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日本に「武装中立」は可能か?   by limitlesslife
August 21, 2017, 12:51 pm
Filed under: アベノミス, アメリカ合衆国(米国)
日本に「武装中立」は可能か?

【Q】日本の防衛はアメリカ軍にどの程度依存しているのか?

通常戦力に関する限りは依存度ゼロと言っていい。
日本にいる米軍で日本の防衛の任務を持っているのは一兵もいない。

陸軍は2000人くらいいるが、これはもっぱら補給部隊と情報関係。日本の電話の盗聴も
行っている。日本には三沢などに無線の傍受ステーションがある。それから陸軍の一部
(ということになっているけど、多分実際はCIA)に、極東科学技術センターというの
があって、そこでは、日本の技術情報を収集している。雑誌など公に出た情報や学会で
発表したものを収集して、それを翻訳してアメリカに送るのが任務といわれているが、
中には、かなりグレーに近いような手段で収集した情報も含まれているらしい。そこで
働く収集係、翻訳係などの日本人は基地従業員だから、その給料は現在、思いやり予算
で日本が払っている。
三沢の傍受ステーションも、タダで貸すのみならず、電気・ガス・水道料金、日本
人従業員の給料を日本政府が負担している。つまり、日本はお金を払って、アメリカの
スパイ行為に協力しているというわけだ。

海軍は横須賀に空母1隻、それから他に護衛艦が9隻いる。佐世保には揚陸艦が4隻と
掃海艦が4隻。それは特に日本を守っているのではなく、西太平洋、インド洋全域に責
任を持っている。だから今でも空母ジョージ・ワシントンはイラクの情勢がおかしいか
らとペルシャ湾に向かっている。
冷戦時代には米国の制海権が日本の防衛にも役立った面はあるが、それはアメリカ
の防衛のためで、副次的に日本も得したという程度の話。

空軍に関していえば、日本は1959年から航空自衛隊が防空に関して全面的に責任を負っ
ている。日本の航空総隊司令官・松前空将と、在日米空軍司令官・バーンズ少将による
「松前・バーンズ協定」で、日米航空部隊は指揮系統を別とするということが決められ
た。同時にレーダーサイトを日本に渡した。レーダーサイトは防空指揮のセンターで、
それを日本に渡し、さらに指揮系統を別個にするというのは、つまり米軍は日本の防空
には加わらないということだ。

日本には、1970年代から80年代中期までは沖縄にしか米軍の戦闘機部隊はいなかった。
これは韓国の防空を主任務とした部隊。韓国で戦争が起きたら危ないから、家族は安全
な沖縄に置いて、飛行機だけが交代で韓国に派遣されていた。だから韓国の烏山基地に
行くと、沖縄の嘉手納駐屯の第18航空団のマーク「ZZ」を付けた戦闘機がずらっと並ん
でいた。

ところが韓国が経済成長し、その軍もどんどん強くなり、北朝鮮はロシア、中国にもほ
とんど見放されて武器は買えずどんどん弱くなるし、在韓米空軍は第7空軍として日本
にいる米第5空軍と分離したから、嘉手納から韓国への交代派遣も要らなくなった。結
局いま何をしているかというと、中東などに時々交代で出ている。つまり嘉手納はアメ
リカ本土の母基地と同じ扱い。
だからアメリカの議会で「なぜ日本に置くのか。アメリカ本土から出した方がいい
んじゃないか」という意見が出ることがある。その度に国防省は、「いや、日本にいる
と基地の維持費は全部日本が出してくれる。これを呼び返すとその分高くつく」と答弁
している。いまは、思いやり予算を目当てに日本にいるというのが実態。もちろん、海
兵隊も同様で日本防衛部隊ではない。

97年にガイドラインズ、日本防衛協力の指針を改定したが、そこにもはっきり、日本が
攻撃を受けた場合の措置として、「防空に関して自衛隊は主体的に対処する」と書いて
ある。「主体的に対処」というのは、英語を見るともっとはっきりするが、自衛隊が「
primary responsibility」、一義的責任を負うとはっきり書いてある。同様に日本に対
する着陸・上陸の阻止・撃退に関しても、陸上自衛隊が「主体的に対処」する。日本周
辺の船舶の保護、港湾や沿岸警備なども海上自衛隊が「主体的に対処する」と。

原文で読むと、一義的に全部こっちの責任。向こうが何もしなくても、「一義的責任は
あなたにあると書いてあるじゃないか」と言われるとそれまでの契約だ。
ただ、それはその時に決まったというより、現状の追認に過ぎない。

だから、米軍が全部日本からいなくなったとしても何も問題ない。こちらが追い出そう
とするとトラブルになるだろうが、向こうが自分で出て行くのであれば引き止めるべき
理由は何も無い。だからこそ、米軍海兵隊のグアムへの移転についても、早く出ていっ
てもらおうと日本が移転経費、つまり立ち退き料を負担している。

【Q】 そんな状況で、思いやり予算は必要か?

日米地位協定には、「米軍の駐留に伴う経費はすべて合衆国政府の負担とする」とはっ
きりあるので、実は思いやり予算を出す根拠はない。日本は土地を無償で提供し、沖縄
などの民有地の地代を負担する契約だ。
思いやり予算が始まったのは1978年。アメリカのドルが下落して1ドル360円が180
円になった頃。米軍が日本人の基地従業員に払う給料は円で払うから、ドルだと突然2
倍になった。日本の国家公務員と同等の年功序列で賃金が上がるうえに、全駐労との長
い間の慣行で「基地勤務手当」などなど理解に苦しむような特別手当もあったため、占
領当時から30年以上も勤続している守衛の主任の給料が米軍の基地司令官の大佐よりも
高いというような事態になってしまっていた。

その頃、私は防衛庁記者クラブにいて、「地位協定の24条に全額米国の負担と書いてあ
るのに、何を根拠に米軍に補助金を出すのか」と質問したが、故・金丸信氏(当時の防
衛庁長官)が「知り合いがお金に困っている時は思いやりの気持ちを持つのが人情で」
と、巧みにはぐらかす説明をした。最初の負担額が特別手当の分だけで62億円程度だっ
たこともあって、みんな笑い出し、事情もわかるのでまあ仕方ないか…と、それ以上は
追及しなかった。

ところがそれが堤防に開けた蟻の一穴で、日本人従業員の給与のほぼ全額とか、光熱、
水道、電話料なども出せ、となり、兵舎が古くなったから建て替えて欲しいなど、次か
ら次へと要求が増えていった。いまでは、年間2000億円以上に膨れ上がってしまってい
る。
日本本土の基地はほとんど旧軍の土地なので無料だが、沖縄県では民有地を米軍が
無理やり基地にしたので、地代を払っている。国有地の推定地代まで入れると、日本が
負担している額は、年間6500億円にも上っている。

なぜストップできなかったかというと、一つには外務省などが一種の宗教みたいに「安
保条約あっての日本」と心から信じているからだ。今から20年くらい前、外務省を辞め
た高官が「私も”日米同盟あっての日本”なんて現役の時に嘘も方便で言っていたけれど
、この頃の若い課長たちと話すと、心からそう思っている」と嘆いていた。

【Q】自衛隊には本当に単独で国を守る能力があるのか?

自衛隊の能力が国民には知られていない。ヨーロッパは急激な軍縮をしているので、日
本陸上自衛隊の規模はドイツ陸軍の約2倍半だ。日本の陸上自衛隊は15万1000名、ドイ
ツ陸軍は6万2千名。戦車数はドイツ陸軍が今320両、日本が770両。ヘリコプターの数
もドイツが260機、日本430機だ。

海上自衛隊は、能力的にアメリカに次いで世界で2位。イギリス海軍が今、水上艦18隻
、潜水艦6隻。日本は水上艦47隻プラス訓練艦も新しいのを使っているので、トータル
50隻。潜水艦は現在16隻で近いうちに18?22隻にする予定。航空母艦は今小型が2隻だ
が、あと2隻建造中。数だけでなく、装備、訓練の能力も高い。

【Q】核の傘に守られなくてもいいのか?

日本は核不拡散条約をアメリカに呑まされたが、あれは本来おかしい。アメリカ、ソ連
、イギリス、フランス、中国、1967年1月1日以前に核実験をした5カ国のみ核を持っ
ていい、それ以外は持ってはいけないという内容なのだから。
しかし、核は一番頭の痛い問題でもある。スイスやスウェーデンは小さいながらも
しっかりした軍備を持って中立を堅持するのが伝統だったが、核兵器が登場したため、
核で脅かされたらどうしようかというのが一番大変な悩みだった。
ただ、核を持てば脅かされにくくはなるが、他国に脅威を与えるので、他国との関
係が悪くなるマイナス面が十分あるわけで、安全保障上難しい。軍事力強化が安全保障
だと思っている人が多いが、むしろ敵を作らないことが安全保障の要諦。日本の戦国時
代でも調略が大事だった。

理想としては、中立の方が安全。今年は第一次世界大戦の百周年。6月28日にオースト
リアの皇太子フランツ・フェルディナントとその妃のゾフィーがボスニア・ヘルツェゴ
ビナのサラエボで暗殺され、それがきっかけで戦争が始まった。最初はセルビアとオー
ストリアの戦争で、7月28日にオーストリアが宣戦布告をして攻め込んだ。セルビアの
後ろにはロシアがいて、オーストリアを牽制しようと予備役を動員し、戦争の構えを見
せた。すると、オーストリアの背後にいるドイツが直ちにロシアとフランスに宣戦布告
。ドイツは、東でロシアを抑えて西でフランスを制圧しようという計画があった。そう
いう動きを見せるドイツに、今度はイギリスが宣戦布告。……と、わずか一週間くらい
で、オーストリアとセルビアの戦争が、ドイツ、ロシア、それからフランス、イギリス
を巻き込み、最終的には30カ国以上が参加する大戦争になってしまった。

こうなった理由は何かといえば、同盟網。それが導火線になって延焼した。イギリスで
は戦後、なぜセルビアとオーストリアの戦争にイギリスが参加して、94万人の戦死者、
209万人の負傷者を出し、国債の償還に歳入の半分を費やさざるを得ないような負担を
することになったのかを検証し、これは同盟網のせいだという話になった。セルビアが
攻撃されればロシアとしては助けざるを得ない、ロシアが立つならドイツとしてもオー
ストリアを助けざるを得ない。ロシアとフランスは同盟関係だから、ドイツは先手を打
ってフランスに入る。イギリスはフランスと協定があったから出て来る。だから同盟と
いうのは非常に危険なもので、一カ所で火をつければ花火の導火線みたいに町中で爆竹
が鳴り出してしまう。そこで、別の形でお互いの保障をし合おうと、同盟網の代わりに
作ったのが国際連盟だった。

そんななか、スウェーデンとスイスは1814年のナポレオン戦争以降200年、あの大戦乱
のヨーロッパにあって戦争をしていない。スイスはナポレオン戦争後のウィーン会議で
永世中立国になった。スウェーデンは他国と組まないというのが政策。両国はそれによ
って第一次世界大戦、第二次世界大戦に巻き込まれずに済んだだけでなく、双方に武器
を売れるからぼろもうけをした。

スウェーデンのストックホルムに立派なオペラハウスがあるが、その基礎の銘板に1944
年建設とあるのには驚いた。昭和19年。世界中が戦争をしている最中に、彼等は双方に
優秀な武器や特殊鋼、ボールベアリングなどなどを売り、大儲けしてオペラハウスをつ
くって楽しんでいた。

【Q】日本が中立国になれないのはなぜか?

まず宗教的とも言えるようなアメリカ信仰。冷戦は1989年、いまから25年前に終わって
いて、同盟の基礎は失われ、NATOもやめるのも角が立つから形骸化して残っている。と
ころが日本では外務省が、日米同盟あっての日本と布教しているので、国民も冷戦が終
わったということをほとんど自覚していない。

【Q】日本だけで本当に中国の侵略からも守れるのか?

守れる。中国は海軍力が増えているといっても、大したことはない。中国の揚陸能力で
は台湾を取るのも無理。台湾海峡を渡ってどれだけ運べるかというと、商船、漁船を動
員してもせいぜい2個師団4万名が最大限。台湾陸軍は20万名、新鋭戦闘機330機だか
ら「侵攻は根本的に不可能」と台湾の国防当局が議会で言っている。まして日本への本
格的侵攻は無理だ。

【Q】中国の軍備と日本の軍備を比較すると?

戦闘機は例えば向こうが使っているスホーイ27と30は、日本のF15と大体同程度。しか
し、根本的な所、例えば防空レーダー網、防空をコンピュータで指揮するシステムや電
波妨害などは全然レベルが違う。

しかし、中国空軍は馬鹿にはできない。特に尖閣諸島のある東シナ海は、最重要だった
台湾正面なので、もともと最精鋭の航空部隊を置いている。中国空軍は、台湾に面する
南京軍区に戦闘機を340機配置しているが、そのうち180機はF15と対等な新鋭の戦闘機
。日本は那覇に20機置いているだけ。島の防衛は、制空権が根本だが、20機対180機で
はどうしようもない。那覇の滑走路が近く2本になるので、あと20機くらい追加するか
もしれないが、それでも40機対180機で、それほどの差は少々の技術力ではしのぎにく
い。年間の一人当たり飛行訓練も150時間で日本と同じくらいだと見られるので、尖閣
諸島に関していえば、向こうが「棚上げ」にしようと言っているのだから、それに応じ
るのが一番賢い。

棚上げというのは「日本が実効支配することを認める。両方とも領有権の主張は続けざ
るを得ないから、お互い勝手に主張はしよう。ただし、日本も部隊を置くとか兵舎を建
てるとか現状変更はしないで欲しい。お互いしばらくそっとしておこう」ということ。
日本にとっても結構な話なのに、なぜ外務省は「棚上げはけしからん」とわざわざ解決
を長引かせるのかわからない。

アメリカのオバマ大統領が来日したとき、日本の新聞は外務省の言う通りに、「オバマ
大統領が安保条約の5条を尖閣に適用すると述べた」と大きく報道したが、あれは当た
り前で、アメリカが前々から言っている話。尖閣列島の中に赤尾嶼、黄尾嶼という2つ
の岩礁がある。中国風の名前だから、今は大正島と久場島と日本名で呼び換えているが
、日米地位協定では、赤尾嶼、黄尾嶼が射爆場(標的)としてアメリカへの提供施設に
名前が載っている。だから安保条約の適用範囲であるのは当然。といっても、自衛隊が
一義的に防衛の責任を負うことになっているので、必ずしもアメリカが日本を守ってく
れるわけではない。

それより大事な点は、後の共同記者会見でオバマ大統領が会談内容を明らかにし、「私
は安倍首相に直接言った」として、“keep the rhetoric low”(rhetoricは修辞法。
つまり「言葉遣いに気を付けろ」)。それから“don’t take provocative actions”(
挑発的行動を止めろ)。中国とこの問題をエスカレートするのは“fundamental mistak
e”(根本的な誤り)であって、協力の方法を考えるべきだ、などと注意した、と言っ
た。だから、あの時の見出しは「尖閣列島に安保条約適用」ではなく、むしろ「米国、
日本に対中関係改善を要求」とすべきだった。

オバマ氏は「中国は世界にとって大事な国であり、米国との結びつきは強固だ」とも言
った。アメリカにとっては日本よりも中国の方が大事に決まっている。

よく言われるのは、アメリカ政府の国債は今1兆3000億ドルくらい中国が持っていて、
日本よりも上だということ。それよりも、中国の外貨準備3兆6000億ドルくらいがほと
んどドル建てで、ウォール街で運用されていることの方が大きい。アメリカの証券、金
融の最大の顧客は中国。だからアメリカで一番発言権のある銀行、証券は中国様々にな
っている。
アメリカで発言権が強い軍需産業も、中核の航空機産業で最大のお得意様は中国。
中国は年間150機くらい旅客機を買っている。アメリカの航空機業界の発表を見ると、2
030年までに中国の旅客機需要は3800機に達する見込みで、その半分くらいを受注でき
ないかと狙っている。
自動車も、GMが一時駄目になっていたが、急激に復活した。世界でのGMの売上は年
間900数十万台。そのうち中国で370万台も売っている。

【Q】中国の脅威はどの程度のものなのか?

中国軍事費の急激な増大を言う人が多いが、実は中国の軍事費のGDPに占める率はほぼ
低下の一途。�讃�浸瓩��△魄�辰��厩傾年には5.5%だったが、今はGDPの1.3%だ。
中国のGDPは1979年から2013年の33年間で140倍になったが、国防費はその間に33倍、歳
出に占める比率は17.4%から5.3%に下がった。

日本でも高度成長期の1960年から1993年までの33年をとると、GNPは38.8倍、防衛関係
費は29.6倍になった。韓国、台湾などでも、高度成長期には国防費も急増した。
GDPが伸びれば当然政府の歳入はそれ以上に伸びる。歳入が増えれば当然歳出も同
じように増える。その時軍にだけ分け前をやらないというわけにはいかない。中国の場
合、他の費目の方がもっと増えているが、軍もある程度は伸びているというだけの話。
去年の日本の防衛白書では、中国の国防費は「過去25年で33倍以上」と書いている
一方で、「中国は経済建設に支障のない範囲で国防力の向上のための資源投入を継続す
るものと思われる」とも書いている。前段は素人をおどかすためで、後段はプロ向けに
「我々も分かっていますが」という意味だ。

それに、アメリカを引き込んで中国と戦争なんてことは考えられない。中国と日本が紛
争を始めれば、アメリカは調停に乗り出し、それでも駄目なら多分向こうに付く。国際
政治はイデオロギーや価値観などという文学的なものよりは利害計算で動くことが多い
。米国は中国に付く方が得と考えるだろう。

間もなく2年に一回のリムパック(環太平洋合同演習)が始まる。米海軍が主催し、本
来は同盟国の海軍演習だったが、今回は中国海軍が初参加する。有名なアメリカ海軍の
兵学校、アナポリス兵学校にも中国人の士官候補生を入れる。
中国海軍将校がアメリカで教育を受け、アメリカと一緒に演習する。それはおそら
くアメリカが将来中国に兵器を売る伏線だろう。

しかし、アメリカと中国が仲良くするのは、日本にとってはかえって楽な話。両方が対
立していたら、どっちに付くか難しいが、向こうは仲が良くて日本にも「お前も仲良く
しろ」と言っているわけだから、何も悩む必要はない。中国市場の争奪競争で米国とひ
どく対立しないよう、適度に中国市場でのシェアを確保すればよい。

【Q】ベトナムと領土問題で争うなど、中国の強硬姿勢が気になるが?

中国はサンフランシスコ条約に入ってないので、翌年、1952年に日華平和条約を結んだ
。これはその当時日本が中国の正統政権として認めていた蒋介石政権との条約。その第
2条「領有権の放棄」で、「日本国は1951年9月8日にアメリカ合衆国のサン・フラン
シスコ市で署名された日本国との平和条約第2条に基づき、台湾、及び澎湖諸島並びに
新南群島(南沙)及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したこと
が承認される」と書いてある。

台湾、澎湖諸島、新南群島(南沙)は日本が統治していた頃には台湾の一部だった。西
沙は日本が戦争中に占領していた。二国間条約で日本がこれを放棄するというのは、そ
れを渡すということだから、日本としては当然南沙、西沙は中国領であると認識してい
たわけで、中国の主張にも正当性がある。1974年に西沙、84年に南沙で中国とベトナム
が衝突した際には、当時中国はアメリカ寄り、ベトナムはソ連寄りだったから日本外務
省は「西沙、南沙は日華平和条約で日本が中国に対して放棄した」と言っていた。

その後、南沙と西沙で中国とベトナムがまた対立するので、最近、国際法課長に確認し
たら、彼が本当に困ったような顔をして、「放棄すると書いてあるが、どこに放棄する
とは書いてないからまだ未定なのだ」と言う。だが、未定だとすると、台湾、澎湖諸島
、新南群島、西沙群島と並んで書いてあるので、台湾、澎湖諸島の帰属も未定という変
なことになってしまう。
中国が国家の権利の「承継」(相続のようなもの)として日華条約を持ち出せば、
ぐっと有利だろうが、その調印当時、中国は蒋介石政権を「偽政府」と呼んでいたから
、いまになって「あの条約は有効」と言いにくい。日本もその方が知らぬ顔ができる。

【Q】北朝鮮のミサイルの脅威は?

あれが一番本当に真剣な脅威。小泉氏が2002年9月に北朝鮮に行って、日朝平壌宣言を
したが、一番のポイントは核開発を止める、ミサイル実験を中止するという条項だった
。その見返りに日本は北朝鮮と国交を開こう、経済協力もしようとなった。中止するつ
いでに手土産みたいに北朝鮮が拉致問題を謝ったが、日本はその手土産の話で騒ぎにな
って、結局平壌宣言を履行できなかった。宣言の内容は、北朝鮮が核問題についてすべ
ての国際的合意を守る。すなわちNPT核不拡散条約を守り、韓国との朝鮮半島非核化宣
言を遵守するという話だったから、それが実施されれば今日の核問題は無かった。仮に
北朝鮮が秘密で進めたとしても、IAEAの査察は受けるわけだから、今みたいに大手を振
って核実験はできなかった。

だから拉致問題でそれを潰した安倍は何たる無責任、と当時から思った。事の軽重を考
えろと言っていた。一番初歩的な核爆弾でも、東京の上空、例えば国会の上で一発爆発
したら3キロ圏内が大火災。ウィークデーの昼間を考えると、約159万人が3キロ圏内
にいるから、80万人くらいの死傷者は出る。他の都市にも撃ち込んで来ると、数百万人
の犠牲が出てしまう。

ミサイル防衛というのは、気休めだ。ミサイルはスピードは速いが決まったコースで来
るから、一発だけであれば上手く行けば当たるかも知れない。しかし、北朝鮮は核弾頭
は7、8個でもミサイルは何百発も持っている。火薬弾頭を付けたミサイルと一緒に撃
たれたら、どれが核を積んでいるミサイルか判らない。海上自衛隊はイージス護衛艦一
隻あたり、ミサイル防衛用のミサイルを8発しか積んでいない。対空ミサイルは、不発
や故障に備えて1回につき必ず2発ずつ撃つことになっている。しかも上昇中の頂点に
近い所でまず撃ってみて、それをミスすると後でもう1回と、4発撃つことがよくある
。となると、相手のミサイルたった2発にしか対処できない。一発16億円もする高価な
ものだし、あまり有効でないから1隻に8発しか買っていない。8発撃ってそれで任務
終了だ。

【Q】集団的自衛権は必要か?

これまで集団的自衛権を行使できなかったというのは嘘。1951年に調印した最初の日米
安保条約の前文に、国連憲章は個別的及び集団的自衛権を認めていて、その権利の行使
としてこの条約を結ぶ、ということが書いてある。条約を結ぶという行為がつまり、集
団的自衛権の行使に当たる。
日本では自衛隊が合憲であるということを無理矢理言おうとして、海外で武力行使
をするのが集団的自衛権の行使、それをしないから自衛隊は憲法違反ではない、という
理屈にした。それを今になって集団的自衛権を行使するために憲法解釈を変えるという
のは、そもそもおかしな話。

政府が示した集団的自衛権が必要な8例を含む15の事例は、ほとんど個別的自衛権で対
処可能だ。尖閣問題はもちろん個別的自衛権だし、PKOに関しては、元々集団的自衛権
の話ではない。集団的自衛権らしきものが8項目あるが、全て海軍マター。だが、安保
法制懇には海軍のことを知っている人が誰もいないのが問題。

例えばアメリカがどこかと戦争になった時に、敵に物を運んで行く船を公海上で停めて
検査するという臨検、それを日本が集団的自衛権でやるというが、本来公海上にある船
は船籍を置く旗国の主権下にあり、日本が停めて検査する権限はない。臨検というのは
旗国の主権侵害だから、交戦国特有の権利。戦争をしている国にとっては敵の所に物を
運んで行くのを黙って見ているわけにはいかないから、停船させて武器弾薬を没収して
もいい、軍隊向けの食糧は没収できる、積み荷の半分以上が軍隊向けであれば船ごと没
収してもいい、そういうことが決まっている。これは交戦権の典型的なケース。ところ
が政府の説明は、日本がまだ攻撃されていないという前提だから、交戦国ではないし、
憲法も交戦権を否定しているから船を停めるのは違法行為。仮にすべての安保常任理事
国が臨検を認めても、確立されている国際法をしのぐ力があるのかは疑問だ。

また、安倍首相は女性が赤ちゃんを抱いて避難するパネルを見せて、今の日本の憲法の
解釈では、アメリカの船が避難している日本人を運んでいるときでも、自衛隊が米軍の
船を守ることができないと言った。
しかし、アメリカの軍隊が日本の難民を運ぶことはまずありえない。97年のガイド
ラインズで、アメリカは朝鮮有事を想定して、自国民を日本に避難させる際、米軍家族
はパスポートを持っていないので、軍の身分証明書をパスポート代わりに認めてほしい
と要求した。さらに、自衛隊の航空基地や民間空港、港湾の使用、宿泊、輸送、衛生、
医療などの援助などを求め、日本側も了承した。
その代わり、韓国にいる日本人の避難を助けてくれるのかと言ったら、それはでき
ないと拒絶された。ガイドラインにもはっきり「日本国民又は米国国民である非戦闘員
を第3国から安全な地域に退避させる必要が生じた場合には、日米両国政府は、自国の
国民の退避及び現地当局との関係について各々責任を有する」と明記されている。

これは現実の反映で、アメリカが救出しなくてはいけないのは、アメリカ国民それから
グリーンカードを持っている人、それが韓国に22万人もいる。22万人ということは、10
00人乗りの船で220隻。旅客機に400人乗るとして550機。22万人助けるのも無理かもし
れない。
さらに救助の優先も決められている。1番はもちろんアメリカのパスポートを持っ
ている人。2番目がグリーンカードを持っている準アメリカ人。3番目がイギリス、カ
ナダ、オーストラリア、ニュージーランド。4番目がその他。日本人も中国人もドイツ
人もみなその他に含まれる。つまり、米軍が日本人を助けるのは現実的に無理だから、
アメリカは断ったのだ。

シーレーン防衛では、海上自衛隊は海上通商路を守るために、世界第2の海軍を持って
いる。実際商船の護衛能力では、日本は世界一。
アメリカの巡洋艦、駆逐艦はほとんど空母の護衛用で、商船の護衛能力はゼロに近
い。日本の場合は商船の護衛用に、訓練用3隻を含み50隻の護衛艦と、P-3哨戒機77機
、哨戒ヘリコプター86機など、錚々たる最新鋭のものを揃え、訓練度も高い。シーレー
ン防衛は、今は日本の商船を守ることではない。日本籍の商船は今150隻しか残ってな
くて、外航船員は2000人を切っている。日本は人件費が高いので、香港やシンガポール
、パナマなど、外国に子会社を作り、そこに日本の船を売って向こうの船籍にし、外国
人船員を乗せている。それが便宜置籍船というチャーターバック。日本の2012年の輸入
量を調べてみたら、日本籍船によって運ばれたのはわずか10.1%、便宜置籍船で55%く
らい。純粋の外国船で運んだ物が残りの33%。

日本籍の船だけ守っていては1割しか守れないわけだから、当然日本のシーレーン防衛
は外国籍の船も守ることになっている。それは個別的自衛権の範囲で、それが来なかっ
たらこの国は存立しえないわけだから、どの国籍の船を守ろうが、これは日本の個別的
自衛に決まっている。
海上自衛隊はそういうことで今までずっとやってきたが、誰も文句を言っていない
。それを安倍首相が「今の憲法の解釈では外国の船は守れない」と言う。それではこれ
まで海上自衛隊がやってきたシーレーン防衛は、ずっと違法行為を計画し、訓練してき
たことになる。その現在の最高司令官は安倍首相だ。
だから海上自衛隊でも、何を馬鹿なことを言っているのかと、笑い話になっている

【Q】中立が理想であっても、米軍は簡単には出て行かないのでは?

それは難しいだろう。いまそれをやろうとしてアメリカと対立するのは得策ではない。
しかし、本来は対ソ同盟だったので、本当の意味での同盟の目的は失っている。同盟と
いうのは共通の敵がいて成り立つもので、本来の目的が失われた後も残そうとすると変
なことになってしまう。冷戦時代と違っていまは日本に本格的に攻め込む能力を持つの
はアメリカしかいないのだから。

原理的に軍事学的に考えると一番安全なのは武装中立。歴史的にみてもそうだが、現実
的にすぐに中立国をめざすのは難しい。それは長い時間軸で考えなければいけない。
ただ、外務省は同盟を愛情で結ばれる結婚のように思っているが、同盟は企業のジ
ョイントベンチャーのようなもので、そのときどきの利害によってくっついたり離れた
りする。超人種主義のヒトラーと日本が同盟を結んだり、日本の完全武装解除をした米
国が日本に再軍備させ同盟するなど、理念や価値観とは無関係な例が多い。

今日のアメリカの国家目標は「財政再建」「輸出倍増」で、中国の「封じ込め」は考え
ず、エンゲージメント「抱き込み」を目指すと、何度も公言している。外務省は過去の
アメリカに追随しようとするかっこうだ。

http://www.rosetta.jp/risoko/140620.html
2014.6.20 軍事ジャーナリスト田岡俊次さん

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



過去五共和党大統領は選挙勝利に舵を切る為に欺瞞と国家反逆を犯した by limitlesslife
August 1, 2017, 3:05 am
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The Past 5 GOP Presidents Have Used Fraud and Treason to Steer Themselves to Electoral Victory

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OpEdNews Op Eds 7/30/2017 at 01:20:30

By Thom Hartmann Message Thom Hartmann Permalink
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Related Topic(s): Corporate; Electoral Politics; Fraud; Gerrymandering; Past Presidents; Republican; Treason, Add Tags Add to My Group(s)
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The deception started long before Donald Trump.

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(Image by Photo Credit: Marion Doss / Flickr) Permission Details DMCA

People are wondering out loud about the parallels between today’s Republican Party and organized crime, and whether “Teflon Don” Trump will remain unscathed through his many scandals, ranging from interactions with foreign oligarchs to killing tens of thousands of Americans by denying them healthcare to stepping up the destruction of our environment and public lands.

History suggests — even if treason can be demonstrated — that, as long as he holds onto the Republican Party (and Fox News), he’ll survive it intact. And he won’t be the first Republican president to commit high crimes to get and stay in office.

In fact, Eisenhower was the last legitimately elected Republican president we’ve had in this country.

Since Dwight Eisenhower left the presidency in 1961, six different Republicans have occupied the Oval Office.

And every single one of them — from Richard Nixon to Donald Trump — have been illegitimate — ascending to the highest office in the land not through small-D democratic elections — but instead through fraud and treason.

(And today’s GOP-controlled Congress is arguably just as corrupt and illegitimate, acting almost entirely within the boundaries set by an organized group of billionaires.)

Let’s start at the beginning with Richard Nixon.

In 1968 — President Lyndon Johnson was desperately trying to end the Vietnam war.

But Richard Nixon knew that if the war continued — it would tarnish Democrat (and Vice President) Hubert Humphrey’s chances of winning the 1968 election.

So Nixon sent envoys from his campaign to talk to South Vietnamese leaders to encourage them not to attend an upcoming peace talk in Paris.

Nixon promised South Vietnam’s corrupt politicians that he would give them a richer deal when he was President than LBJ could give them then.

LBJ found out about this political maneuver to prolong the Vietnam war just 3 days before the 1968 election. He phoned the Republican Senate leader Everett Dirksen — here’s an excerpt (you can listen to the entire conversation here):

President Johnson:
Some of our folks, including some of the old China lobby, are going to the Vietnamese embassy and saying please notify the [South Vietnamese] president that if he’ll hold out ’til November the second they could get a better deal. Now, I’m reading their hand, Everett. I don’t want to get this in the campaign.
And they oughtn’t to be doin’ this. This is treason.

Sen. Dirksen: I know.
Those tapes were only released by the LBJ library in the past decade, and that’s Richard Nixon that Lyndon Johnson was accusing of treason.

But by then — Nixon’s plan had worked.

South Vietnam boycotted the peace talks — the war continued — and Nixon won the White House thanks to it. As a result, additional tens of thousands of American soldiers, and hundreds of thousands of Vietnamese civilians, died as a result of Nixon’s treason.

And Nixon was never held to account for it.

Gerald Ford was the next Republican.

After Nixon left office the same way he entered it — by virtue of breaking the law — Gerald Ford took over.

Ford was never elected to the White House (he was appointed to replace VP Spiro Agnew, after Agnew was indicted for decades of taking bribes), and thus would never have been President had it not been for Richard Nixon’s treason.

The third was Ronald Reagan, elected in 1980.

He won thanks to a little something called the October Surprise — when his people sabotaged then-President Jimmy Carter’s negotiations to release American hostages in Iran.

According to Iran’s then-president, Reagan’s people promised the Iranians that if they held off on releasing the American hostages until just after the election — then Reagan would give them a sweet weapons deal.

In 1980 Carter thought he had reached a deal with newly-elected Iranian President Abdolhassan Bani-Sadr over the release of the 52 hostages held by radical students at the American Embassy in Tehran.

Bani-Sadr was a moderate and, as he explained in an editorial for The Christian Science Monitor earlier this year, had successfully run for President on the popular position of releasing the hostages:

“I openly opposed the hostage-taking throughout the election campaign…. I won the election with over 76 percent of the vote…. Other candidates also were openly against hostage-taking, and overall, 96 percent of votes in that election were given to candidates who were against it [hostage-taking].”

Carter was confident that with Bani-Sadr’s help, he could end the embarrassing hostage crisis that had been a thorn in his political side ever since it began in November of 1979. But Carter underestimated the lengths his opponent in the 1980 Presidential election, California Governor Ronald Reagan, would go to win an election.

Behind Carter’s back, the Reagan campaign worked out a deal with the leader of Iran’s radical faction — Supreme Leader Ayatollah Khomeini — to keep the hostages in captivity until after the 1980 Presidential election.

This was nothing short of treason. The Reagan campaign’s secret negotiations with Khomeini — the so-called “October Surprise” — sabotaged Carter and Bani-Sadr’s attempts to free the hostages. And as Bani-Sadr told The Christian Science Monitor in March of 2013:

“After arriving in France [in 1981], I told a BBC reporter that I had left Iran to expose the symbiotic relationship between Khomeinism and Reaganism.

“Ayatollah Khomeini and Ronald Reagan had organized a clandestine negotiation, later known as the ‘October Surprise,’ which prevented the attempts by myself and then-US President Jimmy Carter to free the hostages before the 1980 US presidential election took place. The fact that they were not released tipped the results of the election in favor of Reagan.

And Reagan’s treason — just like Nixon’s treason — worked perfectly.

The Iran hostage crisis continued and torpedoed Jimmy Carter’s re-election hopes.

And the same day Reagan took the oath of office — almost to the minute, by way of Iran’s acknowledging the deal — the American hostages in Iran were released.

And for that, Reagan began selling the Iranians weapons and spare parts in 1981, and continued until he was busted for it in 1986, producing the so-called “Iran Contra” scandal.

But, like Nixon, Reagan was never held to account for the criminal and treasonous actions that brought him to office.

After Reagan — Bush senior was elected — but like Gerry Ford — Bush was really only President because he served as Vice President under Reagan.

If the October Surprise hadn’t hoodwinked voters in 1980 — you can bet Bush senior would never have been elected in 1988. That’s four illegitimate Republican presidents.

And that brings us to George W. Bush, the man who was given the White House by five right-wing justices on the Supreme Court.

In the Bush v. Gore Supreme Court decision in 2000 that stopped the Florida recount and thus handed George W. Bush the presidency — Justice Antonin Scalia wrote in his opinion:

“The counting of votes … does in my view threaten irreparable harm to petitioner [George W. Bush], and to the country, by casting a cloud upon what he [Bush] claims to be the legitimacy of his election.”

Apparently, denying the presidency to Al Gore, the guy who actually won the most votes in Florida, did not constitute “irreparable harm” to Scalia or the media.

And apparently it wasn’t important that Scalia’s son worked for the law firm that was defending George W. Bush before the high court (thus no Scalia recusal).

Just like it wasn’t important to mention that Justice Clarence Thomas’s wife worked on the Bush transition team and was busy accepting resumes from people who would serve in the Bush White House if her husband stopped the recount in Florida…which he did. (No Thomas recusal, either.)

And more than a year after the election — a consortium of newspapers including The Washington Post, The New York Times, and USA Today did their own recount in Florida — manually counting every vote in a process that took almost a year — and concluded that Al Gore did indeed win the presidency in 2000.

As the November 12th, 2001 article in The New York Times read:

“If all the ballots had been reviewed under any of seven single standards and combined with the results of an examination of overvotes, Mr. Gore would have won.”

That little bit of info was slipped into the seventeenth paragraph of the Times story on purpose so that it would attract as little attention as possible around the nation.

Why? because the 9/11 attacks had just happened — and journalists feared that burdening Americans with the plain truth that George W. Bush actually lost the election would further hurt a nation that was already in crisis.

And none of that even considered that Bush could only have gotten as close to Gore as he did because his brother, Florida Governor Jeb Bush, had ordered his Secretary of State, Kathrine Harris, to purge at least 57,000 mostly-Black voters from the state’s rolls just before the election.

So for the third time in four decades — Republicans took the White House under illegitimate electoral circumstances. Even President Carter was shocked by the brazenness of that one.

And Jeb Bush and the GOP were never held to account for that crime against democracy.

Most recently, in 2016, Kris Kobach and Republican Secretaries of State across the nation used Interstate Crosscheck to purge millions of legitimate voters — most people of color — from the voting rolls just in time for the Clinton/Trump election.

Millions of otherwise valid American voters were denied their right to vote because they didn’t own the requisite ID — a modern-day poll-tax that’s spread across every Republican state with any consequential black, elderly, urban, or college-student population (all groups less likely to have a passport or drivers’ license).

Donald Trump still lost the popular vote by nearly 3 million votes, but came to power through an electoral college designed to keep slavery safe in colonial America.

You can only wonder how much better off America would be if six Republican Presidents hadn’t stolen or inherited a stolen White House.

In fact — the last legitimate Republican President — Dwight Eisenhower — was unlike any other Republican president since.

He ran for the White House on a platform of peace — that he would end the Korean War.

This from one of his TV campaign ads:

“The nation, haunted by the stalemate in Korea, looks to Eisenhower. Eisenhower knows how to deal with the Russians. He has met Europe leaders, has got them working with us. Elect the number one man for the number one job of our time. November 4th vote for peace. Vote for Eisenhower.”

Two of his campaign slogans were “I like Ike” and “Vote For Peace, Vote For Eisenhower.”

Ike was a moderate Republican who stood up for working people — who kept tax rates on the rich at 91 percent — and made sure that the middle class in America was protected by FDR’s New Deal policies.

As he told his brother Edgar in 1954 in a letter:

“Should any political party attempt to abolish social security, unemployment insurance, and eliminate labor laws and farm programs, you would not hear of that party again in our political history.”

And Eisenhower was right — the only way Republicans have been able to win the presidency since he left office in 1961 has been by outright treason, a criminal fraud involving conflicted members of the Supreme Court, or by being vice-president under an already-illegitimate president.

And that’s where we are today, dealing with the aftermath of all these Republican crimes and six illegitimate Republican presidents stacking the Supreme Court and the federal judiciary.

And this doesn’t even begin to tell the story of how the Republican majority in the senate represents 36 million fewer Americans than do the Democrats. Or how in most elections in past decades, Democrats have gotten more votes for the House of Representatives, but Republicans have controlled it because of gerrymandering.

This raises serious questions about the legitimacy of the modern Republican Party itself.

They work hand-in-glove with a group of right-wing billionaires and billionaire-owned or dominated media outlets like Fox and “conservative” TV and radio outlets across the nation, along with a very well-funded network of rightwing websites.

The Koch Network’s various groups, for example, have more money, more offices, and more staff than the Republican Party itself. Three times more employees and twice the budget, in fact. Which raises the question: which is the dog, and which is the tail?

And, as we’ve seen so vividly in the “debate” about healthcare this year, the Republicans, like Richard Nixon, are not encumbered by the need to tell the truth.

Whether it’s ending trade deals, bringing home jobs, protecting Social Security and Medicaid, or saving our public lands and environment — virtually every promise that Trump ran and won on is being broken. Meanwhile, the oligarchs continue to pressure Republican senators to vote their way.

Meanwhile, a public trust that has taken 240 years to build is being destroyed, as public lands, regulatory agencies, and our courts are handed off to oligarchs and transnational corporations to exploit or destroy.

The Trump and Republican campaign of 2016, Americans are now discovering, was nearly all lies, well-supported by a vast right-wing media machine and a timid, profit-obsessed “mainstream” corporate media. Meanwhile, it seemed that all the Democrats could say was, “The children are watching!”

Fraud, treason, and lies have worked well for the GOP for half a century.

Thus, the Democrats are right to now fine-tune their message to the people. But in addition to “A Better Deal,” they may want to consider adding to their agenda a solid RICO investigation into the GOP and the oligarchs who fund it.

It’s way past time to stop the now-routine Republican practice of using treason, lies, and crime to gain and hold political power.

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Thom Hartmann is a Project Censored Award-winning New York Times best-selling author, and host of a nationally syndicated daily progressive talk program on the Air America Radio Network, live noon-3 PM ET. http://www.thomhartmann.com His most recent books are “The Last Hours of Ancient Sunlight,” “Unequal Protection: The Rise of Corporate Dominance and the Theft of Human Rights,” “We The People,” “What Would Jefferson Do?,” “Screwed: The Undeclared War Against the Middle Class,” and “Cracking The Code: How to Win Hearts, Change Minds, and Restore America�s Original Vision.”

And here are 80 more older articles by Thom Hartmann.
http://www.thomhartmann.com

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米国白人社会の病 救えるか by limitlesslife
May 17, 2017, 2:17 am
Filed under: アメリカ合衆国(米国)

米国白人社会の病 救えるか
水野和夫氏(法政大教授)

米経済の悪化が国家の土台を根底から揺るがしている。
フルタイムで15年以上働いている男性の実質所得は中央値でみると
1973年をピークにいまだその水準を超えられない。
100人中下位の50人は、働き始めたときよりも現在貧しい。
既に44年たったので、退職時点の生活レベルが下がっている人が多数派だ。

トランプを大統領に選んだ「忘れられた人々」とは、働いても、
働いても生活が良くならない人々であり、多くは学歴が高卒以下、
地域的には白人の比率が高い内陸部だ。
失業率が現在全米平均で4.5%と2007年5月以来の低水準だが、
高卒以下の人は6.8%と依然として高い。

■旧ソ連と同じ根

生活水準が長期間上がらなかったり、失業が長期化すると、
精神が蝕(むしば)まれる。
プリンストン大学のアン・ケース、アンガス・ディートン両教授の調査によれば、
中年の白人の死亡率が1998年までは低下していたのに、
翌年から2013年にかけて上昇傾向に転じた。
米在住のヒスパニック系や英国、フランス、ドイツなど他の先進国の死亡率は
低下傾向にある。
中年白人の死亡率上昇の理由は明らかではないが、
1990年代半ばからのIT革命やグローバリゼーションにあるとみられている。

これ以降、米国の雇用は、海外生産や経理事務などのアウトソーシング化が進み、
高卒以下の人たちの仕事が奪われた。
財の貿易収支でみると、BRICS(新興5カ国)の台頭で98年以降、
赤字が急拡大している。
長期にわたって失業すると、アルコールや薬物依存症となり、
それに比例して自殺率が上がり、中年白人の死亡率上昇となって表れる。
米国白人社会はもはや先進国の体をなしていない。
ソ連が乳児死亡率の高さなどで崩壊したのと同根だ。

トランプ大統領の最優先課題は雇用と所得の増加である。
それができなければ、米国は白人がつくった国ではなくなるというのが、
彼の危機感だ。
現在米国の総人口の60%を占めている白人が2045年には
50%を割って少数派になるとの米商務省の予測もある。

米貿易赤字の最大国は中国(16年、47.3%)で、次いで日本(同9.4%)、
ドイツ(同8.8%)、メキシコ(同8.6%)の順だ。
メキシコに対しては、既に国境の壁の建設と北米自由貿易協定(NAFTA)
見直しを宣言したので、上位2カ国に、元高と円高にするよう圧力をかけてくる
ことが予想される。

貿易取引相手国の貿易量加重平均でみたドルは変動相場制以降、
最も安かった11年7月の水準から26%も上昇し、あと9%上昇すれば、
ルービン財務長官(1995~99年)の「強いドル政策」
でつけたドル最高値に並ぶ。
昨年7343億㌦(約81兆5千億円)となった財の貿易赤字が
ますます拡大していくことになる。

■失われた2世代
米貿易赤字の源泉は米財政赤字だ。
失業している白人に職を与えるために政府としてできることはインフラ投資だが、
財政赤字は拡大する。

低貯蓄の米家計は米国債の多くを購入できないため、外国人投資家に頼るしかないが、
将来ドルが強くなるという期待がないと、外国人投資家は米国債を買えない。

あと10%弱で95年以降の強いドル政策のドル高水準を超えるとなれば、
「失われた人々」の精神的苦痛はさらに強まる。
トランプ大統領の政策は予測不可能だと言われるが、
すべて米国白人社会の再建にある点でぶれない。
メキシコ対策に次いで対日中赤字削減策は第2のプラザ合意だろう。
短期間でドル安調整すれば、
将来ドルが強くなる期待が外国人投資家に生まれるからだ。

トランプ大統領の経済政策は、
米国白人の精神的な病を救うことにすべてつながっている。
それに失敗すれば米国白人は「失われた2世代」となって、
日本の比ではないだろう。
いま起きていることは、日米貿易摩擦の象徴として米国が日本の自動車に負け、
第2次世界大戦で果たして米国は勝ったのか、ではない。

1588年、スペイン無敵艦隊に英国が勝利して近代社会をつくった。
その子孫である米国が20世紀に世界の覇権を握ったはずなのに、
ヒスパニック系が白人を追いやっている現実に直面し、
米国は勝ったのか、というところに追い込まれている。

多思彩々(たしさいさい) 信濃毎日新聞 2017年5月7日

みずの・かすお 1953年、愛知県瀬戸市生まれ。
早稲田大大学院修了。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト、
内閣官房内閣審議官、日本大教授を経て2016年4月から現職。
著書「資本主義の終焉と歴史の危機」はベストセラーに。

====

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



米国の温暖化対策見直し 排出大国の責任忘れるな by limitlesslife

 世界全体で協調し、地球温暖化対策に取り組むことを定めたパリ協定に逆行する行為だ。世界第2の温室効果ガス排出国の責任が問われる。 トランプ米大統領は、火力発電所が排出する二酸化炭素(CO2)の大幅削減を義務づけた「クリーンパワー計画」など、オバマ前大統領が進めてきた温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名した。

 石炭産業復興などを掲げた選挙公約に従い、環境より雇用を優先する立場を鮮明にした。米国は昨年11月に発効したパリ協定の下で、温室効果ガスの排出を2025年に05年比で26~28%削減すると約束していたが、達成は難しくなった。

 だが、協定発効で、脱炭素社会に向かう世界の流れは加速している。各国はトランプ政権の身勝手な対応に踊らされず、団結して、温暖化対策に取り組んでいくべきだ。

 クリーンパワー計画は米国の大気浄化法に基づく。大統領令だけでは撤回できず、見直しの行政手続きに相当な時間がかかる。ニューヨークやカリフォルニアなど温暖化対策に熱心な17州は、大統領令に反対して連邦高裁に提訴した。

 そもそも、米国の石炭産業の衰退は市場原理に従ったものだ。米国内では、石炭火力発電はガス火力発電よりコストが高い。再生可能エネルギーも低コスト化が続き、この分野の雇用者数は石炭産業を上回る。

 ティラーソン国務長官が会長兼最高経営責任者(CEO)を務めた米石油大手、エクソンモービルはパリ協定残留を求める書簡を先月、トランプ氏に送った。米国でも、世界でも脱炭素化の流れを競争力向上につなげようという企業が増えている。

 米国が温暖化対策を巡る国際交渉で主導権を手放せば、相対的に中国やインドなど新興国の存在感が高まる。両国は温暖化対策を環境対策や産業振興策とも位置づけており、取り組みが後退するとは考えにくい。

 今回の大統領令はそうした現状認識を欠いている。温暖化対策の後退は、むしろ、米国の国益を損なうと考えるべきなのだ。

 日本は温室効果ガスを50年に8割削減する長期目標を掲げる。各国と連携して米国に軌道修正を働きかけるためにも、自らの目標達成に向けた道筋をしっかり描く必要がある。



トランプの大統領令、真の狙い。そして中国が中東全域を制覇する   by limitlesslife

トランプの大統領令、真の狙い。そして中国が中東全域を制覇する
=高島康司 2017年2月7日

矢継ぎ早に大統領令を出し、世界を混乱させているトランプ政権。だが、日本ではほと
んど報じられていない重要な大統領令もある。それを分析すると、米国内のエスタブリ
ッシュメントの間の熾烈な闘争と、中国の中東戦略が見えてくるのだ。
(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)

「入国拒否」よりも重要な、もう1つの米大統領令が意味するもの

矢継ぎ早の署名で大混乱

1月20日の就任式後、トランプは矢継ぎ早に大統領令を出し、オバマ政権の路線を大き
く変更している。大統領令とは、議会の承認を必要とせず、大統領の権限だけで実行で
きる行政命令のことである。

これはもともとあった大統領の権限だが、2期8年のオバマ政権のときに強化され、大統
領への権力集中が進んだ。トランプ政権はこれを活用し、路線の根本的な変更を伴う重
要な大統領令を発令している。

トランプが選挙期間中に発表した公約は39であった。そのうちの15が大統領令としてす
でに実現している。

1 TPP永久離脱
2 移民受け入れ都市(サンクチュアリ)への資金援助停止
3 オバマケアの廃止
4 メキシコ国境の壁建設
5 アメリカ軍の再建
6 ISの壊滅計画立案指示
7 NSC(国家安全保障会議)の再編成
8 政府職員のロビー活動制限指示
9 省庁の業界規制撤廃指示
10 環境保護で中止になっていたカナダからメキシコ湾へのパイプライン工事の再開
11 リビア、ソマリア、スーダン、イエメン、イラク、イラン、シリアの7ヶ国から
の米入国の一時禁止
12 すべての国からの難民の入国禁止
13 入国審査の厳格化
14 妊娠中絶を支援する団体への資金提供禁止
15 製造業の手続き簡略化

これ以外にも、大統領令ではないが、トランプはNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉
をする意志を示している。

これから残りの公約が次々と大統領令として発令されることだろう。いまは序の口にす
ぎない。公約のなかには、「中国への45%の関税の導入」「モスクの監視」など、経済
と社会のルールを大幅に変更する危険なものが多い。

これらが発令されると、かなりの混乱を引き起こし、予期しない結果になる可能性があ
る。

重要な大統領令「NSC(国家安全保障会議)の再編成」の中身

これだけの大統領令がわずか10日のうちに矢継ぎ早に出された。それはあまりに急で、
世界に大きな衝撃が走っている。日本の経団連の関係者は、これを世界史的な転換と形
容しているが、まさにその通りだ。

特に(11)と(12)は世界的に大きな拒否反応を引き起こし、アメリカのみならず欧米
の主要都市を中心に激しい抗議運動を引き起こしている。

一方、これらの大統領令のうち(7)のNSC(国家安全保障会議)の再編成についてはさ
ほど報道されていない。だが、いまのトランプ政権の状況と米国内で起こっていること
を見るには重要な大統領令だ。

NSC(国家安全保障会議)とは、アメリカの安全保障における最高意思決定機関である
。大統領、副大統領、国務長官、国防長官、エネルギー庁長官、安全保障担当主席補佐
官、主席補佐官、国家情報長官、統合参謀本部議長などが参加し、

大統領への安全保障政策の助言
安全保障計画の立案
各省庁の調整

の3つをおもな機能としている。会議とはいっても、専従のスタッフを抱える政府機関
でもある。

今回のNSCの組織変更では、CIAやFBIなどの情報機関を監督する上位機関である国家情
報局の長官と、米軍のトップである統合参謀本部議長が排除され、代わりに補佐官のス
ティーブン・バノンが入った。また、安全保障担当補佐官はマイケル・フリンに代わっ
た。

スティーブン・バノンは反グローバリストで、右翼系のネットメディア『ブレットバー
トニュース』の主宰者だ。これは日本でいえば『チャンネル桜』が、国家の安全保障政
策の立案に直接かかわるようなものである。

それも、国家情報長官と統合参謀本部議長という、国家の中枢を担う機関を排除しての
参加だ。これは米国内で、中東7カ国の入国拒否以上に、大変な拒否反応を呼び起こし
ている。

トランプと国家情報局・CIAの熾烈な戦い

実はこのような大統領令は、トランプ政権と、国家情報局、ならびにCIAとの熾烈を極
めた戦いの一側面を表している。

周知のように、国家情報局とそれが監督するCIAは、トランプの当選が決まった昨年の1
1月8日以降も、民主党全国本部のサーバがロシアによってハッキングされたとして、ト
ランプの勝利がロシアの介入によってもたらされたものであると印象づけるキャンペー
ンを実施していた。そして、これを全面的に否定するトランプとの間で、熾烈な戦いが
展開していた。

ロシアによるハッキング問題は報道もされなくなったが、トランプと国家情報局、なら
びにCIAとの戦いは水面下で継続している。国家情報長官をNSCから排除した今回の大統
領令は、国家情報局とCIAに対するトランプ側からの報復としての側面がある。

本質は「CIAによる海外工作の否定」

しかし、NSCからの国家情報局の排除は報復のためだけなのだろうか?実はこれにはも
っと本質的な理由がある。

このメルマガの読者であれば周知だろうが、これまでアメリカは自国に有利な国際環境
を形成したり、アメリカにとって都合の悪い政権を倒す工作を実施してきた長い歴史が
ある。

特に2003年のイラク侵略戦争に失敗してからは、コストのかかる戦争に代わって、各国
で民主化要求運動を盛り上げて政権を内部から崩壊させ、アメリカに都合のよい政権の
樹立を後押ししてきた。

また、同じ手法を使って混乱を拡大し、アメリカが望む国際的な環境の形成を行ってき
た。

2000年のユーゴスラビアのブルドーザー革命に始まり、2005年までにかけてグルジア、
ウクライナ、キルギスなどの旧ソビエト共和国の親ロシア派政権を民主化要求運動で打
倒したカラー革命や、2010年に始まり中東全域に拡散したアラブの春、さらに2011年か
ら始まったシリアの内戦、そして2014年に激化したウクライナ内戦などは、みなこうし
た手口を通して、アメリカが深く関与して引き起こしたことはすでに明白だ。

こうした民主化要求運動は、米国務省の配下にあるNGOが資金を提供して支援し、ベオ
グラードに本部があるCANVASという組織が運動のノウハウをトレーニングするという方
法で拡大した。

著名投資家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティーや、自動車メーカのフォードが
資金を提供するフォード財団などは、こうしたNGOの代表的な例だ。さらに、CIAの実質
的な配下にあるアメリカ開発援助庁も、資金の支援では非常に大きな役割を果たしてい
る。

そして、こうした民主化要求運動による政権転覆のオペレーション全体を指揮し、監督
しているのはCIAなのである。

さらにCIAはイラク駐留米軍と一緒に、2007年頃から、イラクでイラン系のシーア派武
装集団に対抗する必要から、スンニー派の原理主義組織「IS」の結成と訓練に関与し資
金を提供した。

ISには、トルコとサウジアラビア、さらにカタールも資金を提供している。ISは、欧米
が敵視するシリアのアサド政権を打倒する格好の道具として使われた。

「海外から手を引く」トランプの公約とも一貫

このようなCIAが海外で行ってきた工作の経緯を背景にすると、トランプ政権がNSC(国
家安全保障会議)からCIAの上位組織である国家情報局を排除したことの意味が見えて
くる。

つまり、CIAのような米情報機関が主導する海外の工作から一切手を引くという宣言な
のである。米軍を統括する統合参謀本部も排除されたのは、米軍がCIAのオペレーショ
ンに深く関与していたからではないかと思われる。

これは、「他国の国家建設にはかかわらない」とするトランプの公約と一貫している。

「アメリカの裏切り」でもある「イスラム7カ国からの入国禁止」

このように見ると、いま大きな論争の的になっているイスラム7カ国からの入国禁止処
置の別な意味が見えてくる。

もちろんこの入国禁止処置には、米国内のテロの発生を抑止する意味もあるだろう。し
かし、そのような表向きの説明とは異なる意味がある可能性が大きい。

いま日本では、この処置はこれらの国々で反米感情を煽ることになるので、テロを増加
させる可能性のほうが大きいと報道されている。たしかにそれは間違いない。

他方、イラク政府軍、シリアの反政府勢力、イエメンの反体制派、リビアの反政府勢力
など、アメリカと協力関係にある勢力が多い国々も含まれている。これらの勢力からす
ると、今回の入国禁止処置は「アメリカの裏切り」として受け取られたとしても驚くべ
きではない。

なぜなら、こうした勢力は、いざ自分たちの勢力が追い詰められたときは、アメリカへ
の亡命をひとつの選択肢として見ているからである。

中東に拡大する中国とロシア

いずれにせよ、これらの国々では反米感情が高まり、その結果、アメリカの影響圏から
離脱する動きがこれから加速するはずだ。そして、これらの国々が関係を強化するのは
、アジアからヨーロッパの全域でユーラシア経済圏の形成を加速させているロシアと中
国である。

最近、特に中国は中東で一気に存在感を拡大しているので、この動きは7カ国の入国禁
止処置でさらに加速することだろう。

すでに中国は、ユーラシア経済圏拡大の一帯一路構想に中東を組み込みつつある。昨年
、中国はエジプトと合同軍事演習を行い、関係を強化している。450億ドル相当の投資
も行う計画だ。

さらに中国は、イスラエルとの関係強化も図っている。中国はイスラエルのハイファ、
アシュトッド、そしてエリアットのコンテナの陸揚げが可能な3つの港湾の整備を行っ
ている。

特に紅海に面したエリアット港には、2019年までに中国からの鉄道が乗り入れ、一帯一
路構想に組み入れる計画だ。それとともに、イスラエルには600億ドルの投資も実施す
る。

今回の7カ国からの入国禁止処置で、中東全域でこれからさらに高まる反米感情は、こ
うした中国の一帯一路構想の拡大にとっては好都合のはずだ。

すでに多くの専門家の間では、中国が中東における経済関係の強化をテコにして、原理
主義の嵐で揺れている地域に政治的な仲裁役としての存在感を強める可能性が指摘され
ている。もちろんこれは、ロシアとの積極的な協力を背景に行われるはずだ。

すると、イスラエルも含め中東全域が中ロ同盟の影響圏に組み入れられ、アメリカは排
除される結果になるだろう。

米国の孤立主義への転換を如実に表すトランプの大統領令

このように見ると、(1)NSCからの国家情報局と米軍の排除、(2)中東7カ国からの入
国禁止という、一見混乱して見えるトランプの2つの大統領令は、ある方向で連動して
いることがよく分かる。中東全域は、アメリカの国益追求のために、CIAが秘密工作を
展開してきた地域である。

今回の大統領令で、安全保障の最高意思決定機関であるNSCから、国家情報局もろともC
IAと米軍が排除された意味はあまりに大きい。NSCでアメリカの安全保障政策を主導す
る立場にあったCIAは、トランプが指名したスティーブン・バノンとマイケル・フリン
という2人の強力な反グローバリストの配下におかれる。

彼らは、アメリカが世界のあらゆる地域にコミットすることにはとても否定的な、孤立
主義者だ。反米感情がいま以上に高まる中東で、CIAがこれまで通りの工作を行うこと
を彼らが認可するとは思えない。

もともとCIAと米軍が道具として作ったISを、ロシアと強力して壊滅するとしたトラン
プ政権の政策は、この孤立主義への転換を如実に表している。

トランプがこの2つの大統領令への署名を、このような結果を予期して意図的に行った
のかどうかは定かではないが、少なくともその可能性はあるだろう。このようにしてト
ランプ政権は、世界のあらゆる地域で反米感情を高めながら、とりあえずは世界へのコ
ミットメントを大幅に減らす方向に動くことは間違いない。

これからさらに強烈な大統領令が出され、この方向は強化されることだろう。注視しな
ければならない。

CIAの逆襲

一方、このような状況をCIAが黙認しているはずはないと見た方がよい。事実、すでにC
IAはトランプ大統領とフリン安全保障担当補佐官のすべての電話を盗聴しており、その
記録を握っていると言われている。これは多くの記事にすでに出ている。

トランプらは、すでに政権に就く前からロシアと活発にコミュニケーションしていたと
いう。CIAはこの会話記録をすでに掌握している。時期が来れば、これをすべて暴露す
るとしている。

他方トランプは、これに対する対抗処置として、2001年の911同時多発テロにおけるCIA
の関与の事実をすでに持っているといわれている。これを暴露してCIAを追い詰める戦
略だともいわれる。

このように、トランプ政権とCIAの熾烈なバトルは水面下で激しさを増し、続いている
。どうなるだろうか?

http://www.mag2.com/p/money/32865

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



ジョン・ピルジャー『きたる対中戦争』 by limitlesslife
February 10, 2017, 12:53 pm
Filed under: アメリカ合衆国(米国)

Peace Philosophy Center

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ジョン・ピルジャー『きたる対中戦争』John Pilger: The Coming War on China

Posted: 09 Feb 2017 02:05 PM PST

 ドナルド・トランプは2016年のニューヨーク・タイムズとのインタビューで、米国は世界の警察官をやめて国防費を削減すると主張していた。彼が国防長官に任命したジェームズ・マティスは、就任早々の2月2日に韓国、続く3日に日本を訪問した。そこで確認されたのは、2017年内のTHAAD配備尖閣諸島にも安保条約第5条が適用されること、普天間基地の移設問題については名護市辺野古沖が唯一の移転先など、オバマ政権が進めてきた軍事力による支配を継続する内容だった。これが中国を刺激するのは当然の成り行きだ。マティス国防長官はトランプ政権の閣僚の中で最も「まとも」だと言われるが、それは従来の政策からの乖離が少ないという意味でもある。トランプの中で従来路線の堅持が固まっているのなら、軍事費の総額が減るはずもなく、真意は世界の警察官をやめることではなく、軍事費をさらに他国に肩代わりさせることに違いない。
今回紹介するジョン・ピルジャーの記事は、先鋭的な暴露記事で知られるアメリカの雑誌『カウンターパンチ』電子版に掲載されたもので、彼が最近制作したドキュメンタリー映画と同じタイトルが付けられ、オバマ政権下で準備されてきた中国を仮想敵国とする軍事政策を、トランプが継承したことが語られている。マティスが今回確認したのは、そのような対中戦争準備に他ならない。
翻訳・前文:酒井泰幸
文中の[ ]内は訳者注。

『きたる対中戦争』

ジョン・ピルジャー著

2016年12月2日

1967年に私が初めて広島へ行ったとき、石段に付いた影はまだそこにあった。休んでいる人間の姿がほぼ完全な形で刻印されたものだった。両足を広げ、背中を丸め、片手を傍らに置いて座り、銀行の開店を待っていた。1945年8月6日の朝8時15分、彼女と影法師は花こう岩に焼き付けられた。私はその影を1時間以上見つめていた。それを忘れられずにいる。何年も経って再びその場所を訪れたとき、その影は無くなっていた。撤去され「消滅した」。政治的に恥ずべきことだ。(訳注1)

私は2年をかけてドキュメンタリー映画『きたる対中戦争』(Coming War on China) を制作した。この映画が証拠と証言で警告するのは、核戦争がもはや影ではなく、偶発的に起こり得ることだ。アメリカが率いる軍事力の蓄積は第二次世界大戦後最大規模で進んでいる。それは北半球にあって、ロシアの西部国境とアジア太平洋地域で中国と対峙している。

これが招き寄せる大きな危険は目新しいものではないが、埋没し歪曲されている。20世紀の大半にわたり人々の意識に埋め込まれてきた精神病的な恐怖を、主流メディアの捏造記事が、こだまする太鼓のように繰り返す。

ソビエト崩壊後のロシアの再興と同様に、中国が経済大国として勃興したことは、アメリカ合州国が人間社会を支配する神権の「存続に対する脅威」だと宣言する。

これに対抗するため、2011年にオバマ大統領が発表した「アジア基軸戦略」は、2020年までに米海軍のほぼ3分の2をアジアと太平洋に移転することを意味するものだった。現在、400以上の米軍基地が、ミサイル、爆撃機、軍艦、そして何より核兵器で中国を包囲している。オーストラリアから太平洋を北進し、日本と、朝鮮半島、ユーラシア大陸の反対側のアフガニスタンとインドまで、基地が「完全な輪」を作っていると、ある米国の戦略家はいう。

ベトナム以来アメリカの戦争を立案してきたランド研究所の報告書は、「中国との戦争:考えられないことを通して考える」と題されている。米陸軍に委嘱された著者たちが、このタイトルで思い起こさせるのは、冷戦だ。当時、ランド研究所の主席戦略家ハーマン・カーンが作ったキャッチフレーズ「考えられないことを考える」は悪名高い。カーンの著書『熱核戦争について』では、ソビエト連邦に「勝てる」核戦争の計画を詳しく述べた。

現在、カーンの終末論的な見通しを共有しているのは、アメリカ合州国で実権を握る人々、つまり、行政機関、ペンタゴン、諜報機関、「国家安全保障」を牛耳る人々、そして議会の中にいる軍事専門家とネオコンたちだ。

国防長官のアシュトン・カーター[執筆当時]は、挑発的な発言の多いことで知られるが、「アメリカから支配権を奪い取りたいと望む」者たちと対決するのが米国の政策だと言っている。

外交政策での打開を図る試みにもかかわらず、この見解はほぼ確実にドナルド・トランプのものと同じだ。彼が選挙戦で放った暴言には、中国はアメリカ経済の「レイピスト」だというものもあった。12月2日に、中国を直接挑発する形で、トランプ次期大統領は台湾の総統と話した。中国は台湾を本土への反乱地域と見なしている。アメリカのミサイルで武装した台湾は、ワシントンと北京の間にくすぶる消えない火種だ。

ジョージ・ワシントン大学で国際情勢が専門のアミタイ・エツィオーニ教授は次のように書いた。「アメリカ合州国は中国との戦争を準備しており、これは重大な決定だが、現在まで選出議員、つまりホワイトハウスと議会による、徹底的な検討を受けることがなかった」。またこの戦争は「中国の地上・海上のミサイル発射装置…衛星と衛星攻撃兵器などの接近阻止施設に対する目くらまし攻撃」で始まるだろう。

この計り知れないリスクは、「内陸部への攻撃が中国の核兵器を無力化する先制攻撃と誤認されかねず、『使わなければ負ける』の恐ろしいジレンマへと追い込み、核戦争につながる(かもしれない)」ことだ。

2015年に、ペンタゴンは戦時法規マニュアルを公表した。それによれば、「アメリカ合州国は核兵器の使用自体を禁止する条約法を受け入れていないので、核兵器はアメリカ合州国にとって合法的な兵器である」。

中国では、ある戦略家が私に語った。「我々はあなた方の敵ではないが、もし(西側陣営の)あなた方が我々を敵とするなら、我々は遅滞なく準備しなければならない」。中国の軍隊と兵器はアメリカに比べれば小さい。しかし、「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラキーは次のように書いた。「初めて中国は核ミサイルを厳戒態勢に置くことを議論している。攻撃の警告があれば速やかに打ち上げ可能にするためだ…。これは中国の政策における重大で危険な変化となる…。実際、アメリカ合州国の核兵器政策は中国核戦力の警戒レベルを引き上げるよう中国の主唱者に影響を与える最大の外部要因だ」。

テオドール・ポストル教授は米海軍作戦本部の科学顧問だった。核兵器の権威である教授は私にこう語った。「ここにいる全員が、自分はタフガイだと見られたいと思っています。私がタフであろうとするなら…私は軍事行動を恐れず、脅迫を恐れず、胸毛だらけのゴリラであることが必要です。私たちが陥っている状況は、アメリカ合州国はおびただしい軍事力を誇示する状況で、実はこれをトップが画策しているのです」

「これは非常に危険な状況に見えます」と私は言った。

「それは過小評価というものです」。

2015年に、並々ならぬ秘密に包まれて、米国は冷戦以後では単一で最大の軍事演習を実施した。これは「タリスマン・セーバー(加護の剣)」と呼ばれ、大艦隊と長距離爆撃機を使ってマラッカ海峡のシーレーンを封鎖し、中国が石油、ガスその他の原材料を中東とアフリカから入手できないようにする、「対中国エアシー・バトル(空海一体戦)構想」(ASB)のリハーサルだった。

このような挑発と米海軍による海上封鎖への恐怖こそ、中国が紛争の渦中にある南シナ海の南沙諸島の珊瑚礁と小島に戦略的な飛行場を無我夢中で建設している理由なのだ。昨年7月に、国連の常設仲裁裁判所は、中国が主張するこれらの島々の統治権は認められないと裁定した。この訴訟はフィリピンが起こしたものだったが、訴状を提出したのはアメリカとイギリスの著名な弁護士で、さらに元をたどればヒラリー・クリントン米国務長官に行き着く。

2010年に、クリントン国務長官はマニラに飛んだ。彼女はアメリカの元植民地フィリピンに、閉鎖された米軍基地の再開を要求した。この基地が1990年代に閉鎖されたのは、基地が作る暴力、特にフィリピン人女性に対する暴力に対する大規模な反対運動の結果だった。南沙諸島はアメリカ合州国から1万2千キロ以上離れているが、中国がその領有を主張していることについてクリントンは、米国の「国家安全保障」と「航行の自由」への脅威と宣言した。

数百万ドル分の武器と軍装備品を受け取った、当時のベニグノ・アキノ大統領政権は、中国との二国間交渉を離脱し、米国との秘密の防衛協力強化協定(EDCA)に署名した。この協定により、輪番で駐留する5つの米軍基地を開設し、米軍と請負業者はフィリピン国内法の縛りを受けないという、忌み嫌われた植民地条項が復活した。

ロドリーゴ・ドゥテルテが4月に大統領に選出されたことで、ワシントンに動揺が走った。自称社会主義者のドゥテルテは、「フィリピンと世界の関係において、フィリピンは独自の外交政策を進める」と宣言し、アメリカ合州国は植民地への残虐行為に対して謝罪していないと指摘した。「私はアメリカと決別する」とドゥテルテは言い、米軍の追放を約束した。だが米国はフィリピンに留まり、合同軍事演習が継続する。

「インフォメーション・ドミナンス(情報支配)」とは、メディア操作、つまり偽ニュースを指す業界用語で、これにペンタゴンは40億ドル以上を費やしている。2014年に、情報支配の名のもとに、オバマ政権は世界最大の通商国である中国を、「航行の自由」への脅威と見なす宣伝活動を開始した。

CNNが先頭を切って、「国家安全保障担当記者」が南沙諸島上空を偵察飛行する米海軍機上から興奮気味に伝えた。BBCは怖じ気づくフィリピン人パイロットを説得して単発エンジンのセスナ機で係争中の島々の上空を飛び、「中国がどう反応するか見た」。この記者たちの中に、なぜ中国が自国の海岸線より沖合に飛行場を建設していたのか、またなぜ米軍が中国の玄関口に集結していたのかを問う者はいなかった。

最高位の伝道者に指名されたのは、アメリカ太平洋軍司令官のハリー・ハリス海軍大将だ。「私の責任範囲は、ボリウッド(インド映画産業)からハリウッドまで、ホッキョクグマから南極のペンギンまで含む」とハリス大将はニューヨーク・タイムズに語った。帝国支配をここまで端的に表明した例はなかった。

ハリス大将はペンタゴンの陸海空軍大将たちの一人として、選ばれた従順なジャーナリストや放送記者たちに、脅威を正当化する目的を説明する。それは、イラクと中東の大部分を破壊したことを、ジョージ・W・ブッシュ大統領とトニー・ブレア首相が正当化したのと同じように、見掛け倒しの説明だ。

ロサンゼルスで9月に、ハリス大将は「報復主義者のロシアと強引な中国に対抗する準備がある」と宣言した。「もし我々が今夜戦わなければならないなら、フェアな戦いをしようなどと私は思わない。相手がナイフを使うなら、私は銃を使う。相手が銃なら私は大砲で…、それも仲間全員に大砲を持たせて対抗する」。

ここでいう「仲間」に含まれる韓国では、ペンタゴンの高高度防衛ミサイル「THAAD(サード)」の発射台が、表向きには北朝鮮を狙っている。ポストル教授が指摘するように、真の標的は中国だ。

オーストラリアのシドニーで、ハリス大将は中国に「南シナ海の万里の長城を取り壊す」よう要求した。このイメージは一面トップのニュースになった。オーストラリアはアメリカの最も追従的な「仲間」で、政治指導層と軍部、諜報機関、メディアが一体となって、いわゆる「同盟」を形作っている。同国を訪問したアメリカ政府「要人」の車列を通すためにシドニーハーバーブリッジを閉鎖することも珍しくない。戦争犯罪人のディック・チェイニーはこの栄誉を受けた。

中国はオーストラリア経済のほとんどを依存する最大の貿易相手だが、「中国への対抗」はワシントンからの絶対命令だ。首都キャンベラにいる少数の反体制派政治家は、マードックが支配する報道メディアの中では、マッカーシズム[1950年代アメリカでの共産主義者の追放]のようなブラックリストに載せられることを覚悟しなければならない。「オーストラリアの皆さんは何が起ころうと我々と共にあります」と言ったのは、ベトナム戦争を構想した人々の一人、マクジョージ・バンディだ。最重要の米軍基地の一つは、ノーザンテリトリーの街アリススプリングス近くにあるパイン・ギャップだ。CIAが建てたこの基地は、中国とアジア全域をスパイし、アメリカが中東で行うドローンを使った殺人戦争に不可欠の役割を果たしている。

10月に、オーストラリアの最大野党、オーストラリア労働党の防衛スポークスマンであるリチャード・マールズは、中国に対する挑発行為の「作戦判断」は南シナ海の軍司令官に一任するよう要求した。つまり、核戦力を用いた戦争を意味するかもしれない決定を、選挙で選ばれた指導者や国会ではなく軍の大将が行うべきだと言っているのだ。

これがペンタゴンの方針で、民主主義を自認する国家からの歴史的逸脱だ。ペンタゴンのワシントンでの権勢は、[ベトナム戦争の機密文書、ペンタゴン・ペーパーズの暴露で知られる]ダニエル・エルズバーグが静かなクーデターと呼んだように、アメリカが9.11以降の侵略戦争に費やした記録的な5兆ドルという金額に現れていると、ブラウン大学の研究が示している。イラクで死んだ百万人と、少なくとも4カ国から脱出した1200万人の難民が、この結果だ。

日本の沖縄には32の軍事施設があり、アメリカ合州国はここから、朝鮮半島、ベトナム、カンボジア、アフガニスタン、イラクへの攻撃を行った。現在、主要な標的は中国だが、沖縄住民は中国と親密な文化と貿易の関係を結んできた。

沖縄の空には常に軍用機が飛び、ときおり家屋や学校に墜落する。人々は眠ることができず、教師は教えることができない。自分たちの国の中だというのに、どこへ行っても基地はフェンスで囲われ、立ち入り禁止だと言われる。

1995年に米兵が集団で12歳の少女を強姦したことをきっかけに、大規模な沖縄基地反対運動が巻き起こった。それは同様な何百もの犯罪の一つに過ぎず、多くは起訴されない。外の世界ではほとんど知られていないが、この抵抗運動は日本で初めて基地反対の知事、翁長雄志の選出へとつながり、本土政府と超国家主義者である安倍晋三首相が日本の「平和憲法」を破棄する計画にとって、不慣れな障害物となった。

この抵抗運動には87歳の島袋文子も加わっている。彼女はアメリカの侵攻で沖縄住民の4分の1が死んだ第二次世界大戦の生き残りだ。沖縄戦で、文子ら数百人が戦火に追われて命からがら避難していたのは、いま彼女が守ろうとしている美しい大浦湾の辺野古だった。米国は爆撃機用の滑走路を拡張するためこの湾を破壊したがっている。「私たちの選択は、沈黙か命かです」と文子は言った。私たちが米軍基地キャンプ・シュワブの外で平和的に集まっている時に、巨大なCH-53シースタリオン・ヘリコプターが私たちの上でホバリングした。私たちに対する脅し以外に理由は考えられない。

東シナ海の向こうに韓国の済州島がある。亜熱帯の楽園で、「世界平和の島」として世界遺産に登録されている。上海から650キロ足らずの場所にあるこの世界平和の島に、世界で最も挑発的な軍事基地の一つが建設された。漁村のカンジョン(江汀)村を圧倒しているのは、中国を狙うイージスミサイル・システムを搭載する米国の航空母艦、原子力潜水艦、駆逐艦のため専用に作られた韓国の海軍基地だ。

これらの戦争準備に対する民衆の抵抗運動は10年近くにわたって済州島に存在してきた。毎日、多くは1日2回、村の住民とカトリックの神父、世界中から集まった支持者たちが、基地のゲートを塞いでキリスト教のミサを行う。韓国では単なる政治的デモは禁止されることが多いが、有力な宗教のミサの形をとる戦術が功を奏し、気持ちを奮い立たせる光景を作り出した。

リーダーの一人、ムン・ジョンヒョン(文正鉉)神父は私にこう語った。「どんな天気の日でも、私は基地で毎日4曲歌います。台風の中でも歌います。例外はありません。この基地を建設するために、彼らは環境を破壊しました。住民の生活を破壊しました。我々はその目撃者になるべきです。彼らは太平洋を支配したいのです。彼らは中国を世界から孤立させたいのです。彼らは世界の帝王になりたいのです。」

私は済州島から上海へ飛んだ。30年ぶりか、それ以上だ。以前私が中国にいたときの記憶では、一番うるさい騒音がチリンチリンと鳴る自転車のベルで、毛沢東が死んでから日は浅く、街は暗く、不吉な予感と明るい希望がひしめき合っていた。それから2〜3年後、「中国を変えた男」鄧小平が「最高指導者」となった。現在の驚くような変化は想像すらできなかった。

中国は、この上ない皮肉を呈する。極めつけは1921年に毛沢東と同志たちが秘かに中国共産党を設立した上海の家[中国共産党第一次全国代表大会会址]だ。それが立つ場所は、いまや非常に資本主義的なビジネス街の真ん中だ。この共産主義の聖地から、毛主席語録の赤本と毛沢東のプラスチック製の胸像を手に一歩外へ出ると、スターバックス、アップル、カルティエ、プラダがそこを取り囲んでいる。

毛沢東は驚くだろうか? そうは思わない。1949年の大革命[中華人民共和国の建国]の5年前、毛沢東は秘密のメッセージをワシントンに送った。「中国は工業化しなければならない。これは自由企業によってのみ達成可能である。中国とアメリカの国益は、経済的にも政治的にも一致する。アメリカは、中国が非協力的になると恐れる必要はない。我々は紛争の危険を冒すことはできない」と、彼は書いた。

毛沢東はフランクリン・ルーズベルトにホワイトハウスで面会するよう申し入れ、ルーズベルトの後継者ハリー・トルーマンにも、その後継者ドワイト・アイゼンハワーにも申し入れた。歴代の大統領は毛沢東を拒絶するか、わざと無視した。アジアでの戦争を回避し、数多くの命を救い、現代史を変えたかもしれないチャンスが失われたのは、これら序章の真実が1950年代のワシントンで否認されたからで、ジェームス・ネアモアが書いたように、「冷戦のカタレプシー的な[固まった]恍惚状態が、我が国を固く掌握した」からだ。(訳注2)

主流メディアによる偽のニュースが、再び中国は脅威だというイメージを作っているのは、同じ精神構造だ。

世界は否応なく東にシフトしているが、中国を中心としたユーラシアという驚くべきビジョンは、西側ではほとんど理解されていない。「新シルクロード」は、はるばるヨーロッパまで続く、貿易、港湾、パイプライン、高速鉄道の帯だ。鉄道技術で世界をリードする中国は28カ国とルート交渉をしており、そこを走る列車は時速400キロに達する予定だ。世界に向けたこの開国は人類の大多数の願いにかなっており、その経路上で中国とロシアが結ばれる。

「私は全身全霊でアメリカ例外主義の正当性を信じている」というバラク・オバマの発言は、1930年代の盲目的な崇拝を思い起こさせた。この優越性という現代のカルト宗教こそが、アメリカ主義、つまり世界を支配する捕食動物だ。ノーベル平和賞を受賞したリベラルなオバマ大統領の下で、核弾頭への支出は冷戦終結後のどの大統領の時代よりも高く上昇した。B61モデル12というミニ核兵器が計画されている。元米統合参謀本部副議長のジェームズ・カートライト大将によれば、「小型化すれば(使うことを)もっと考えやすくなる」ということを意味する。

9月に、米国の主流地政学シンクタンクである大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)が公表した報告書は、ホッブズ的な[万人が万人に対して闘争する]世界を予測し、それは「秩序の崩壊、暴力的な過激思想、果てしない戦争の時代を特徴とする」。新しい敵は「復活した」ロシアと「ますます好戦的になる」中国だった。勇敢なアメリカだけが我々を救うのだ。

この戦争挑発は気違いじみている。それはあたかも、アメリカの帝国主義者でタイム誌の所有者であるヘンリー・ルースが1941年に宣言した「アメリカの世紀」が予告もなく終わったのに、誰も帝王に「銃を持って家に帰れ」と告げる勇気がないかのようだ。

(以上、翻訳終わり)

訳注1:「人影の石」は広島平和祈念資料館に移設展示されている。
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/outline/index.php?l=J&id=31

訳注2:カタレプシーとは、受動的にとらされた姿勢を保ち続け、自分の意思で変えようとしない状態。統合失調症やヒステリーなどでみられる。蝋屈症。

John Pilger

著者のジョン・ピルジャー(John Pilger) は、1939年オーストラリア生まれ、ロンド ン在住のジャーナリスト、ドキュメンタリー映画作家。50本以上のドキュメンタ リーを制作し、戦争報道に対して英国でジャーナリストに贈られる最高の栄誉「ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」を2度受賞、記録映画に 対しては、フランスの「国境なき記者団」賞、米国のエミー賞、英国のリチャード・ディンブルビー賞などを受賞している。ベトナム、カンボ ジア、エジプト、インド、バングラデシュ、ビアフラなど世界各地の戦地に赴任した。邦訳著書には『世界の新しい支配者たち』(井上礼子訳、岩波書店)がある。また、過去記事は、デモクラシー・ナウTUPなどのサイトにも多数掲載されている。

ジョン・ピルジャーのウェブサイトはこちら。www.johnpilger.com

関連投稿

ジョン・ピルジャー:なぜヒラリー・クリントンはドナルド・トランプよりも危険なのか (2016年4月29日掲載)

ジョン・ピルジャー「今なぜファシズム台頭が再び問題になるのか」(2015年3月28日掲載)
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2015/03/jon-pilger-why-rise-of-fascism-is-again.html



トランプはまず世界各地の米軍占領基地を引き上げることでしょう、: 谷口真由美 トランプ大統領と直接民主制を語る by limitlesslife

 

(情報記載 石垣)

みなさん永岡さん

お世話様

トランプがメキシコとの間に境界壁を設ける、というなら。

その前に

世界各地にある米軍基地をすべて引き上げることです。

世界各地にある米軍基地は事実上、米国の占領基地ですから。

石垣敏夫

 

以下転送です、

 

永岡です、毎日放送ラジオの、上泉雄一のええなぁ、木曜日のレギュラーは大阪国際大の谷口真由美さんでした。

しゃべりたいんやトピックス、谷口さんのお話は、またトランプ大統領のこと、就任したらおとなしくなるかと思いきや、メキシコに本当に壁を作る大統領令、それもメキシコに資金の請求で、メキシコは激怒、大阪が兵庫との間に壁を作るようなもので、TPP離脱も大統領令、公務員は軍人以外は雇わない、妊娠中絶のNPO法人にも金を出さない、こんなこと、本当にできるのか?大統領令、アメリカは直接民主制で、アメリカの大統領選挙は1年かけてやり、選挙人の総取り戦、あるところで勝ったら総勝ちで、選挙人は538人、クリントン氏は232人、トランプ氏は306人獲得、しかとトランプ氏は大票田のフロリダ、テキサスを取り、クリントン氏はカリフォルニアやニューヨークで勝ち、しかし最終的に選挙人でこれであるものの、得票数は300万票クリントン氏が勝っており、選挙を得票だけでやったらクリントン氏が勝ち、300万の差は大きく、ブッシュ氏vsゴア氏も似たようなもので、投票は300万クリントン氏が多く、これは合衆国が出来てからのルールで、しかし違憲訴訟も始まっており、大統領は首相公選制とよく言われるものの、憲法改悪での議論でも出て、しかし総理を議会の選ぶ間接民主制、日本はこれ、国会議員の多い会派から総理が選ばれて、立法、行政のもので、首相の施政方針演説、立法府に敬意を示すべきで、これは間接性民主主義、しかしアメリカの大統領令には大きな意味があり、議会抜きで大統領が政府、軍を指揮できて、法律と同じ効力を持ち、大統領令は法律、もちろんそればかりだと独裁になり、アメリカ議会はそれに反対する立法も出来て、議会と大統領の緊張関係があり、司法、裁判が大統領令に憲法違反と言えて、そうなると判決で止まることもあり、上泉さん、メキシコ国境の壁など議会や裁判所はどうなるかと言われて、谷口さん、議会が猛反対し、アメリカの中で、ヒスパニック系の人、スペイン語が母国語の人は多く、アメリカに南米の人はたくさんいて、彼らは選挙に行けて、メキシコ系の議員もいて、人権は大事と掲げてきた国であり、メキシコと壁など反対は多く、もちろん差別に賛成な人がトランプ氏を支持したが、アメリカは移民により成り立っている国であり、ネイティブアメリカンがもともとの人で、トランプ氏の言い分には間違いもあると谷口さん言われて、しかし選挙で差別を先導して当選したトランプ氏であり、後は議会と裁判所がどう出るか、得票数の、トランプ氏の支持者も様々な意見があり、清濁併せ呑むのでトランプ氏を支持する人もあるが、トランプ氏の言ったことは全てOKではなく、政治家の言う民意は怖く、投票したから全て支持ではなく、全部賛成ではないと上泉さんも言われて、谷口さん、止める役割が議会や裁判所にあり、しかしトランプ氏は言ったことを全部大統領令にしており、今日と明日でトランプ氏は変わり、振り回されるのは日本、アメリカが風邪を引くと日本は肺炎で、トランプ氏で株が上がっているのも本当か?

上泉さん、景気が良いとNOと言えないと言われて、谷口さん、日本も財政赤字が最大で好調ではないと締めくくられました。以上、谷口さんのお話でした。

 

なお、昨日関西テレビのワンダーで取り上げられた朝鮮学校の補助金訴訟は原告全面敗訴、門前払いであり、朝日放送のキャストで、大谷昭宏さん、裁判では補助金の内容を問うているのではなく、補助金の性格で判決が出るものではなく、司法の機能を果たしていない、門前払い&説教に問題あると言われて、木原善隆さん、この裁判は東京でもあり、国も問われて、しかし今回の判決で他の訴訟の原告も厳しくなったと木原さん言われて、ココリコの遠藤さんも、北朝鮮のやることと、朝鮮学校の生徒には関係はなく、歴史のことを知るべきと言われて、大谷さん、トランプ氏の批判をするだけでなく、我々の足元も見るべき(=日本でも民族差別が横行している)と締めくくられました。以上、キャストの内容でした。