学会員の動き鈍く…投票率上昇で公明「選挙区1勝6敗」危機

お寒い天気のように盛り上がらない参院選。公明の支持母体である創価学会もいまいち動きが鈍い。無党派層が投票所に足を運び、投票率がアップすれば、足をすくわれる公明候補も少なくない。今回の参院選は、安倍政権の悪政をアシストしてきた公明に審判を下す選挙でもある。
「当初から大苦戦が予想されていた兵庫は、全国の学会員が押しかけフル回転ですが、そのあおりも受け、兵庫以外の学会員の動きは鈍い」(政治部記者)
選挙になると、学会員は知人に電話や訪問で公明候補への投票を呼び掛けるが、「今回は学会員からのしつこい電話が少ないわ」(大阪府民)という。公明党に不満を持つ学会員が造反しているとの噂もチラホラ流れている。
今年は統一地方選と参院選が重なる亥年選挙。学会員は選挙疲れしている。また、改選11の公明は選挙区7、比例6の13議席を目標にしているが、多くのメディアは目標に届きそうだと伝えている。学会員には兵庫を除いて、楽勝ムードが漂う。改選議席を減らしそうな自民党は、学会の組織をアテにしているから、鈍い動きに大慌てだという。
しかし、公明が立候補している7選挙区の情勢をよーく見ると、当選が堅いのは東京の山口那津男代表ぐらい。他の6つの選挙区は野党候補と激しく競り合っている(別表)。
■二見元副委員長「山口代表の下、ファッショ化が加速した」
その山口氏も、ポスターにデカデカと「創価学会」を掲げる野原善正氏(れいわ新選組)に学会票が流れる可能性があり、最下位当選もささやかれる。
「このまま盛り上がらず、低投票率なら公明候補が逃げ切る。競り合っている野党候補が無党派層を取り込めば、野党に分がある。投票率次第で、選挙区で公明党が1勝6敗もあり得る」(前出の政治部記者)
羽田内閣で運輸相を務めた元公明党副委員長の二見伸明氏がこう言う。
「ちょうど今回の選挙で山口代表が改選になりますが、この6年間、公明党は自民党と一緒になって、政治のファッショ化を加速させてきました。“平和の党”でありながら、2015年に安保法の強行に加担しました。17年の共謀罪は、参院で公明党が法務委員長なのにブレーキをかけなかった。沖縄の辺野古新基地は、地元の県連が反対しているのに、公明党本部は強引に推進し、昨年の知事選で〈基地ノー〉の圧倒的な民意が示されても、総括すらしようとしない。創価学会員もそうでない人も、公明党の6年間が問われる選挙でもあります」
投票に行かず、ウッカリ公明を勝たせたら、公明のアシストのもと、安倍悪政が続くことを肝に銘じたほうがいい。