米国がイランと戦争したら自衛隊は戦地に送り込まれる

三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2017年、旭日小綬章受章。

米国がイランと戦争したら自衛隊は戦地に送り込まれる

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(C)日刊ゲンダイ
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 先の連休中に自宅で、2005年に公開された米国の戦争映画「ジャーヘッド」を見た。湾岸戦争を舞台にした作品だ。主人公の海兵隊員は、猛烈な訓練をこなして戦地に赴く。だが、活躍の場はなかった。戦闘らしい戦闘はなく、敵兵は空爆で蹴散らされる。逃げるイラク兵も爆撃で黒焦げ。それを目の当たりにした主人公は「逃げる敵を殺す必要はあるのか」「何のために戦っているのか」と呆然とする。そんなストーリーだ。戦争の愚かさはもちろん、机に座ったまま軍隊に指示を与える権力者のバカさ加減も浮き彫りにしている。

 これまでも米国は、むなしい戦争を繰り返してきた。大量破壊兵器の保有という証拠を捏造したイラク戦争は理不尽なものだったし、泥沼化したベトナム戦争は狂気の沙汰。それなのに今度は、イランとの戦争に突き進む恐れがあると報じられている。中国との貿易戦争を仕掛けたトランプ大統領ならやりかねないし、その頃もまだ安倍さんが首相をやっているようなら、言いなりで自衛隊を送り込む危険性は高い。平和を維持するためという口実で自衛隊に命令を下す――「令和」という元号が暗示したことが現実になるんだ。

 

 想像もしたくないが、もしも日本が戦争に足を踏み込み、不幸にも自衛隊に多くの犠牲者が出たりすれば、入隊者はどんどん減っていく。そうなれば徴兵制の復活も現実味を帯びてくる。

 少し前、当欄で米映画「記者たち」を取り上げた。イラク戦争に反対し、政府が証拠をでっち上げていることを暴いた中堅通信社の物語だ。米国は好戦的な側面を持った危うい国だが、反対の声を上げる人たちもいる。9.11で怒りが沸騰した米国にあっても、カリフォルニア州選出のバーバラ・リー下院議員は一人だけアフガン戦争に反対票を投じた。これが米国の懐の深さだ。

 それに比べて日本はどうだろうか。「北方領土を取り返すには戦争しかない」などと発言した日本維新の会(除名)の丸山穂高議員は批判の集中砲火を浴びた。ただ、彼は一介の野党議員だ。耳を疑う発言をしたのは確かだが、本当の権力を握っているのは安倍政権の人たち。ナンバー2の麻生さんや、安倍さんの周りにいる政治家も信じられない失言を繰り返してきた。それなのに、さして批判もされずポストに座り続けている。

 日本の現状は、常識が通じないトランプ大統領を生んだ米国よりも劣るように思えてならない。

 

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