岸田新内閣発足 いつまで持つか、地味で小粒な傀儡政権

岸田新内閣発足 いつまで持つか、地味で小粒な傀儡政権<上>

公開日: 更新日:

カネも公認権も他派閥に譲った岸田人事に党内からも「唖然」の声

どこが適材適所か(左から福田達夫総務会長、岸田文雄総裁、甘利明幹事長=自民党臨時総務会)/(C)日刊ゲンダイ
どこが適材適所か(左から福田達夫総務会長、岸田文雄総裁、甘利明幹事長=自民党臨時総務会)/(C)日刊ゲンダイ
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 岸田新内閣の全容が固まったが、さっそく「何だ、こりゃ?」の大合唱になっている。

党執行部は「政治とカネ」の問題を抱えるなど“スネ傷”の人物だらけで、閣僚人事も新味ゼロ。この政権は一体何をやりたいのか、さっぱり見えてこない。ハッキリしているのは、党重鎮や派閥に過剰なまでの気を使ったということだけだ。

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中でも、幹事長と官房長官のポストを両方とも他派閥に譲ったことには、党内も唖然だ。甘利幹事長は麻生派で松野官房長官は細田派。自身が率いる岸田派(宏池会)からは、党四役や官房長官、財務相など主要ポストへの起用を見送った。

衆院選を控えた今、公認権と党のカネを握る幹事長の権力は絶大だ。そのポストに甘利を就けたのは、総裁選で岸田支持を打ち出した論功行賞と同時に、「3A」と呼ばれる盟友関係の安倍前首相、麻生新副総裁に配慮したものだ。今後の党運営は甘利、麻生が主導することになる。

安倍の出身派閥で最大派閥の細田派は、岸田総裁誕生に多大な貢献をしたとして、幹事長か官房長官のポストを求めていた。幹事長を麻生派が押さえたことで、細田派には官房長官ポストを渡してバランスを取った形だ。

「首相になれるなら、3Aにひれ伏して、人事権も明け渡すということでしょう。岸田氏は保守本流たる宏池会の理念も捨て去って、3Aにおもねり、安倍政治の亜流を続けようとしているように見えます。宏池会の首相は1991年の宮沢喜一以来30年ぶりですが、岸田氏と同じように他派閥に支えられて首相になった宮沢喜一だって、女房役の官房長官だけは譲らなかった。これだけ主要ポストを他派閥に渡してしまえば、岸田氏は何をやるにも他派閥に“お伺い”を立てなければなりません。3Aの操り人形で、言いなりになるのは目に見えている。派閥の闇支配が完全復活したということです」(政治評論家・本澤二郎氏)

論功行賞や3A傀儡の批判に対し、岸田は「適材適所」と愚にもつかない釈明をしていたが、よくもまあ、選挙前にこんな人事をやれたものだ。

菅内閣をさらに小粒にしたような地味な布陣には、「これで選挙を戦えるのか」と自民候補者から悲鳴に近い声が上がっている。

安倍、麻生、甘利と闇将軍が3人いる内閣で右往左往の新首相

早くも軋轢?(左から、安倍前首相と麻生財務相)/(C)日刊ゲンダイ
早くも軋轢?(左から、安倍前首相と麻生財務相)/(C)日刊ゲンダイ
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 岸田内閣を安倍、麻生、甘利の「3A」が裏で操る構図は、内閣の陣容からも明らかだ。党役員や閣僚の人事も甘利が主導したとされ、高市政調会長に電話で人事を伝えたのも甘利だったという。

もっとも、“闇将軍”が3人もいると、あちらを立てればこちらが立たずで、「人の話を聞くこと」が特技の岸田は右往左往することになるはずだ。実際、早くも3Aの結束に軋轢が生じている。

象徴的なのが、安倍の強い意向で細田派の萩生田前文科相に決まりかけていた官房長官人事が覆り、松野元文科相に内定した経緯だ。

「安倍さんは官房長官に腹心の萩生田を推していた。しかし、まだ当選5回ということもあり、甘利さんが『党内で不満が出る』という理由で起用を見送った。それで同じ細田派の松野さんにお鉢が回ってきたといわれています。派閥内での序列は松野さんの方が上なので細田派幹部は納得していますが、安倍さんは面白くないでしょう。岸田さんが甘利さんを頼りすぎているようにも見えます」(細田派関係者)

各派閥に気を使い、微妙に思惑が異なる3Aの意向も汲みながら政権運営をすることになるのが傀儡の悲哀だ。安倍・菅政権で続いてきた官邸主導も後退するとみられている。

「党の力が強くなるのはいいとしても、どっちつかずを続けていれば求心力を失うだけです。岸田氏がリーダーシップを発揮して、内閣支持率が上がり、衆院選で大勝すれば官邸の力は強まりますが、新政権の布陣を見ると、どこまで岸田氏本人の意思が反映されているか疑わしい。リーダーシップは期待できそうにありません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

マタ裂き状態に苦しむ新内閣になりそうだ。

いくら派閥推薦でもあまりに軽量級の官房長官

存在感はあまり…(松野博一氏)/(C)日刊ゲンダイ
存在感はあまり…(松野博一氏)/(C)日刊ゲンダイ
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 いまから「あの男に官房長官が務まるのか」と揶揄されているのが、新官房長官に決まった松野博一(細田派)だ。しょせん論功と派閥の論理で選ばれたに過ぎないが、それにしても、あまりにも“軽量”“小物”である。

官房長官に起用されたのは、細田派が「幹事長か官房長官は細田派に任せてもらいたい」と要求したためだ。

幹事長には麻生派の甘利が就いたため、細田派には官房長官が回ってきた。

意外にも安倍ベッタリではないという。今回の総裁選では、安倍が推した高市ではなく、岸田を支持。町村派(当時)代表の町村信孝と同派の安倍が争った2012年の総裁選の時も、町村を支援している。

松野は当選7回。早大法学部を卒業後、ライオンに入社。2年ほどで退社し、松下政経塾に入っている。森喜朗元首相に近い文科族だ。

永田町では「控えめ過ぎて存在感がない」「押しが弱い」との評価だ。要するにパッとしない。

元衆議院議員で政治学者の横山北斗氏が言う。

「私が05年に文部科学委員会にいたころ、松野氏も委員でした。自民党から下村博文氏や馳浩氏が委員会に出席して発言していたのを覚えていますが、松野氏が何を語ったのか記憶にありません。迫力不足で印象に残らないのです」

安倍政権が7年も続いたのは、菅官房長官の存在が大きかったという。逆に菅政権が短命に終わったのは「菅官房長官がいなかったからだ」とも言われている。ただでさえ総理が非力なのに、女房役まで小物では、この政権は長く続かないのではないか。

次は【注目は警察出身官房副長官と大物次官の首相秘書官】

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