教皇「原発利用すべきでない」 重大事故の被害を懸念 判断踏み込む

教皇「原発利用すべきでない」 重大事故の被害を懸念 判断踏み込む

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訪日を終え、ローマに戻る特別機内で記者会見するフランシスコ・ローマ教皇=26日、共同

 フランシスコ・ローマ教皇は26日、原発はひとたび事故となれば重大な被害を引き起こすとして「完全に安全が保証されるまでは利用すべきではない」と警告した。ローマ教皇庁(バチカン)はこれまで原発の是非について立場を明確にしておらず、踏み込んだ発言。東京からローマに戻る特別機の中で、記者会見し述べた。

 日本滞在中は、核兵器廃絶への強いメッセージと比べ、原発を巡っては遠回しに反対の立場を示すにとどまっていたが、東日本大震災の被災者や東京電力福島第1原発事故からの避難者と交流し、被害実態を直接聞いたことが教皇に影響を与えた可能性がある。

 訪日を振り返り、24日の被爆地訪問は「深く胸に刻まれる体験だった」と表明。被爆者の体験を聞くなどしたことにより「とても強く心を動かされた」と語った。広島と長崎の「両方を訪れたかった」とし、自らの希望で両被爆地を訪問したことを明かした。

原発「甚大な災害が発生しない保証はない」

 原発事故に関し、東京電力福島第1や1986年のチェルノブイリの例を挙げながら、いつでも起こり得ると指摘。「甚大な災害が発生しない保証はない」と強調した。

 訪日中は、東日本大震災被災者や福島原発事故避難者を前にした25日の演説で「日本の司教は原発の廃止を求めた」と述べるにとどまり、自らの言葉で原発に対する明確な姿勢は示さなかった。

 教皇は会見で核兵器にも言及。使用だけでなく保有についても「倫理に反する」と改めて非難し、このことを信者に対する教理の手引「カテキズム」に盛り込む意向を表明した。世界で核保有が続けば偶発的な事故や政治指導者の愚行により「人類が滅びかねない」と警鐘を鳴らした。

 欧州の国々が武器の製造、売却などによって経済発展しながら平和についての話し合いをしているのは「偽善だ」とも厳しく批判した。

 教皇による23~26日の訪日は、故ヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶり史上2度目となった。(共同)

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