天皇、皇后両陛下は8日夕、太平洋戦争の戦没者を慰霊するため、パラオ共和国のパラオ国際空港に到着した。戦後70年の節目にあたり、両陛下がかねて同国訪問を望んでいた。▼14面=社説、38面=おことば全文など

天皇陛下は出発に先立ち、皇太子さま、秋篠宮さま、安倍晋三首相らを前に、多くの犠牲者が出たことに触れ、「太平洋に浮かぶ美しい島々で、このような悲しい歴史があったことを、私どもは決して忘れてはならないと思います」と述べた。

パラオ到着後、夜には同国主催の歓迎晩餐会(ばんさんかい)があり、同じく太平洋戦争の戦場となったミクロネシア連邦、マーシャル諸島の大統領夫妻も出席した。パラオのレメンゲサウ大統領は英語で、「私たちは共に、終戦70周年を記念し、この地及び太平洋地域全体において命を落とされた勇敢な魂に敬意を表し、哀悼の意を捧げます」とあいさつ。

天皇陛下は「私どもは先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、その遺族の歩んできた苦難の道をしのびたいと思います」と述べ、杯をあげた。

これに先立ち、両陛下はレメンゲサウ大統領夫妻と会見。同席した宮内庁の河相周夫式部官長によると、大統領は「遺骨収集を加速させていきたい。ペリリューでは200近い洞窟があり、順次あけていく」と話し、天皇陛下は「遺族の方々は大変感謝すると思います」と答えたという。この日、両陛下は海上保安庁巡視船「あきつしま」に宿泊。9日にヘリでペリリュー島に渡り、日本とアメリカの慰霊碑をそれぞれ訪れる。同日夜、帰国する。

パラオでは多くの人たちが両陛下を沿道で待ち受け、日本の国旗を振るなど歓迎ムードが広がっていた。パラオ国際空港では地元の小学生ら約50人が出迎えた。女子児童が同国でよく知られているランの花束を贈り、皇后さまは笑顔で受け取った。

島康彦中田絢子