンダイ
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 国民民主党の玉木代表が「5年前の前回の財政検証で最悪を想定したケースが今の経済実態に一番近いと思う。この場合、36年後に積立金が枯渇する。もうすぐ出てくる財政検証はその経済前提よりも悪い」と指摘していたが、6年半にわたるアベノミクスが日本経済をメチャクチャにし、国民生活を窮乏に追い込んでいるのは疑いようのない事実なのである。

■見せ場のG20は混乱必至

 モリカケ問題を巡る公文書の隠蔽、改ざん、廃棄。関係者が次々に記憶を失う異常事態。南スーダンPKO派遣部隊の日報隠蔽問題もあった。人間というものは、これだけ長い間ダマされ続けると、感覚が次第にマヒしてくるものだが、次から次へと出てくる新ネタ。それをゴマカす相変わらずの口から出まかせに、さすがの国民も口アングリである。

 壮大なペテンだった安倍政治の6年半はいよいよ、壮絶な結末に向かって突き進んでいる。政治が庇護するのはオトモダチとカネ持ち、大企業だけ。アベ友はますます富み栄え、片や「こんな人たち」は目もくれられず、現在進行形で格差は拡大中だ。そうして強い者だけがオイシイ思いをし、高齢者をはじめとする弱者は邪魔者扱いされる国。ゴマカシ、隠蔽上等でモラルが失われた国。それが今の日本だ。堕ちるところまで堕ちたものである。

 経済評論家の斎藤満氏は言う。

「実質賃金のマイナスは正社員以上に非正社員が増えているためで、これによって厚生年金加入者が少なくなってしまった。企業からすれば人件費や社会保障費コストの削減につながり、儲けやすい環境が整いました。輸出関連企業は円安誘導の後押しも受け、企業の内部留保は400兆円に膨れ上がっている。企業優先で労働市場を歪め、労働者を犠牲にしているのがアベノミクスなのです。実質賃金が減れば、消費は抑制され、経済は停滞し、経済成長率は鈍化する。すべてはつながっています。年金財政を悪化させた要因のひとつは、間違いなくアベノミクスの失敗です」

 日本が初めて議長国を務める大阪G20サミットが1週間後に迫っているが、“外交の安倍”の見せ場になるどころか、波乱必至の様相だ。参院選前に世界のリーダーと肩を並べる姿を大々的に発信し、政権浮揚に利用するもくろみは木っ端みじんに砕け散ることになるだろう。大筋合意をもくろんでいたロシアとの平和条約締結交渉は頓挫。北方領土はむしろ遠のいている。

 トランプ米大統領のメッセンジャーとして向かったイラン外遊はタンカー攻撃を招き、イラン情勢は一層緊迫化した。イラン支配下にあるホルムズ海峡はアジア諸国の8割が原油輸送に利用する要衝で、関係国にとっては喫緊の重要課題に浮上している。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「安倍首相はどのツラを下げてホスト役を務めるというのでしょうか。イラン訪問は安倍政権の米国追従姿勢を際立たせる意味で非常に象徴的な外遊でした。滞在中に米国が対イラン制裁を追加することを安倍首相は知らされていたのか。ハメネイ師がやり込めたのも当然で、安倍首相はトランプ大統領の小間使いだという国際的な評価を定着させてしまった。独自外交を展開する余地がまったくないのに、ホスト役として議論をまとめられるのか。イラン情勢もそうですが、欧州は英国EU離脱に伴う経済不安を抱え、米中貿易戦争は過熱しています」

「令和初の国賓」として大歓待したトランプに暴露された日米通商協議を巡る密約の具体像も、徐々に明らかになってきている。19日まで上下両院の公聴会に出席していたライトハイザー通商代表は、安倍政権が繰り返す「農産品の関税引き下げはTPP水準が限度」をキッパリ否定し、競合国と比べて不利な条件を「受け入れられない」と発言。主力の牛肉と豚肉を念頭に「特に農業を含めた二、三の分野を早期に扱うことを提案している」とし、対日交渉について「前進している」「日本は何をすべきか理解し、しっかり取り組んでいる」と評価した。安倍政権が米国の要求を丸のみしたことを示唆している。

 米国とアベ友にだけイイ顔をし、国家を弄んで私物化する安倍を延命させる意味を、もう一度考える時だ。

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