Global Ethics


「パグウォッシュ会議」参加者らが首相に再処理中止要請 by limitlesslife
November 16, 2015, 3:31 am
Filed under: パグウォッシュ会議, 核燃料再処理
核情報
の田窪です。
 
「パグウォッシュ会議」参加者らが首相に再処理中止要請
長崎市で11月1-5日に開かれたノーベル平和賞受賞団体「科学と国際問題に関するパグウォッシュ会議」に参加した科学者ら31人が6日、安倍晋三首相に日本におけるプルトニウムの分離を無期限に停止するよう要請する書簡を送りました。日本は核兵器6000発分に相当する約48トンものプルトニウムを保有しながら、青森県の六ヶ所再処理工場でさらに使用済み燃料からプルトニウムを取り出そうとしています。
 
書簡原文と日本語訳を掲載しました。ご活用いただければ幸いです。


社説:パグウォッシュ 科学者の発信力高めよ by limitlesslife
November 8, 2015, 1:52 pm
Filed under: パグウォッシュ会議

毎日新聞 2015年11月08日 東京朝刊

 1957年、カナダの漁村パグウォッシュに世界の科学者22人が集い、核兵器の危険性や科学者の社会的責任について議論した。湯川秀樹、朝永振一郎も参加した会議のきっかけは、核兵器がもたらす地球規模の破壊を警告し、平和的手段による紛争解決を呼びかけた「ラッセル・アインシュタイン宣言」だ。

この流れをくむ「パグウォッシュ会議」の第61回会合が今月、長崎市で開催された。採択された「長崎宣言」は、「長崎を最後の被爆地に」と訴え、核兵器の法的禁止をめざすことを提言している。

戦後70年、会議を取り巻く環境は楽観できない。核拡散防止条約(NPT)再検討会議が決裂し、今月の国連総会の委員会でも核を持つ国と持たない国の溝が際立つなど、核廃絶の道は険しい。こうした世界情勢の中、科学者の集まりがどれほど影響力を持てるか、疑問を感じる人は多いかもしれない。

しかし、こういう時だからこそラッセル・アインシュタイン宣言の精神に立ち返り、科学者が担うべき役割を改めて考えることが大事だ。

今回は、「原子力の平和利用のリスク」も議題となり、原発の使用済み核燃料の再処理で生じた民生用プルトニウムが過剰に蓄積していることが論点となった。世界で長崎型原爆3万発分に相当するという。専門の作業グループでは核兵器に転用できるプルトニウムをこれ以上増やすべきではないとの見解で一致した。事実上、再処理中止の合意だ。

日本は英仏露に次いで多くの民生用プルトニウムを持ち、国内外あわせて47トンに上る。高速増殖原型炉「もんじゅ」も頓挫している今、青森県の再処理工場を動かせば余剰プルトニウムがますます増加する。

核廃絶のためにも再処理中止に向けた政治決断が必要だ。作業グループの合意を生かすためにも、科学者は再処理の高コストや核拡散のリスクを客観的データで繰り返し示すことで決断を後押ししてほしい。

日本では安全保障政策の転換により、政府が軍民両用技術を推進する動きもある。防衛省が大学などに支給する研究費はひとつの表れだ。初年度の今年、109件の応募があり9件が採択された。研究結果は公表されるというが、こうした研究費が結果的に科学者の政治利用、軍事利用に結びついていく恐れは否定できない。

「長崎宣言」は、現代科学技術が多くの分野で急速に進展する今、科学者の社会的責任はかつてないほど重大だと呼びかける。その責任を果たすには、科学技術が社会にもたらす影響を客観的に示し、国際世論に訴えていくことが重要だ。科学者ならではの発信力を高めてほしい。



パグウォッシュ会議 by limitlesslife
November 8, 2015, 1:30 pm
Filed under: パグウォッシュ会議

皆さま

梅林宏道です。
11月1~5日に長崎市で開催されたパグウォッシュ会議の「長崎宣言」の全文を以下
に貼り付けます。ワードファイルは添付です。
読んで分かるように、この宣言は「パグウォッシュ評議会」の宣言ですので念のた
め。

梅林宏道
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NPO法人ピースデポ特別顧問
さい塾・塾長
長崎大学核兵器廃絶研究センター・客員教授
(ピースデポ事務所)
〒223-0062 横浜市港北区日吉本町1-30-27-4-1F
電話:045-563-5101 FAX:045-563-9907(事務所)
電子メール1:cxj15621@nifty.ne.jp
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第61 回パグウォッシュ会議世界大会
2015 年11 月1~5 日、長崎
「長崎宣言」(仮訳)
2015年11月5日

「長崎を最後の被爆地に」―。原爆が広島と長崎を壊滅してから70 年の歳月が流
れました。それでも私たちは今なお、数千発の核兵器がもたらす切迫した危険に直面
しています。被爆者の平均年齢は80 歳を超えました。今日に至っても被爆者は、自
身の人生に多大な苦難をもたらした核攻撃の影響に苦しんでいます。パグウォッシュ
評議会は核兵器の廃絶を希求する被爆者の声に耳を澄まします。そして世界の政治指
導者に対し、被爆者の叫びを受け止めるよう強く訴えます。

核兵器の脅威は今も増大しています。核軍縮は行き詰まっています。紛争が多発し
ています。核兵器転用可能な核物質の量が世界各地で増大しています。核兵器が法的
に禁止され、廃絶されるまで、そして核兵器転用可能な核物質が安全な形で処分され
る日が来るまで、意図的ないしは偶発的な核兵器使用のリスクは常に存在し続けま
す。

すべての核兵器保有国は、核兵器システムの近代化計画を中止しなくてはなりませ
ん。核兵器保有国の近代化計画に割り当てられた数十億ドルもの財源は、核リスクの
最小化、核の偶発的発射やサイバー攻撃の防止、軍縮の促進にこそ使われるべきで
す。そして最も重要なのは、核兵器保有国が核兵器の削減にとどまらず、核兵器の廃
絶を確約しなくてはならないということです。包括的核実験禁止条約(CTBT)の
迅速な発効も不可欠です。拡大核抑止(「核の傘」)に依存する非核保有国もまた、
核軍縮を支持し、例えば非核兵器地帯への参加や創設によって、自身の安全保障政策
を変革しなくてはなりません。

核拡散防止条約(NPT)の再検討(レビュー)プロセスやジュネーブ軍縮会議
(CD)といった、軍縮・不拡散をめぐる既存の国際的な協議枠組みは大切ですが、その
限界も明らかです。国々と市民社会、国際組織が連携して核兵器の法的禁止を目指す
全世界的なイニシアティブが、核の脅威除去のために重要な役割を果たしうるでしょ
う。

2011年に発生した東京電力福島第1原発事故は、原子力安全の重要性、また原子力
技術に付随するリスクを封じ込めることの重要性を、私たちに思い起こさせました。
現代科学技術が多くの分野で急速に進展しています。そのことが究極的には人間性に
まで影響を与えるという点に十分な注意を払わなければ、新た危険が鎌首をもたげる
かもしれません。恐らく今日、科学者の社会的責任はかつてないほど重大なものに
なっています。

「対立を超えた対話」。これはパグウォッシュ運動の基本理念です。核兵器使用の
引き金を引くかもしれない地域的緊張は外交的な措置によって解消されるべきです。
すべての当事者はあらゆるコストを払って軍事衝突を回避しなくてはなりません。戦
争が実際になくならなければ、現代また次世代の大量破壊兵器によって、人類はその
生存が脅かされ続けることになります。私たちは、ラッセル-アインシュタイン宣言
の本質に立ち返りたいと思います。核兵器を廃絶し、究極的に戦争そのものをこの地
球上からなくさなくてはなりません。

強固な道徳心と倫理観がなければ、人類は生き延びることはできません。広島、長
崎の被爆者、世界中で行われた核実験で被ばくしたヒバクシャの経験を次の世代へと
伝承していくこと は、決定的に重要です。核兵器およびその他の大量破壊兵器が存
在する限り、壊滅的な結末は避けられません。ラッセル-アインシュタイン宣言を思
い起こし、長崎市民と被爆者の声を分かち合いながら、きのこ雲の下で起こった惨劇
が深く刻み込まれたこの地から、パグウォッシュ評議会は今一度、人類の一員とし
て、人類に向かって訴えます。「あなたがたの人間性を心にとどめ、その他のことを
忘れよ」と。

(訳;パグウォッシュ2015 組織委員会)

MLホームページ: http://www.freeml.com/abolition-japan

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