宮崎礼壹元法制長官「新安保法制は一見明白に違憲」:総がかり行動6.21動画

宮崎礼壹元法制長官「新安保法制は一見明白に違憲」:総がかり行動6.21動画

転送します。一部再掲(いしがき)
宮崎礼壹、半田滋、志田陽子氏らは前橋地裁で証言・概要。(下段)
宮崎長官の証言を見れば、安保法制(戦争法・集団的自衛権の行使)
を合憲といえる裁判官は一人もいないでしょう。下記は、志田教授のスピーチです。(動画)ご本人のご了解を得ましたので
お送りします。
スピーチ 前橋地裁で証人尋問を受けた志田陽子 武蔵野美術大学教授・憲法学
http://anpoiken.jp/2019/06/20/sougakari-2/

2019年6月13日前橋地裁・安保法制違憲訴訟口頭弁論
前橋地裁証人尋問の報告 
1 ジャーナリスト 半田滋氏
半田氏の立証趣旨は、安保法制により生じた具体的危険(安保法制に基づく新任務の危険性及び米国の戦争に巻き込まれる蓋然性等)であり、主尋問は20分でした。半田氏は証人尋問において、概要以下の内容を証言しました。なお、国側の反対尋問はありませんでした。
(1)南スーダンPKOについて
南スーダンPKOに関しては安保法制法施行後、いつでも共同宿営地の共同防護をすることは可能であった。それは共同宿営地の共同防護は自然権的権利として行使できると説明されているからである。そのため、2016年7月に南スーダンにおいて政府軍と反政府軍が交戦状態になり、自衛隊の宿営地の頭越しに銃撃戦になった際も、自衛隊が宿営地の共同防護を行なうことは可能であったが、第10次隊の隊長(中力一佐)はたまたま冷静な方であったために交戦に至らなかった。駆け付け警護が付与された第11次隊も含め、隊長の判断次第では交戦に至った可能性はあった。
(2)米軍の武器防護について
2017年以降、安保法制に基づき海上自衛隊には米艦や米航空機の防護が命じられることになったが、防衛大臣により米艦防護等が命じられると、防護に際しての武器使用は状況に応じて自衛官の判断に委ねられるため、自衛官の判断で交戦に至る可能性がある。
(3)後方支援活動について
イラク戦争において航空自衛隊はクウェートから2万3000人もの米兵をバクダッドに空輸するという後方支援活動を行なった。イラク戦争の際にイギリス軍の輸送機(C130)が撃墜され乗客全員が死亡していたという例に照らしても、後方支援だからといって安全とはいえない。
(4)存立危機事態について
日本を守る米軍が打撃を受け、アメリカ軍による抑止力、打撃力が欠如すれば、存立危機事態にあたる旨答弁した小野寺元防衛省の解釈からすると、地球規模で展開するアメリカが攻撃を受けただけで、存立危機事態として日本が戦争に突入することになる。
(5)新防衛大綱について
新防衛大綱および中期防は、攻撃型空母、長距離戦略爆撃機、大陸間弾道ミサイルの事実上の保有を認め、専守防衛政策を放棄した。こうした新防衛大綱は、平時から米軍に対し給油等ができることを認めた安保法制を前提としたものだ。今回の新防衛大綱によって、安保法制の戦争立法としての性格がより一層明らかになった。
(6)日本がアメリカの戦争に巻き込まれる蓋然性について
日本はアメリカがアフガニスタンを攻撃した際にはテロ特措法を、イラク戦争の際にはイラク特措法を作ってアメリカの戦争に加担したが、安保法制法は恒久法であるため、今後、アメリカが戦争をする際には、日本はアメリカの戦争への加担を拒否できなくなる。
アメリカは10年に1回程度大きな戦争をしており、アメリカが今後戦争をしないとは考えられない。そうすると、日本がアメリカの戦争に巻き込まれる蓋然性は十分にあり、安保法制法に対する不安を訴える原告らの主張はもっともである。

2 憲法学者 志田陽子教授
志田氏の証人尋問の立証趣旨は、安保法制の成立及び施行により原告らに人格権侵害が生じたことであり、主尋問の時間は20分でした。志田氏の証言内容は概要以下のとおりであり、国側の反対尋問はありませんでした。
(1)人格権侵害の分類
人格権侵害を類型化すると、生命、健康にかかわるものと、人格的自律権にかかわるものの二つに分けられる。生命健康等に直結する人格権侵害には、生命、健康、個人の尊厳にかかわるものや、生命・健康を害することへの恐怖、不安にかかわるものが含まれる。一方、人格的自律権に関する人格権には、生活の平穏、内心の静謐、自律的生活を不当に妨害されないことが含まれる。志田証人は事前に原告ら6名の陳述書を閲覧したが、これらの原告について、以下の理由から人格権侵害が認められる。
(2)生命健康に関する人格権侵害
空襲等の戦争体験をした原告Aについては、戦争体験がPTSDになっている。原告Aは、自ら前橋空襲を経験し、その生々しい記憶に苛まされてきた方だ。陳述書からは、こうしたトラウマが戦後も続き、内心において常にこれと戦いながら平穏な生活を維持してきたことが読み取れる。
原告Aは安保法制の成立により空襲の生々しい記憶の想起を余儀なくされている。精神的均衡が崩れ、平穏な生活ができなくなっていることから、生命健康、生活に直結した人格権が侵害されている。
(3)人格自律権に関する人格権侵害
ア 原告B~Eは、幼少期に自ら戦争体験をした人、あるいは身近な人々の戦争体験に深刻な影響を受けた原告だ。これらの原告らは、戦争後、PTSD症状に苦しんだ家族を見てきた経験や、軍服に返り血の痕跡を見た経験などを有しており、こうした記憶の克服には多大な努力を要したことが推察される。
こうした人々が、憲法9条に感銘を受け、この規範への信頼を自己の生き方の支えとして生きてきたことは尊重されるべき事実だ。安保法制法によりこれらの原告は、上記のような克服努力に基づく自らの生き方、すなわち、人格的自律権が否定されたと感じており、これらの原告は焦燥感、不安感を余儀なくされ、生活の平穏と内心の静謐が害されている。
イ また、比較的若い方で戦争を書物で学んだという原告Fは、憲法9条により守られてきた安心感が、安保法制により崩されたという不安感を抱いており、特に子供の将来について不安、危惧を持っている。こうした不安や危惧は具体性のあるものとして法的に真剣に扱うべきだ。
(4)憲法改正手続きがなされなかったこと
本訴訟において、多くの原告が安保法制定の経緯について怒りを表しているが、これは主権者、すなわち、憲法改正の最終決定権者としての手続きへの参加から排除されたまま、承服しえない憲法状況に置かれていることに対する居ても立っても居られない焦燥感といえる。
こうした焦燥感も「内心の静謐」が害されたものとして人格権侵害が認められる。このような人格権侵害は、平成3年4月26日水俣病認定遅延判決が、手続きの遅延により害されたと認めた申請者の「内心の静謐」と同様のものである。
(5)受忍限度論について
受忍限度論は、本来、私人間で権利が衝突する場合に、用いられるものである。国家の違法行為により原告らに不安感、危惧感、恐怖感が生じている場合に、原告らが甘受するいわれはなく、本件において受忍限度論を持ち出すのは誤りである。

3 元内閣法制局長官 宮﨑礼壹氏
宮﨑氏の証人尋問の立証趣旨は、安保法制が一見明白に憲法の文言に違反していること、明白に違憲な立法を行なったことに関する国会議員に故意過失があることでした。主尋問は60分でした。宮﨑氏の証言内容は概要以下のとおりであり、反対尋問はありませんでした。
(1)存立危機事態における武力行使が「集団的自衛権」の行使に該当すること
集団的自衛権とは「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」をいうが、自衛隊法76条1項2号・同法88条1項及び存立危機事態を定めた改正武力攻撃事態法は、他国に対する攻撃があった場合にも自国の武力の行使を認める集団的自衛権の行使を認めたものにほかならない。
(2)集団的自衛権の行使は憲法9条1項に違反すること
憲法9条1項は「国際紛争を解決する手段として」の「武力の行使」を否定しているところ、降りかかった火の粉を振り払うための個別的自衛権の行使であれば、「国際紛争を解決する手段として」の「武力の行使」にあたらない可能性を僅かに残している。
しかし、他国防衛を本質とする集団的自衛権の行使は、他国間の紛争を解決するために、新たに武力紛争状態を発生させるものであるから、「国際紛争を解決する手段」としての「武力の行使」に明確に該当するため、集団的自衛権の行使を認めた安保法制は一見明白に違憲である。
(3)集団的自衛権の行使が認められた自衛隊は憲法9条2項が保持を禁じた「戦力」に該当すること
憲法9条2項は「戦力」の不保持を規定しているが、これまで自衛隊は、わが国民、国土を外国の直接の武力攻撃から守るための必要実力組織であり、他国に脅威を感じさせる装備を持たないという理由で、辛くも「戦力」に該当しないとしてその合憲性が認められてきた。
しかし、集団的自衛権の行使は、要請国に加えられた武力攻撃を排除するための武力行使であるため、集団的自衛権の行使が認められた自衛隊は、多国間の武力紛争を鎮圧するに足りる破壊力を有することになる。そうすると、自衛隊が保持することになる他国防衛のための軍事力保持は、憲法が禁止する「戦力」であるとの評価を免れず、安保法制後に自衛隊の保持することになる戦力は、一見明白に憲法9条2項に違反する。
(4)集団的自衛権を行使してはならないことは長年の一貫した政府解釈であり、国家の実践として守られ続けてきたものであること
ア 昭和47年5月12日参議院内閣委員会において、真田秀夫内閣法制局第1部長は「わが国自身に攻撃がないが、他国に対する攻撃があった場合、その他国が我が国と仮に連帯関係にあったからといって、わが国自身が侵害を受けたのではないにかかわらず、我が国が武力をもってこれに参加するということは、これはよもや憲法9条が許しているとは思えない」と、同盟国に対する攻撃があっても集団的自衛権が行使できないことを分かりやすく説明していた。
イ このほかにも、昭和47年9月14日参議院決算予算委員会において、吉國一郎内閣法制局長官は「憲法9条の規定が容認しているのは、個別的自衛権の発動としての自衛行動だけだ」、「これは政策論として申し上げているわけではなくて、法律論として」申し上げていると述べ、「他国防衛までやるというのはどうしても憲法9条をいかに読んでも読み切れない」と念押ししていた。
ウ その後、昭和47年10月14日に集団的自衛権の行使は憲法上許されないとする政府見解が示された。この政府見解は、戦後一貫して守られ続けた。これは単なる答弁が繰り返されたという以上に、集団的自衛権は行使できないということが「国家の実践」として繰り返されてきたことを意味している。
エ 平成15年、平成16年当時、宮崎証人は内閣法制局第1部長であり、当時は、有事法制に対処するための法案が多数政府から提案され、憲法9条をめぐる国会審議が盛んな時期であった。
平成16年1月26日の衆議院予算員会において、安倍晋三議員が「我が国を防衛するための必要最小限度とは、数量的な概念を示しているのであって、絶対にダメだと言うことではない。とすると、論理的には、この範囲に入る集団的自衛権というものが考えられるのか」という質問に対し、秋山内閣法制局長官は「集団的自衛権は、我が国に対する急迫不正の侵害に対処するためのものではなく、他の外国に加えられた武力行使を実力で阻止することを内容とするもの」なので、「自衛権行使の第一要件、すなわち我が国に対する武力攻撃が発生したこと」を満たしておらず、「従来、集団的自衛権について、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものという説明をしている局面があるが、それはこの第1要件を満たしていないという趣旨で申し上げているものであって、数量的な概念として申し上げているものではない」旨、明快に回答し、安倍晋三議員の解釈を否定した。
オ 平成27年5月27日の衆議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会において横畠内閣法制局長官は、「昭和47年政府見解にある『外国の武力攻撃』という部分は、必ずしも我が国に対するものに限定されていない」と答弁したが、なぜこのような発言をしたのか不可解であり、誤りというほかない。集団的自衛権の行使を部分的にも認める場合には、憲法改正が必要である。
(5)存立危機事態という概念は不明確であること
ア「存立危機事態」なるものは、美しく限定しているように見えながら、その実は極めて曖昧で、歯止めの体をなしていない。

に、他国に対する武力の攻撃という要件については、実際に他国に対する攻撃があったのか、それが国家思としての攻撃か、要請国による先制攻撃があったのか否かという点は、要請国から情報をもらわなければ、はっきりしない。そうすると、結局、第一要件の判断は、要請国の言いなりにならざるを得ない。
イ 次に、「必要最小限度」という要件に関しても、一旦交戦を始めた後に、自衛隊が「ここまでが必要最小限度だからやめる」と言って、相手国が許してくれるとは到底思えない。
ウ こうした曖昧な基準は国家や現場に混乱をもたらすものである。国家の軍事的な振る舞いについて「存立危機事態」という曖昧な基準が定められたこと自体が、国家の存立を危うくさせるものである。
(6)国連憲章と集団的自衛権について
ア 第二次世界大戦後、世界各国の首脳は、悲惨な戦争に対する反省に基づき、同盟による防衛を辞めにし、国連による集団的安全保障を目指し、国連憲章ができた。しかし、冷戦により国連中心の集団的安全保障構想が後退し、妥協の産物として生まれたのが集団的自衛権だ。
イ 冷戦下において、集団的自衛権はイデオロギー対立を背景として、ロシアやアメリカなどの大国が小国に対し武力介入を行なう口実として使われてきた。その結果、多くの無意味な戦争が生まれた。
ウ しかし、冷戦が終わり、イデオロギー対立がなくなった現在において、集団的自衛権はもはや時代遅れだ。わが国には、むしろ、集団的自衛権の横行を縮小、消滅に向かわせる努力こそが求められている。

(この資料提供は安保法制違憲訴訟ぐんまの会事務局のご厚意によるものです)

 記載 2019.7.4 安保法制違憲訴訟埼玉の会 事務局連絡先(090-4373-0937)

MLホームページ: https://www.freeml.com/uniting-peace

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