想像を超える民意の「ノー」に安倍政権は青ざめている

想像を超える民意の「ノー」に安倍政権は青ざめている<下>

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メディアに無視されても2議席(「れいわ新撰組」の山本太郎代表)/(C)日刊ゲンダイ
メディアに無視されても2議席(「れいわ新撰組」の山本太郎代表)/(C)日刊ゲンダイ
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裏目に出た大メディアの必死の山本太郎隠しとテレビの終焉

 今回の参院選で世間を驚かせたのは、山本太郎代表率いる「れいわ新選組」が2議席、「NHKから国民を守る党」が1議席獲得し、ともに政党要件を満たしたことだ。

 もっとも、れいわは公示前に寄付金2億円超を集め、政界関係者のド肝を抜かせたほどで、街頭演説は1000人規模の大群衆。その動画がSNSで拡散され、支持が広がっていったから、議席獲得は当然ではあるが、この結果に苦虫を噛んでいるのは山本太郎隠しが裏目に出た大メディアだろう。

 特にテレビは、れいわの存在を黙殺し、そのくせ山本の街宣が盛り上がっていると知ると、映像だけは撮りだめ。投票箱のフタが閉まった21日午後8時から、各局は一斉に撮りだめた映像をこれでもかと流しまくった。SNSをやらない有権者にしたら、「あの山本太郎が、そんなに大勢の支持を集めていたのか」と、初めて知った人も少なくなかっただろう。

 TBSの選挙特番で、「れいわが台風の目」だと紹介された後、事務所からの生中継で出演した山本は、「台風の目と称していただきましたが、地上波ではほとんど流れない。TBSはじめましてという感じですね」と強烈に皮肉った。

 メディアには投票のための材料を有権者に提示する役割があるはず。しかし、「政党要件を満たしていない」という“口実”でれいわを無視し、社会現象になるほどの選挙運動をなきものにした。公平性の名の下、各候補の街頭演説を同じ分数で流し、各政党の政策をただ横並びでタレ流すだけ。投票終了後は特番でお祭り騒ぎでは、報道機関としての使命を果たしていない。

「公示後になるとめっきり減るのが選挙報道です。政治的中立性に縛られて、突っ込んだ企画になかなか踏み込めず、結局、各党のいいところを並べて紹介する総花的なものになりがち。ただ、それでは有権者に有益な情報を伝えられません。公示後も選挙報道をもっと増やし、対立点をもっと伝え、公平性と言うのなら、各党の問題点や課題などを均等に並べるのもまた平等です。『政党要件』にしても、有権者の選挙への関心を高めるためには、もっと柔軟な扱いがあってもいいと思います」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 今回の“れいわ現象”をきっかけに選挙報道に変革が起きなければ、テレビはもう終わっている。

安倍首相にとっては「隣人」じゃない(日本の輸出規制強化について発言する韓国の文在寅大統領)/(韓国大統領府提供・共同)
安倍首相にとっては「隣人」じゃない(日本の輸出規制強化について発言する韓国の文在寅大統領)/(韓国大統領府提供・共同)
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今後も韓国叩きを続けるのか、トランプにすがるのか。足元を見られる安倍外交

 安倍政権の韓国叩きは根が深い。徴用工問題だけでなく、慰安婦問題、レーダー照射問題、天皇発言問題(韓国の国会議長が天皇に謝罪を求めた問題)の4事項を受けて、安倍親衛隊が「なんとか韓国をギャフンと言わせたい」とさまざまな選択肢を練ってきたもののひとつが輸出規制強化だった。まさにネトウヨの発想だ。それでも一部の支持者が喜ぶから、味をしめた安倍政権は新たなカードを用意して、さらに韓国を追い詰める策を検討しているというから狂っている。

「韓国に対する輸出規制強化を日本側は『安全保障に関わる問題』だと言っていますが、最初に規制を発表した際、菅官房長官も世耕経産相も『信頼関係が崩れた』と理由を口にしている。安保条項を適用するのは無理で、WTO協定違反になってしまいます。どうしてそんな“雑”なやり方をしたのでしょうか。安倍外交は個人的な関係を頼みに成り立っています。トランプ大統領、プーチン大統領、そして次は習近平国家主席。来年、国賓待遇で迎えようという習主席には『永遠の隣人』とまで言いだしていますが、だったら韓国は『隣人』ではないのですか?」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)

 韓国の文在寅大統領は悪化する日韓関係についてトランプに仲裁を相談。これを受けてトランプは、「両首脳とも私のお気に入り」としながらも、「日韓の問題に関わるのはフルタイムの仕事をするようなものだ」と漏らして“請求書”をチラつかせている。高額兵器を爆買いさせられたように、また足元を見られるのは間違いない。

「ホルムズ海峡の『有志連合』の件でボルトン補佐官はなぜ最初に日本を訪れたのか。安倍首相なら必ず参加してくれるだろうと思われてしまっているからでしょう。ペルシャ湾岸諸国は必ずしも反イランで固まっているわけではありません。外交のアベでアピールしてきましたが、北方領土問題にしろ、拉致問題にしろ、上っ面外交の限界が来ていると思います」(春名幹男氏=前出)

慎重姿勢(公明党の山口代表)/(C)日刊ゲンダイ
慎重姿勢(公明党の山口代表)/(C)日刊ゲンダイ
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改憲断念で問われる安倍インチキ内閣の存在意義

「少なくとも議論は行うべきだというのが国民の審判だ。野党には民意を正面から受け止めていただきたい」

 22日の会見で安倍は、悲願の憲法改正について、そう強弁したが、「寝言は寝てから言え」だ。改憲勢力が参院で3分の2議席を割り込んだ選挙結果は「改憲ノー」の民意の表れである。

 それでも安倍は「与野党の枠を超えて3分の2の賛同が得られる改正案を練り上げていきたい」と改憲に意欲を示したが、改憲勢力にカウントされる連立相手の公明党は9条への自衛隊明記には慎重だ。

 改憲を巡る安倍自民との距離感が、今回の参院選で党勢の弱体化に歯止めをかけた要因となっただけに、ますます慎重姿勢を強めるのは間違いない。改憲論議をすべきだとの国民の審判が下ったとする安倍発言について早速、公明の山口代表は「議論すべきだと受け取るのは少し強引だ」とクギを刺してみせた。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。

「参院で改憲勢力3分の2(164議席)割れといっても、不足はたった4議席。公明党の裏切りの歴史や改憲に前向きな旧民主系議員の存在を考えれば、予断を許さない状況です。外交も経済も行き詰まり、改憲まで断念すれば、安倍政権は存在意義を問われる。それだけに国民民主党あたりに手を突っ込むのでしょう。そうしてガムシャラに3分2を確保できても、国民が安倍政権下での改憲を望まないのは、今回の選挙結果でも明らかです。改憲を発議したところで国民投票で否決される可能性は高い。その結果が見えたからこそ、安倍首相も来年の新憲法施行という従来の目標について、『今もその思いに変わりはない。ただ、スケジュールありきではない』とトーンダウンさせたのではないでしょうか」

 事実上の改憲断念に追い込まれたインチキ内閣に、もはや存在意義はない。

 二階幹事長の、安倍の「総裁4選」発言なんて、へそが茶をわかすというものだ。

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