野党が勝つためには「物語」が必要だ

野党が勝つためには「物語」が必要だ

参院選は消費税減税を掲げた闘いを! 【風速計】 中島岳志 

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野党は、何としても目の前の選挙で勝たなければならない。
「参議院選挙は次の選挙に向けた足場作り」という声が、
時折、野党議員から聞こえてくる。
政権奪取を懸(か)けた自民党との本当の戦いは、もっと先にあるというのだ。
この「ダイエットは明日から」的な姿勢は、絶対に成功しない。
永遠に「次の選挙」を目指し続けることになる。

野党が勝つためには「物語」が必要だ。
今のところ、「物語」の設定に成功しているのは、山本太郎のみだ。
彼は「消費税廃止・減税」という具体的政策を掲げ、
それをテコに格差是正というヴィジョンを提示する。
各地での街頭演説では、大型のモニターを持ち込み、
統計資料を駆使して、日本の現状を伝える。
暑い日差しの中、彼の周囲には黒山の人だかりができる。
時間がたっても、聴衆は減るどころか、増えていく。

今はネットでの拡散に留まっているが、世論調査で一定の支持率が
数字として出てくると、その動向がテレビでも報道されるようになる。
選挙期間中は、各局の党首討論にも登場するだろう。
その時、大きなムーブメントが起きる可能性がある。

約2年前の立憲民主党ブームの時には、枝野幸男という政治家が
「1人で立ち上がる」という「物語」があった。
自らの利益を顧みず、希望の党騒動に失望した有権者のために
立ち上がる姿は、有力な選択肢となってブームを巻き起こした。
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「週刊金曜日」巻頭言 2019年6月21日(1237号)より

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