財政検証はボロボロ濃厚…安倍政権は年金減額試算ひた隠し

財政検証はボロボロ濃厚…安倍政権は年金減額試算ひた隠し

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正直に出せ(根本厚労相)(C)日刊ゲンダイ
正直に出せ(根本厚労相)(C)日刊ゲンダイ
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 5年に1度、公的年金の将来見通しを確認する「財政検証」。ちょうど今年は「財政検証」が実施される年だ。ところが、よっぽど不都合な真実が詰まっているのか、安倍政権は公表を参院選後に先送りするつもりだ。前回2014年6月に公表された「財政検証」には、最悪のケースとして真っ暗な見通しがちゃんと明記されていた。参院選後に公表される「財政検証」では、さらに深刻な数字が出てくるとみられている。

  ◇  ◇  ◇

「将来の所得代替率5割を確保していく」――。19日の党首討論で安倍首相はそう強調した。所得代替率とは、「現役男子の平均手取り月収」に対する「夫婦2人世帯の年金受給額」。現在は、現役の手取り月収が34万8000円、年金が21万8000円なので代替率は62.7%となっている。

 前回の財政検証は、労働環境や賃金など経済前提について楽観から悲観まで8つのケースで試算している。安倍首相は、所得代替率「5割確保」を約束しているが、実は、最悪のケースの代替率は5割を大幅に割っている。

■月4万円ダウン

 試算では、2036年に代替率が50%まで低下。現行の21万8000円から4万円も減り18万円になる。さらに2055年には年金積立金が枯渇し、ナント代替率は35~37%に。現行比9万円減の12.5万円にまで落ちる。今より年間100万円以上も年金が少なくなるのである。

 5年前の時点でも、厚労省は、最悪2036年には年金額は4万円ダウンすると試算しているのだ。

 厚労省は本紙の取材に「濃淡なく数値を出しています」(年金局数理課)と言ったが、おそらく、5年前はまだ安倍政権への忖度もなく、官僚は正直に実態を示していたのだろう。

 大問題なのは、現実はこの最悪のケースすら甘々の想定だったことだ。例えば、実質賃金の伸びはプラス0.7%で想定されていたが、安倍政権6年間の実質賃金はマイナス0.6%だ。技術進歩や生産の効率化などを示す全要素生産性(TFP)は、0.5としていたが、17年の実績値は0.3。今回の財政検証では0.3を前提にするとされている。

 要するに、4万円や9万円ダウンでは済まない可能性が高いということだ。立正大客員教授の浦野広明氏(税法)が言う。

「安倍政権は株価を上げて成長を見せかけてきただけで、むしろ経済状況は悪化しているということです。その結果、今回の財政検証は前回の最悪のケースをも下回る経済前提を置かざるを得ないのでしょう。参院選前に公表できないのは、票を意識していることに加えて、不都合な中身をどうやってカムフラージュするのか時間をかけて知恵を絞っているのでしょう」

 財政制度等審議会がまとめた建議は、原案にあった「基礎年金給付水準が想定よりも低くなることが見込まれる」との記述が、最終的に削除されていた。安倍政権は、参院選の前に正直に実態を明らかにすべきだ。

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