この事態に「愚かな韓国」の大合唱 子供のような日本外交

この事態に「愚かな韓国」の大合唱 子供のような日本外交

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拳を下ろさず(C)日刊ゲンダイ
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 韓国人元徴用工の訴訟問題などに端を発した日韓両国の報復の応酬が、通商分野に続き、とうとう安保上の協力関係にまで発展してしまった。それでも安倍政権は振り上げた拳を下ろす気は、さらさらないようだ。

 韓国の文在寅政権が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたことに、安倍政権内は批判の嵐だ。河野外相は22日夜、韓国の南官杓駐日大使を外務省に呼び付け抗議。佐藤正久外務副大臣も同日のBSフジの番組で「一言で言うと愚かだ。北朝鮮を含めた安全保障環境を見誤っている」と見下すように言い放った。

 メディアも北朝鮮の弾道ミサイルに関し、日本から提供する情報の方が韓国政府の判断に有益だと指摘。「本音を言えば、日本側に実質的な影響はない」「困るのは韓国だ」と政府関係者らの強気な匿名コメントを紹介した。

 特にテレビは朝から晩まで、この問題を取り上げ「韓国叩き」一色。

 ワイドショーはさながら嫌韓キャンペーンの押しつけ放送で、「韓国人に生まれなくてよかった」(悟空出版)などの“ヘイト本”の著者で元駐韓大使の武藤正敏氏が「専門家」として、引っ張りだこ。政権の暴走を抑えるどころか、逆にあおる始末だ。

 こうした反韓感情の高まりを受け、政権内では規制強化の「第3弾」も取り沙汰されるなど完全に冷静さを失っている。もう、うんざりだ。

■報復合戦を政権浮揚に使う似たもの同士

 むろん、文在寅大統領が輸出優遇対象の「ホワイト国」から除外されるなど日本の報復を政治利用し、反日ムードを高め、自身の求心力回復に直結させたのは間違いない。

 その上、韓国では文在寅の最側近で、次期法相に指名された前民情首席秘書官が、娘を大学などに不正入学させたスキャンダルで大揺れ。来年4月の総選挙で与党勝利が危ぶまれる中、文在寅が協定破棄で、批判をそらすヨコシマな魂胆もミエミエである。

 とはいえ、「向こうがやったから、こっちもやるぞ」と同じ土俵に乗るのは「ガキのケンカ」と変わらない。ましてや、安倍政権は参院選直前に半導体素材3品目の輸出規制を打ち出すなど、世論の反韓感情をあおる手段として徴用工問題を政治利用。支持率目当ての政権浮揚に結びつけているのは、文在寅と同じだ。似た者同士、もっと仲良くできないのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

「互いに異なる利害関係を調整し、妥協を通じて一致点を探るのが外交の基本です。ところが、安倍政権は『ボールは向こうにある』と韓国を突き放すだけ。せっかく文大統領が8月15日の『光復節』の演説で『日本が対話にでれば、喜んで手を握る』とボールを投げ返したのに見逃し。この無反応がGSOMIA破棄の決定打となったのだから、話になりません。安倍政権が批判する『安保』を持ち出したのも、日本が先。歴史問題の報復として『ホワイト国』から韓国を除外する口実に『信頼喪失で安全保障上の問題が発生した』とスリ替えたのを、逆手に取られた格好です。安倍政権の対韓外交はあまりにも場当たり的で感情任せ。まるで『お子サマ外交』です」

トランプが守るのはこの2人(C)ロイター
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いつまで非生産的なガキのケンカに血道を上げるのか

 日本からの報復を受け、韓国国内でGSOMIA破棄を求める声が高まっても、安倍政権内では「まさか、できっこない」と高をくくっていたフシがある。河野がテレビカメラの前で韓国の駐日大使をドヤしつけるなど散々非礼な態度を見せつけ、事態をこじれさせたのに、最悪のケースを想定していないのだから、バカ丸出し。今になって慌てるとは、お子サマ以下の低レベル外交だ。

 韓国を見くびっていたのは、米国が協定維持を求めていたから。心底、対米従属の政権内は「米国を敵に回してでもやれるものならやってみろ」と取り合う様子もなかったらしいが、いざ韓国に協定破棄のカードを切られて困るのは、ポチ政権の手綱を握る米国だ。

 2016年のGSOMIA締結を日韓両国に強く要請したのは米国である。

 一義的な目的は、北朝鮮のミサイルの脅威に関する即応体制の確立だったが、米国は将来的な狙いを秘めていた。

 北朝鮮だけでなく、中国やロシアが軍事活動を活発化させる中、米国はGSOMIAを共同の弾道ミサイル防衛システムや対潜水艦作戦など、より広範な軍事協力に発展させたいとの思惑があった。そんな魂胆も韓国の協定破棄で水の泡だ。

 在韓米軍が韓国軍と収集した情報を伝えるには、韓国から一つ一つ許可が必要となり、逆に在日米軍が自衛隊と収集した情報を韓国に伝える際も、日本側の許可を得る煩わしさを伴うことにもなる。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう指摘する。

「日米韓の連携が崩れれば、中ロ朝の脅威への対処が弱まり、抑止力の低下を招く。ポンペオ米国務長官が韓国に『失望した』と表明したのも、それだけ日米韓の連携を重視していることの裏返し。文政権は中ロ側になびくことさえ辞さない構えですが、それで困るのはアジア太平洋におけるプレゼンスを失う米国です。もはや傍観できず、日韓対立の仲介に動かざるを得ない状況です」

■「シンゾー、折れろ」と飼い主に迫られる

 しかも次期大統領選を控え、トランプ大統領は過去3度の米朝首脳会談の功績を維持し、金正恩委員長との仲たがいだけは避けたいところだ。

「そのためにはパイプ役の文在寅大統領の立場を守る必要があります。トランプ大統領は自分の選挙と韓国総選挙で文大統領が勝つため、このタイミングだと『シンゾー、折れろ』と迫るしかない。安倍首相は参院選を終えたばかりで政権も盤石ですから、なおさらです」(五野井郁夫氏=前出)

 今後は飼い主のトランプがポチ首相を味方せず、いさめる展開もあり得るのだ。前出の五十嵐仁氏はこう言った。

「安倍政権が抗議し、突き放しても、文政権が謝るわけがない。それとも文政権が自壊していくと読んでいるのなら、大甘です。むしろ、安倍政権が制裁を強めるほど韓国国内の反発を高め、青息吐息の文政権の支持率が上がる逆効果。韓国の野党にすれば『安倍首相が文大統領を助けている』との思いでしょう。韓国内の日本製品の不買運動でユニクロの閉店が相次ぎ、訪日韓国人客も激減。この事態を招いても、安倍政権は『自分たちの言い分が正しい』と韓国が譲歩するまで制裁を続ける気なのか。ただ、相手も国益を背負っている以上、『自分たちが正しい』と主張するのは当たり前。拳を振り上げている限り、泥仕合が延々と続くだけですが、安倍政権の出口戦略は全く見えません」

 こんな非生産的なガキのケンカに血道を上げる、お子サマ外交。還暦を過ぎた首相が「オレ様は正しい」と言い張る姿のどこが、「美しい国」なのか。

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