憲法に背く行為である。決して容認できない。

自民、公明両党の幹事長らがきのう、臨時国会を9月末に召集する方針で一致した。

憲法53条に基づき、野党が召集を要求したのは6月末。すでに2カ月経つのに、さらに1カ月以上も臨時国会を開かないことになる。こんな国会対応がまかり通っていいわけがない。

改めて確認しておく。憲法53条は臨時国会について、衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集しなければならないと定める。

立法府における少数派の発言権を保障するための規定であり、首相や与党の都合で可否を決めていい問題ではない。

確かに召集時期を決めるのは内閣だ。だが「召集のために必要な合理的な期間を超えない期間内に召集を行うことを決定しなければならない」という内閣法制局長官の国会答弁がある。

「3カ月以上」は「合理的な期間」だ――。そう言う人がどれほどいるだろう。

とくに自民党は言えないはずだ。なぜなら野党だった5年前にまとめた憲法改正草案で、少数会派の権利を生かすとの趣旨で、要求から「20日以内」の召集を義務づけているからだ。

安倍首相は今月初めの記者会見で、「働き方改革」のための法案などを準備したうえで召集時期を決めたい、と語った。

しかし野党や国民がいま求めているのは、法案審議の場ではない。一連の疑惑の真相を究明し、再発防止策を考える。そのための国会である。

加計学園の獣医学部新設の背景に首相の意向があったのか否か、関係者の証言は食い違っている。森友学園への国有地売却をめぐっては、格安価格の決定過程について、政府側に虚偽答弁の疑いが新たに浮上した。陸上自衛隊の「日報」隠蔽(いんぺい)疑惑については、稲田元防衛相の関与の有無はあいまいなままだ。

この間、衆参で計4日間の閉会中審査が開かれたが、真相解明には程遠かった。短時間のうえ、野党が求めた関係者の招致を与党が拒むケースが相次いだためだ。

そのうえ、臨時国会の召集を先延ばしする与党や首相の姿勢は、疑惑追及の機会を遅らせ、国民の怒りが鎮まるのを待っているようにしか見えない。

7月の東京都議選での自民党惨敗を受け、首相は「謙虚に、丁寧に、国民の負託に応える」と誓ったはずだ。

それで、この対応である。政治全体への国民の不信がいっそう募ることを憂える。

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