年末年始、路頭に迷う「地獄」。困窮者への支援団体が緊急相談窓口

年末年始、路頭に迷う「地獄」が見える。困窮者への支援団体が緊急相談窓口を開設【新型コロナ】

「困窮者が勇気を持って相談しようと思った時に相談できる場所がないのは地獄といっていい。あなたのことを気にかけているよ、と伝えたいのです」

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11月に入り、新規感染者が再び増加している新型コロナウイルス感染症。経済への影響も続く中で、貧困問題に取り組む支援団体への相談が増えている。

コロナ禍では、支援を受けた経験がない人が追い詰めらている、という。非正規雇用でもギリギリ生活できていた、という人が仕事を失う。「仕事さえあれば…」と思っても、仕事は見つからない。今後の経済も見通せない。

「年末年始は、窓口が閉まる役所も多い。追い詰められた困窮者が勇気を持って相談しようと思った時に相談できる場所がないのは地獄といっていい。あなたのことを気にかけているよ、と伝えたいのです」

NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の理事長・大西連さんは危機感を募らせ、例年は行っていなかった年末年始の緊急支援を行うことを決めた。今、何が起こっているのか。

コロナ関連の解雇・雇い止めは7万7千人超え

新型コロナウイルスの経済への影響は広がっている。帝国データバンクによると「新型コロナウイルス関連倒産」は全国でこれまで800件超え。感染拡大に関連した解雇や雇い止めの人数(見込みを含む)も、厚労省の調査で7万7千人を超えた。

もやいが相談を受けた件数は例年の1.5倍に。土曜日に都庁前で行っている相談会では、9月から11月初めまでは少し減った相談者数が、11月下旬からは再び増加しているという。

「年末年始はもともと、事業所や店が閉まり短期の仕事が減る時期。さらに今年はコロナ禍でギリギリ頑張ってきたものの『年末』という区切りで事業所やお店をたたむ、という事業者の方も増えるかもしれません。より多くの人が困窮する可能性があります」

大西さんはそう分析し、年末年始の支援の重要性を訴える。

支援を受けた経験のない人が、路上に押し出されるコロナ禍

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コロナ禍での支援で実感するのは、「支援を受けた経験がない人が多い」ということだという。

非正規ではあるものの、ギリギリ生活できていた、という人が、仕事を失う。

住み込みであれば住まいもなくなり、日雇いで食い繋ぐ。そういった状況でアパートは借りられないのでネットカフェで過ごすようになり、日雇いも見つからないとネットカフェの料金も払えなくなり、路上に押し出されてしまう。

そういう人を何人も見てきた。

本人は「仕事さえあれば働ける、生活保護を考えたこともない」と思っていても、コロナ禍で仕事は見つからず、追い詰められていく。

「そういった人が役所や支援団体に相談するのはとてもハードルが高いと思います。だからこそ、勇気を出して連絡をとった時には対応できるよう、年末年始でも相談できる体制を作っておく必要があるんです」

自殺者数も前年比で5カ月連続増

大西さんが気を揉む背景には、自殺者数の増加も関係している。 

警視庁の資料によると、全国の自殺者数は2020年7月以降、5カ月連続で昨年より増加。女性の人数が増えていることも社会に衝撃を与えた

「貧困は、失業だけでなるわけではありません。頼れる実家や家族がいない、つながりがない、相談できないことが、貧困につながりやすくなってしまうのです」

「年末年始は多くの人が家族と過ごし、孤独を感じやすい時期でもあります。役所の窓口も閉じていることが多い。私たちが活動することで、あなたたちのことをちゃんと気にかけている人はいるよと伝えたいんです」

年末年始、自治体によって対応分かれる

年末年始は江戸川区など福祉事務所を臨時開庁する自治体もあり、東京都も一時的な宿泊場所を提供、開所して電話相談などを受け付ける日もある。ただ、12月29日から1月3日まで閉まっていたり、対応はするものの大きく広報しなかったりする自治体もあり、対応は別れる。

雇い止めや派遣切りなどで今回のように多くの人が仕事や住まいを失ったリーマンショック当時は、当時は支援団体が「年越し派遣村」を東京・日比谷公園に開設。食事や住まいを求める人であふれ、厚生労働省は省内の講堂を緊急解放した。

しかしコロナ禍では、多くの人を集めるような方法で支援をすることも、講堂のような場所で寝泊りすることも難しい。 

大西さんによると、例年多くの支援団体が年末年始に炊き出しやイベントを行ってきたが、感染拡大防止のためにその場で作った食べ物を配れなかったり、イベント自体を見直さざるを得なくなったりと影響が出ているという。

もやいでは、12月29日には事務所で、1月2日には都庁前で相談活動を行い、食べ物や住まいがない人に緊急の食料品や宿泊の支援する。2日は支援団体「新宿ごはんプラス」と共同で食料配布も行う。

12月30、31日と1月3日はオンラインのフォームを活用しての相談活動を予定している

「公助も受けやすい社会に」

クラウドファンディングのサイトより
もやいが行っているクラウドファンディング

12月1日に、シェルター借り上げ費用や運営費、支援物資の購入などに当てるためのクラウドファンディングを始めると、23日までに500万円以上の支援が寄せられた。

大西さんは「多くの人が制限のある生活を強いられる中で、誰かを支援したいという気持ちは広がっているのかなと感じます」と喜ぶ。

一方で、「生活困窮者の支援は、民間だけでなく公的にもっとやるべきだという意識ももっと広がってほしい。より『公助』も受けやすくなるよう、国などに働きかけていきたいと考えています」。

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クラウドファンディングは1月15日まで。

もやいの緊急相談会は、12月29日に午前11時~午後6時にもやい事務所(新宿区山吹町362番地)で、1月2日は午後2時~3時に新宿都庁前で行われる。

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(寺田隆夫氏より)
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