戦犯は菅長官か 埼玉県知事選で自公が想定外敗北の衝撃
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トリプルスコアからの大逆転劇だった。
25日投開票だった埼玉県知事選。自民・公明が推薦したスポーツライターの青島健太氏(61)と、上田清司知事が全面応援し、立憲民主や国民民主など野党4党が支援した元参院議員の大野元裕氏(55)の事実上の一騎打ちは、大野氏が6万票差をつけて勝利した。過去3回、2割台だった投票率は、32.31%と3割を回復した。
参院選後初の知事選のうえ、当初「青島圧勝」とされていたため、「勝てば政権への追い風になる」と考えた自民は党を挙げて青島氏を支援。告示前から二階幹事長や岸田政調会長が応援に入り、告示後も三原じゅん子氏ら国会議員が連日、街頭に立った。
特に力が入っていたのは菅官房長官だった。超多忙の中、2度も埼玉入り。大野氏に追い上げられ、青島氏と横一線に並ばれると、菅官房長官は創価学会の幹部に直接支援を頼んだとされる。
「青島氏擁立を埼玉県連に提案したのは菅官房長官だったようです。誤算は創価学会が期待したほど動かなかったことでしょう。公明党が参院選で目標だった比例700万票に達せず、組織は落胆、選挙疲れもあり、知事選どころではなかった。そのうえ、学会はちょうど夏休み中で、動きが鈍かった」(地元記者)
告示直前に出馬を取りやめた元参院議員の行田邦子氏が、選挙期間中に「青島氏に投票する」と表明したことも、自公との密約を思わせ逆効果だった。
一方、大野氏を支援した野党4党にとっては大金星だ。折しも、立憲民主と国民民主が統一会派結成で合意したばかりで、衆院選を睨んだ野党共闘に弾みとなる。
仏G7出席中の安倍首相は、想定外の敗北にイライラしていることだろう。