黒川検事長なぜ訓告 賭けマージャン、検察OBら疑問

黒川検事長なぜ訓告 賭けマージャン、検察OBら疑問

社会・くらし
2020/5/22 11:48 (2020/5/22 13:13更新)
1209文字
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賭けマージャン問題で辞職が決まった東京高検の黒川弘務検事長(63)が懲戒処分に当たらない訓告とされたことに、検察OBらの間で「甘いのでは」と疑問の声が広がっている。違法の疑いもある賭博行為が発覚したが、法務省は短期間の調査で訓告にした。検察の信頼を揺るがした今回の問題。専門家は「徹底的な調査が欠かせない」と指摘する。

記者会見で東京高検の黒川検事長の不祥事について説明する森法相(22日午前、国会内)

記者会見で東京高検の黒川検事長の不祥事について説明する森法相(22日午前、国会内)

「賭けマージャンをしたと認定したにもかかわらず、おきゅうを据える程度の甘い処分。『身内に甘い』と勘繰られても仕方が無い」。ある検察OBの弁護士は憤る。週刊文春の報道から間を置かずに下された処分に「熟慮した上の結論とは思えない。国民の理解を得られるとは到底思えず、検察への信頼を一層傷つけることになるのではないか」と危機感を抱く。

国家公務員の処分には「免職」「停職」「戒告」などの懲戒処分のほか、「訓告」や「文書厳重注意」などの懲戒より軽い矯正措置がある。人事院の「懲戒処分の指針」では、賭博をした職員について「減給」または「戒告」、常習的に賭博をした職員は「停職」と示す。

賭けマージャン疑惑は週刊文春が20日に報じた。法務省は前日の19日から調査を始め、21日夕に森雅子法相が事実関係を公表。黒川氏の処分については、人事院の指針よりも軽い訓告にとどめた。森氏は22日の閣議後記者会見で「処分を出すのに必要な調査は終了した。調査結果もできるだけ公表したい」と話した。

賭けマージャンを巡っては、過去に刑事事件として摘発されたこともある。法務省関係者によると今回発覚した黒川氏の賭けマージャンについては「賭け金が遊びの範囲を超えず、賭博罪には当たらない」(幹部)と判断。過去の処分例などを考慮して訓告としたという。

検察庁法改正案などを巡って検察組織のあり方に注目が高まっていた中での不祥事だけに、SNS(交流サイト)上では批判的な投稿が相次ぐ。処分内容が報じられるとツイッター上のトレンドワードで「訓告」が上位に。「黒川検事長の懲戒免職を求めます」などとハッシュタグを付け「国民をなめた処分だ」「逮捕されないのか」などとの投稿も目立つ。

関西学院大の川崎英明名誉教授(刑事訴訟法)は「国民の中で定年延長問題などに対する不信感が高まっているさなかだったからこそ、訓告では甘いと評価された面もある」と話す。

黒川氏は22日に辞職が決まり、退職金も支払われる見通し。国家公務員退職手当法では最も重い懲戒免職処分を受けた場合には、退職金の全部または一部を支給しないとしている。一方、訓告の場合は全額支給されるとみられる。

元東京高裁部総括判事の門野博弁護士は、訓告とした対応について「十分精査した上での結論なのか、疑問符がつく」と指摘。「今回の賭けマージャンが刑法上の賭博に当たるか、もっと慎重に調査した上で処分を決めるべきだった。問題を長引かせたくない政府が、幕引きを急いだという印象を持たれてもやむを得ない」とした。

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