「任命責任」はいつも口だけ 国民を舐めている安倍首相

「任命責任」はいつも口だけ 国民を舐めている安倍首相

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また、「顔芸」と口先だけで済ませるのか(安倍首相)/(C)共同通信社
また、「顔芸」と口先だけで済ませるのか(安倍首相)/(C)共同通信社
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「任命責任は私にあり、こうした事態になったことを国民に深くおわび申し上げる」――。

 神妙な顔つきで、お決まりのセリフを口にする安倍首相。いつものパターンだ。

 有権者に金品を配った公選法違反の疑いを報じられた菅原一秀経産相が、就任からわずか1カ月半で辞任した。第2次安倍政権以降で閣僚の辞任は9人目だ。そのたびに、形だけ謝罪する同じ言葉が繰り返される。安倍が「私にある」という責任を取ったためしはない。「任命責任」の言葉がむなしく響くだけだ。

 さすがに見かねたのか、応援団の産経新聞でさえ、26日付の「主張」でこうお叱りだった。

 
<安倍晋三首相は「任命責任は私にある」と謝罪したが、安倍内閣では過去にも桜田義孝五輪相らが発言や疑惑をめぐり、相次いで辞任している。人を見る目がないのか、派閥の力学による人選の弊害なのか。いずれにせよ、「任命責任」があまりに軽い。大いに反省すべきである>

<菅原氏に対しては、過去にも同様の指摘や、別の醜聞報道があった。その上で、どのような根拠で大臣の資質を見極め、重責を担わせようとしたのか。説明責任は、安倍首相にも問われる>

 そこまで言うのなら、隣国の「タマネギ男」を任命した大統領の責任をこれでもかと糾弾したのと同じくらい、日本のタマネギ男の任命権者も追及して欲しいものだ。

 閣僚の交代で無駄に税金が費やされ、国会も停滞する。国民生活にとっては大きな損害だ。

 ましてや菅原の大臣辞任は天皇即位の一連の行事が立て込み、31日まで「饗宴の儀」が続く真っただ中のこと。後任の梶山弘志経産相の急な認証式で天皇に手間を取らせたわけで、「保守」を名乗る安倍はよく平然としていられるものだ。ハナから取る気がないのなら、「私に責任」などと偉そうに言わない方がよほどマシというものである。

■モリカケで味をしめた「逃げるが勝ち」

「さも自分が矢面に立つかのようなカッコイイことを言っておきながら、実行が伴わず、責任を押し付けて逃げてしまう人物は信用されない。どんな社会でもそうです。国のトップが口先だけで謝って終わりなんてあり得ません。任命責任を自ら認めたなら、責任を取って辞任するのが筋でしょう。せめて、給料返納くらいのケジメは必要です。

 責任を取らないのは菅官房長官も同じで、以前から醜聞まみれだった菅原氏の入閣をネジ込んだのは菅長官だそうですが、後任にまた子分の梶山氏を起用した。国会を停滞させた責任を一体どう考えているのか。菅原氏も、大臣辞任で済む話ではないはずで、公選法違反なら議員辞職が当たり前です。これを許せば、またあしき前例になってしまう。モリカケ問題の頃から、逃げるが勝ちの風潮が顕著になってきました。嘘と隠蔽でその場をゴマカし、それでもダメならトカゲの尻尾切りで、トップは知らん顔を決め込む。いつまでこんな国民愚弄を続ける気なのでしょうか」(政治評論家・本澤二郎氏)

 折しも国会では経産相が関係する日米貿易協定の審議が始まったが、菅原は協定承認案が審議入りした24日の衆院本会議を欠席。

「国会で説明する」と出席を明言していた25日の経産委員会の開会前に辞表を出し、トンズラしてしまったのだ。

 この日米貿易協定は今国会の大きな焦点だが、これまたゴマカシの連続で、国民の目を欺くデタラメが次々と明らかになっている。

菅原氏(左)の後任にも子分をネジ込んだ菅官房長官(C)日刊ゲンダイ
菅原氏(左)の後任にも子分をネジ込んだ菅官房長官(C)日刊ゲンダイ
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責任を負うべきトップが最も無責任という倒錯

「この日米貿易協定は米国議会の承認が不要なため、日本の国会で承認されれば年明けにも発効する。しかし、問題だらけで、とても認められる内容ではありません。自動車の関税撤廃の見込みはまったく立っていないのに、『スケジュールが決まっていないだけ』と嘘を言って、無理やり強行しようとしている。国内向けに、あたかも関税撤廃を約束したかのように書かれている日本語文だけ出してきてゴマカそうとしていますが、正式な英文の協定案を読めば、どこにもそんなことは書かれていないのです。WTOのルールでは、2国間の貿易協定では9割程度の関税撤廃が必要とされ、この協定で米国の関税撤廃率は92%になると政府は説明していますが、不確定な自動車や部品の関税が41%あるので、それを除くと現時点では51%に過ぎず、WTO違反の疑いが濃厚です。それ以前に、米国の言い分を丸のみして、日本は何も得るものがない。過去に例がないような奴隷契約なのです。断じて認めるわけにはいきません」(東大教授の鈴木宣弘氏=農政)

 国会で承認されるまで都合の悪いことは隠しておいて、決まった後で不利な条件が国民にバレたところで後の祭り……。そんな子供だましが通用すると思っているのか。

「この政権は“喉元過ぎれば……”で、どんなデタラメをしても時間が経てば国民は忘れるとタカをくくっている。今こそ目を覚まさないと、取り返しのつかないことになります。法によって正義を貫くはずの捜査当局も、政権への忖度で堕落し、安倍政権下の不祥事には一切目をつむってしまっている。税金で賄われている機関が、国民に背を向けて権力の手足になっているのです。長期政権の腐敗も極まれりといった感じで、こんな無法政権に改憲をやらせるわけにはいかない。この無責任政権には、国民の命と生活を任せることもできません」(本澤二郎氏=前出)

■国も企業もガバナンスが崩壊している

 毎週のように台風や大雨による被害が多発しているのに、安倍政権はまるで他人事だ。27日のNHK「日曜討論」で、武田防災担当相は、25日の大雨の影響で10人が亡くなったことについて「早め早めの避難ができていたのかどうか」「情報を的確に伝えたとしても、自治体から地域の住民に伝わる時にどういう受け取り方をしてくれるのか」と言い、自治体と住民に責任を丸投げしていた。唖然とするしかない。何のための防災担当相なのか。

 責任を取らない政権トップの下では、大臣から陣笠議員まで無責任になるといういい例だ。嘘、ゴマカシ、隠蔽、責任転嫁……。「責任は私にある」と言えば責任を取ったことになると勘違いしているか、そう言っておけば国民も納得すると見くびっているかだ。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)もこう言う。

「政権トップは何が起きても責任を取らずにここまできて、来月20日には安倍首相の在任期間が歴代最長を記録します。ここ数年で、国も企業もガバナンスが崩壊してしまった。かんぽ生命の問題や東電、関電もそうですが、誰も責任を取らない。あいちトリエンナーレの補助金不交付問題も、最終的に誰の責任で決めたのか不明確なままです。東京五輪のマラソンや競歩の競技会場が札幌に変更になる件だって、誰が責任者なのかはっきりしなくて実害が出ている。昭和の『無責任男』は責任を取らなくていい立場のお気楽さと諦観を表現したものでしたが、今は責任を負うべき立場の人が最も無責任という倒錯が起きている。そうやって、戦争責任すら回避しようという社会になってきた。責任の所在を明らかにせず、誰も責任を取らない無責任体質が蔓延した結果、五輪の問題などで国際社会にも迷惑をかけています」

 長期政権は必ず腐敗する。上が腐れば下まで腐る。政治家の責任放棄を批判しない大メディアもまた腐敗している。こういう社会では、最後はすべて国民の「自己責任」として押し付けられることになる。そこに政治の存在意義はあるのか。

 自分の利権のためだけにやっているのではないというのなら、トップの責任の取り方とやらを見せてほしいものだ。

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