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先週、福島県の浜通りを走る国道6号線を南下した。帰還困難区域は二輪車、徒歩での通行は禁止されている。放射線量が高いためだ。
ある区域になると、薄黄緑色のフェンスが目に入る。中は車中からはほとんど見えない。でも所々黒いフレコンバッグが頭を出している。よく見ると緑色のシートにほぼ覆われているようだ。目立たなくしているのだろうか。
ある被災者は言った。「あの中には、日常のすべてが詰まっている。取り戻したいものすべてがそこにある。・・・放射能にまみれて。」
9月3日(火)に武藤類子さんの講演会が川越である。福島原発告訴団の団長で「私たちは鬼になってしまった」と自分たちのどうしようもない変わり様を嘆く。でも、冷静に見つめることは忘れない。
事故後の国や東電の対応に「あまりにも納得の行かない、不思議なことが多すぎる」と。例えば、東電は、「原発事故で飛び散った放射性物質は、所有者のない“無主物”だから、自分たちに除染の責任はない」として拒否したという。また、事故後に、「関係企業や機関に対して、捜査機関がすぐに証拠押収のための強制捜査に入りますよね。それが東電に対しては行われない」ということも。
一方で、人々が原発事故という「人災」によって、生活を根こそぎ変えられてしまったこと、さらに無用な被曝をずっとさせられてきているという現実。
そして、「戦争責任の問題もそうだし、これまで多々起こってきた公害の問題もそう。一番責任があるはずの人たちの責任は問われないまま、いくつも放置されてきた」と。
さらにこのまま、「今回の事故の責任も問われないとしたら、この先もこの国は変わらない。十分な救済もされないまま、国民は黙らされていくだろう。そう思いました。それで、一緒に反原発の活動に取り組んできた仲間たちとともに、告訴に踏み切ることを決めた」のである。
9月3日(火)14:00開演、場所は、ウェスタ川越・小ホール。
主催は、さようなら原発・川越の会。
是非とも、足を運んでいただければと思います。
9月19日(木)には、裁判が結審となり、東京地裁で判決が出されます。注視していきたい日です。(事務局;勝俣)