Global Ethics


小さなアイヒマンにならないように Re: 『全体主義の起源』第3巻 by limitlesslife
October 27, 2017, 12:32 pm
Filed under: ヒトラー
みなさんお世話様
 私たちは小さなアイヒマンにならないよう
 お互い気をつけましょう。
          石垣敏夫
以下転載です
おはようございます、遠藤です。
「全体主義の起源」
は先頃NHKで解説番組が放映されたので、よろしかったら
http://www.dailymotion.com/video/x61tgcz ご覧ください。全4回です。
On 2017/10/27 9:08, vitamin_kazuko@yahoo.co.jp wrote:
> 『全体主義の起源』を読んでみようと思います。有難うございます。
>
> 日常を振り返りますと、私達庶民は、細かい「どうでもいい他者への非難」で、時間を潰したり、相手をサポートどころではなく、敵対視しか、異質として、排除する、分離する、体質が、かなり、日常生活意識に、しみついているように思います。
>
> 「異質」とレッテルを貼り、話し合いもなく、嫌い、枠に閉じ込め、成長や交流、協働を見出さない、そのような日常を直視する必要を思います。
>
> 分離、分断意識を広めた、ナチスの教育のみならず、その「分離分断意識の成功」を受け入れ、共同体社会の後退をさせる事は、今も広がり、存在していると、思います。
>
> 今の日本や世界の政治もそうです。
>
> 異質とどう共通点を見出し。協働できる、共同体を
> つくれるか、私は日本国憲法にも、学べる思いを抱きます。
>
> 重度障害を持つ方々を嫌い、邪魔者として、殺害した相模原ヤマユリ園での犯人の心と通じる認識が、実は、浅くとも、潜在的に、広く人々の日常認識に浸透しているのでは、ないでしょうか?
>
> 哲学認識からの生き方の軸を持ち、生き方や社会に活かしていくのは、無論大切ですが、
>
> 異質と共同や協働していく認識を、日常実際生活からも、自己からも、団体、学校、社会的にも、見出していき、変化させる認識を新しく構築、実践することは、重要であり、誰にも出来ると思うのです。
> それができないのは、なぜか?を、私は見出したいと思います。
>
> 日常生活そのものも、やはり哲学に通じ、実践そのものでも、あります。
>
> 哲学や他者の評論に留まらず、また、哲学を読めない場合でも、日常実践からの「異質との協働共同体哲学」を自分に持ちたい、社会的に広まって欲しいと、願います。
>
> iPhoneから送信
>
> 2017/10/23 10:39、donko@ac.csf.ne.jp のメッセージ:
>
>> 坂井貴司です。
>> 転送・転載歓迎。
>>
>> 日本人と比べて本を読まないと言われるアメリカ人が、トランプ大統領就任以
>> 降、日本人でさえ読まない政治哲学の本をこぞって読んでいるそうです。
>>
>> ハンナ・アーレント著
>> 『全体主義の起源』全三巻 新版 みすず書房
>>
>> です。
>>
>> 日本人の大部分が望んでいなかった原発再稼働を強行し、特定秘密保護法や共
>> 謀罪、安保法制などを強行採決を繰り返して成立させたにもかかわらず、安倍首
>> 相率いる自民党とその手下に成り下がった公明党が国会で過半数以上を維持し続
>> ける状況を見ると、選挙によって権力を合法的に獲得したヒトラーとナチス党と、
>> それを許したドイツ人を詳細に分析したアーレントの『全体主義の起源の起源』
>> は、現在の日本の政治状況を考える上で重要なヒントになると思います。
>>
>> 分厚い本で全巻を読むには大変時間がかかるこの大著は、第3巻を読むのがい
>> いと思います。
>>
>> 『全体主義の起源 第3巻 全体主義』
>>
>> アベ政治がなぜ続くのかを読み解くには本書の
>>
>> 第十章 階級社会の崩壊
>> 1 大衆
>> 2 モッブとエリートの一時的同盟
>>
>> 第十一章 全体主義運動
>> 1 全体主義のプロパガンダ
>> 2 全体主義組織
>>
>> を読むのがいいのではないかと思います。
>>
>> 坂井貴司
>> 福岡県
>> ======================================
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「我が闘争」教科に反対の世界の声 2 by limitlesslife
May 7, 2017, 12:12 am
Filed under: アベノミス, ヒトラー

Ambassador Yagi has replied on Hitler’s Mein Kamph used in schools

 

Dear Friends,

I hasten to transmit to you Professor von Weizsaecker’s message addressed to me.
I have learned for the first time the belated official statement refered to in the message.

With warmest regards,
Mitsuhei Murata

 

 

From: Ernst von Weizsaecker
Sent: Saturday, May 06, 2017 4:15 AM

Dear Ambassador Murata,
thank you for taking my letter to Ambassador Yagi so serious. But now Ambassador Yagi has replied. I attach the German written letter and as attachment a statement by the Japanese Education Ministry. In effect his letter and the ministerial statement deny the correctness of my wording. They explain that the use of passages from “Mein Kampf” is strictly linked to a critical assessment of the Nazi tyranny and a negative meaning, meant to avoid any renewed tragedy of a war.
So I must request you to communicate this correction to the recipients of your circular letter.
Kind regards
Ernst Weizsäcker

3 Attachments

<a href=”https://limitlesslife.files.wordpress.com/2017/05/yagi-page-2.pdf”>Yagi page 2</a>

<a href=”https://limitlesslife.files.wordpress.com/2017/05/yagi-page-21.pdf”>Yagi page 2</a>

<a href=”https://limitlesslife.files.wordpress.com/2017/05/reply-by-ambassador-yagi.pdf”>Reply by Ambassador Yagi</a>

————-
Comment:

ドイツ駐在大使としてはそう答えるしかなかった
でしょうが、安倍政権の意図は教育勅語容認(む
しろ復活が本意)に続いての(国粋主義推進の意
図をもった)「我が闘争」容認で、判断は現場に
任せるというのですから、現実には容認・推進が
出てくることは避けられないし、憲法改悪(自衛
隊を九条には、その戦力・戦争能力と現九条との
矛盾があり)の意図に誘導されるでしょう。これ
は使用そのものを認めないドイツの正当なやり方
(有害無益のものを学ぶ必要は無い、エログロを
教科に使用を禁ずる政策と矛盾)を守るべきと思
います。



ヒトラーによる憲法破壊と安倍政権がたどる道 by limitlesslife

    Peace Philosophy Centre

池田浩士: ヒトラーによる憲法破壊と安倍政権がたどる道 ――私たちは歴史から何を学ぶのか?Ikeda Hiroshi: Hitler’s Dismantling of the Constitution and the Current Path of Japan’s Abe Administration: What Lessons Can We Draw from History?

Posted: 27 Aug 2016 02:16 AM PDT

京都大学名誉教授池田浩士(いけだ・ひろし)氏による寄稿の英訳が8月15日、日本敗戦の日にThe Asia-Pacific Journal: Japan Focus に掲載されました。Here is the original Japanese version of Ikeda Hiroshi’s article that was posted on the Asia-Pacific Journal: Japan Focus on August 15, 2016.

Hitler’s Dismantling of the Constitution and the Current Path of Japan’s Abe Administration: What Lessons Can We Draw from History?

この論文の元の日本語文を筆者の許可を得てここに掲載いたします。7月の参院選で衆参ともに改憲派が3分の2以上を占める結果となり、安倍首相はこの秋の臨時国会から改憲の具体的議論をするとの意向を表明していることからこの論文は一人でも多くの人に読んでもらいたいと思います。池田氏は安倍首相を安易にヒトラーに見立てるのではなく「冷静に歴史を見つめ直し、そこから得た教訓を現在の私たちの適切な判断と行動のために役立てる必要がある」重要性を説きます。 @PeacePhilosophy

★この論文はリンク拡散歓迎です。転載の場合は、英文版のURLhttp://apjjf.org/2016/16/Ikeda.html とこのPeace Philosophy Centre ブログ上の日本語版のURLをソースとして明記した上、このブログのコメント欄に転載したことを報告してください。

ヒトラーによる憲法破壊と安倍政権がたどる道

――私たちは歴史から何を学ぶのか?

池田(いけだ)浩士(ひろし)

1.はじめに

安倍政権は昨年夏、強い危惧と反対を表明するする日本社会の世論を無視して、「安保関連法」と呼ばれる一連の法律を強行成立させた。この法律に対しては、法律家や憲法学者たちからも「明らかに憲法違反である」という批判が続出し、これの廃止を求める声は現在もなお弱まってはいない。

現行の日本国憲法がその前文と第9条で明記している「戦力の不保持」と「戦争の放棄」は、これまでにもすでに、この規定を骨抜きにし無効にするような様々な法律によって蹂躙されてきたが、安倍内閣が強行成立させた「安保関連法」は、「国際紛争を武力によって解決すること」を禁止する憲法に真っ向から違反して、「集団的自衛権」の名のもとに「自衛隊」が海外で実際に武器を使用して戦争行為を行なうことを、容認するものである。これは、同じ自民党の歴代政権さえもが一貫して「容認できない」としてきたことであり、自民党自身のこれまでの方針にも反する決定なのだ。この決定によって、日本という国家は、憲法を改訂さえしないまま、憲法に違反して、「戦争する国」となった。

自民・公明連立の安倍政権によるこの憲法蹂躙は、多くの点で、ヒトラーによるヴァイマル憲法の破壊という歴史的先例を思い起こさせる。言うまでもなく、現在進行している事態を過去の歴史事例と安易に結び付けて論じることは、慎まなければならない。「オオカミがやってくるぞ!」という扇情的な叫びや、「安倍は第二のヒトラーだ!」という単純なレッテル貼りは、本当に起こりつつある現実から人びとの目をそらすのみで、むしろこの現実に対処する道を誤らせかねないだろう。しかし、私たちは、過去の歴史から学ぶことができるのであり、学ばなければならないのである。デマゴギーを撒(ま)き散らすのではなく、冷静に歴史を見つめ直し、そこから得た教訓を現在の私たちの適切な判断と行動のために役立てる必要がある。

2.ヒトラーはヴァイマル時代の公正な選挙によって政権の座に就いた

アードルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)という政治家も、彼が率いた「国民社会主義ドイツ労働者党」(Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei、 英語に直訳すればNationalsocialist German Laborsparty)、略称「ナチ党」も、その党の構成員たちである「ナチス」(Nazis)も、現在では、もっぱら否定的な評価を込めてしか語られることがない。それは、彼らが行なったこと、つまり、政治的反対派の弾圧やユダヤ人とロマ民族のホロコースト、さらには「生きる価値のない存在」と彼らが名づけた障害者や「遺伝病者」、「労働忌避者」など社会的マイノリティの虐殺、そして侵略戦争と非戦闘員の殺戮などが、人類史上もっともおぞましい残虐行為として、記憶されているからである。しかし、そのヒトラーとナチ党は、周知のとおり、クーデタや陰謀によって政権の座に就いたわけではなかった。ナチ党は正規の国会議員選挙によって国会の第一党となり、党首であるヒトラーが合法的に大統領によって首相に任命されたのである。つまり、ドイツの有権者がみずからヒトラーを選んだのだった。しかも、その国会議員選挙は、その当時(そして今でもなお)歴史上もっとも民主主義的な憲法であるとされた「ヴァイマル憲法」の下で行われた。ヴァイマル憲法は、現在の日本国憲法もまたその多くを受け継いでいるような人権条項を含んでいた。思想・信条の自由、言論・出版の自由、集会・結社の自由、通信の秘密、居住の自由、身体の自由(令状なしには身柄を拘束されない)などが、それによって保障されていた。

そのような憲法がヒトラーのあの「独裁」を生んだということは、驚くべき歴史的事実である――と思われるのは、不思議ではない。だが、ヴァイマル共和制のドイツからヒトラー・ドイツへの道筋を具体的に見つめ直してみると、なぜこのような歴史過程が現実となったのかが、私たちにも理解できるだろう。そして、この歴史過程は、多くの点で、現在の日本の政治的・社会的な状況についての深刻な危惧を喚起させずにはいないのだ。

ヴァイマル憲法下のドイツ、いわゆるヴァイマル共和国には、多数の政党があり、それぞれに固い支持基盤があった。これらの諸政党のうち、長期にわたって最大勢力だった社会民主党(Sozialdemokratische Partei Deutschlands; Socialdemocratic Party of Germany)も含めて、14年間のヴァイマル時代に一度でも国会で過半数の議席を占めた政党は一つもなかった。これは、現在の自民党とその前身の政党がほとんどすべての時期を通じて政権を握ってきた第二次世界大戦後の日本とは、大きく異なる点である。その中で、一地方政党から出発したナチ党が、急速に勢力を伸ばして、ついに国政第一党となり、政権を掌握したのだった。だが、そのナチ党も、実は、国会で過半数を占めたことはついになかったのである。1933年1月30日に政権の座に就いたとき、わずか三分の一の得票率と、同じ比率の議席数しか持たなかったナチ党のヒトラー首相は、首相を含めて12人の閣僚からなる内閣に、首相以外にはわずか2名のナチ党員しか入閣させることができなかった。  そこでヒトラーは、政権成立の2日後に国会を解散して、3月5日に出直し選挙を行なった。すでに警察力を握っていたヒトラー政府は、批判勢力に対するすさまじい妨害を繰り広げた。それにもかかわらず、ナチ党は得票率約44%で、総議席数647のうち288議席を得るにとどまったのだった。注目すべきことに、この得票率は、日本におけるもっとも最近の国政選挙である2014年12月の衆議院議員選挙のさい、比例代表の枠で自民・公明の連立与党が獲得した得票率、約47%と近い数値である。現在の日本の場合は、国政選挙での投票は小選挙区と比例代表枠との複合になっており、小選挙区での高い議席獲得数が政府与党の圧倒的な勝利につながっている。しかし、有権者の政党支持率を客観的に反映しているのは、比例代表枠での得票率である。そこで47%の支持しか得ていない自公連立の安倍政権は、実は有権者の半数以下の支持しか受けていないのである。

小選挙区が与党を圧倒的に有利にする現在の日本の制度とは対照的に、ヴァイマル時代のドイツの選挙制度は、考えられる限り公正に民意を反映するものだった。全国一律に比例代表制のみで、有権者は自分が支持する政党に投票し、各政党は得票数6万票ごとに1議席を獲得する仕組みになっていた。しかも、ヴァイマル時代の国会議員選挙の投票率は、70%台後半から80%台後半と、概して極めて高かった。1933年3月5日の選挙(これが、事実上、ヴァイマル憲法の下での最後の選挙となった)では、投票率は88,7%に達していた。この選挙でのナチ党の得票率44%、獲得議席数288は、客観的に民意を反映していたと言える。すなわち、この時点でもナチ党は、第一党であるとはいえ有権者の半数以下の支持しか得ていなかったのだ。それにもかかわらず、ヒトラーは、あのような独裁体制を実現することができたのだ。これは、私たちが現在の安倍政権の政治について考えるとき、大きな示唆を与えてくれる事実である。

3.もっとも民主的な憲法がなぜヒトラー独裁を生んだのか?

たとえ半数以下の支持しか得ていなくとも、政権を握れば民意に反した政治を断行できるということを、ヒトラーとともに日本の安倍政権も、私たちに教えてくれる。とは言え、ヒトラーのナチ党も安倍の自由民主党も、曲がりなりにも国政選挙で第一党、最大の議席数を獲得したのである。では、ヒトラーのナチ党は、なぜ国会の第一党になることができたのか? そして、誰がそのナチ党を支持したのか?

ナチ党が国政舞台で初めて大きな注目を浴びるようになったのは、1930年9月の国会議員選挙での躍進によってだった。この選挙で、それまでわずか12議席だったナチ党は、一挙に107議席を獲得して、一躍国会第二党となったのである。それは、1929年10月に始まる世界経済恐慌が生んだ一つの大きな結果だった。世界恐慌によって、第一次世界大戦の敗戦国であるドイツは、ようやく始まりつつあった戦後復興から、一挙に不況のどん底に落とされた。失業率は急激に上昇し、深刻な社会不安が増大した。その中で、ナチ党は党首ヒトラーの決断力と指導力と実行力を売りものにし、ヒトラーは「強いドイツを取り戻す!」と叫んで、有権者を惹きつけた。失業率は、ヒトラー政権誕生の前年、1932年にはついに「完全失業率=44,4%」という驚くべき高率に達した。この年の7月の国会選挙で、「失業をなくす!」と叫び続けたヒトラーのナチ党は、得票率37,4%でついに国会の第一党となった。同年11月の選挙では得票率33,1%に後退したが、第一党の地位を保ち、1933年1月30日、大統領はヒトラーを首相に任命せざるを得なくなったのだった。

では、ナチ党に投票したのは誰だったのか? 実は、ナチ党に投票したのは、失業者ではなかったのだ。さまざまな統計を分析した結果、つぎのようなことが明らかにされている。すなわち、失業者たちが投票したのはドイツ共産党(Kommunistische Partei Deutschelands; Communist Party of Germany)だった。今はまだ失業していないが、次は自分が失業するのではないか、という不安を抱くいわゆる無党派層が、ナチ党に一票を投じたのである。これは、安倍政権が、「三本の矢」、「新三本の矢」と、経済政策を矢継ぎ早に打ち出して、失業不安や先行き不安におびえる人たちの支持を取り込んでいる事実を、思い起こさせる。

ヒトラーのナチ党はまた、「仮想敵」をつくることによって、人びとの不安を自分たちの側に惹きつけた。「この大失業は、ドイツ人から職を奪っている奴らがいるからだ」、「我々はそいつらからドイツ人のために職を奪い返す!」と叫び、生活困窮と社会不安を特定の社会構成員たちの仕業であると主張した。こうして、ユダヤ人に対する敵意と差別が煽られ、ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)に至る道が開かれた。だが実は、当時ドイツのユダヤ人は、人口のわずか0,9%にも満たなかったのである。そのユダヤ人が、完全失業率44,4%という事態に対する責任を負っているはずもない。それをナチスは仮想敵として宣伝し、ユダヤ人への敵意を増殖させた。こうしたデマゴギーもまた、安倍政権の手法を思い起こさせる。安倍政権は、韓国や中国の脅威を強調し、この両国を事実上「仮想敵国」としている。そのことによって、日本国内の世論が反韓国・反中国へと導かれ、「ヘイトスピーチ」としても表われているような在日外国人に対する排外主義的憎悪の下地となっている。生活が苦しければ苦しいほど、近い将来に対する不安が大きければ大きいほど、私たちは、仮想敵に対する憎悪をかきたてる言動によって動かされやすくなるのだ。

ヒトラー・ナチスと安倍政権とのこうした個別的な類似点を指摘すること自体に、意味があるのではない。ヒトラーと安倍によって導かれている私たち自身を、改めて見つめ直すことが、重要なのだ。私たちの歴史上の先行者であるヴァイマル時代のドイツ「国民」は、このようにしてヒトラーに追従した末に、ヴァイマル共和制がヒトラー独裁を生むことを許してしまったのである。

ヴァイマル憲法を否定していたヒトラーは、憲法の改訂をいわば「悲願」にしていたにもかかわらず、1933年3月の出直し選挙でも、憲法改定に必要な三分の二以上の議席を得ることができなかった。そこで彼は、「全権委任法」と通称される法律(正式名称は「帝国Reichと民族民衆Volkの苦難を除去するための法律」)を、新しい国会で強行採決し、成立させたのである。この法律は、立法府である国会の権限を奪って、政府が法律を制定できることを定めていた。しかも、政府が制定する法律は国会の事後承認さえも必要とせず、首相(つまりヒトラー)が認証すればよいことになっていた。それどころか、その第2条では、政府によって制定される法律は「憲法に違反することができる」と明示されていたのである。この「全権委任法」によって、ヴァイマル憲法に基づく共和制は崩壊し、ヒトラー・ナチ党による独裁体制が「合法的」に始まることになった。

では、なぜ国会はこのような法律を成立させたのか? あるいは、ヒトラーによる憲法破壊は充分に予想されることだったにもかかわらず、なぜ3月の国会選挙でナチ党が議席を伸ばし、第一党の座を守ることができたのか?――この二つの疑問に答えるためには、二つの歴史的事実を見なければならない。まず第一に、国会がこの法律を成立させるにあたっては、ある一政党の役割が決定的な意味を持ったのである。ヴァイマル憲法の下でも、憲法改定や、憲法の規定を変更するような法律の制定には、国会議員総数の三分の二以上の出席と、出席議員の三分の二以上の賛成が必要だった。すでに述べたとおり、ナチ党だけではこの数に遠く及ばなかった。ナチ党に賛同する極右諸政党の議席数を加えても、必要な数には届かなかった。ところが、護憲勢力である「ヴァイマル連合」の一翼を担ってきたカトリック政党のドイツ中央党(Deutsche Zentrumspartei; German Central Party)が、法案採決の直前に、自己保身のためにヒトラーに追随する道を選び、欠席戦術を放棄して「全権委任法」に賛成票を投じたのである。この事実もまた、日本の現在の政治状況を思い起こさせるかもしれない。いずれにせよ、法律を自由に制定できるようになったヒトラー政府は、ほどなく「政党新設禁止法」という法律を制定して、ナチ党以外の政党の新設と既存政党の存続を禁止したので、信念を捨ててヒトラーに追随することで政治権力を保持しようとした宗教政党、ドイツ中央党もまた消滅した。

では、そもそもなぜ3月の選挙でナチ党が勝利したのか、という第二の問いについても、具体的な歴史的事実がその答えを示している。それは、「全権委任法」以前に、すでに憲法を破壊する政治的実践が、ヒトラーによってなされていたという歴史的事実である。たしかに、安倍政権が2015年夏に強行成立させた「安保関連法」は、日本でもすでに少なからぬ人びとが指摘しているように、ヒトラーの「全権委任法」と比肩するような憲法破壊の重要な一コマだった。しかし、ヒトラーは「全権委任法」によってだけ憲法を破壊したのではなかった。ナチスの場合も安倍政権の場合も、憲法破壊は「全権委任法」と「安保関連法」だけにとどまらないのである。

4.「大統領緊急命令」条項と自民党の改憲草案

もっとも民主的とされるヴァイマル憲法は、しかし、その第48条で「大統領緊急命令」という例外的な権限を大統領に与えていた。「公共の安寧と秩序が著しく破壊されもしくは危険にさらされるときは、公共の安寧と秩序の回復のために要する措置を、必要な場合は武力を用いて、講じることができる」という権限を大統領に与え、この目的のために、憲法が保障する基本的人権を一時的に全部もしくは部分的に失効させることを、認めていたのである。このいわゆる「国家緊急権」を二度にわたって発動することによって、ヒトラーとナチスは、政権獲得後の国会議員選挙の選挙戦に、強力な介入を行なった。大統領ヒンデンブルクに布告させた第一回目の大統領緊急命令は、政府やナチ党にたいする批判、ストライキの呼びかけなどを禁じ、これに反する集会や印刷物を禁止した。これによって、反対派の諸政党が選挙運動を大幅に制限されたことは、言うまでもない。投票日の一週間前に起きた国会議事堂放火事件は、第二の大統領緊急命令の口実とされた。この緊急命令によって、大統領や政府要人の殺害を謀議したり教唆したりしたものは死刑または終身刑もしくは15年以上の懲役刑に処せられることになり、放火犯は共産主義者だったという真偽不明の根拠でドイツ共産党が禁止され、国会議員選挙の共産党候補者全員に逮捕状が出された。「謀議」や「教唆」という容疑は、警察・検察当局によるいわゆるデッチ上げがもっとも容易にできるものであることは、改めて言うまでもない。この二度にわたる大統領緊急命令こそは、「全権委任法」に道を開いたものであり、ヴァイマル憲法に致命傷を負わせた政治暴力にほかならなかった。

ところが、この事実もまた、ヒトラーとナチスが行なった過去の暴虐にとどまるものではないのである。安倍首相が繰り返し自らの「悲願」であることを訴えている憲法改定と、それは無縁ではないのだ。自民党が2012年に発表した憲法改定草案は、その第98条と第99条で、「緊急事態の宣言」とそれにともなう措置について規定している。第98条では、「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。」とされている。そして第99条では、「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。」とされている。

ヒトラーは、欧洲大戦(第一次世界大戦)の敗戦国ドイツが戦後のヴェルサイユ条約で過酷な賠償責任を負わされ、歴史ある文化国家としての誇りも踏みにじられて、戦後復興もはたせぬまま大失業状況に苦しんでいる現状をアピールした。安倍首相は、現行の日本国憲法を戦勝国による「押し付け憲法」であるとする自民党の一貫した主張を受け継ぎ、さらに強調して、自分の政権の下で「改憲」を実行することを公言している。そして、どの国であれ憲法に「緊急事態」条項があるのは当たり前のことだ、という意味の主張をしている。だが、日本国憲法は、当たり前のことではないことを規定することによって、「戦争によらない平和」を実現する決意を全世界に示したのである。日本国憲法が、ヴァイマル憲法にさえあった緊急事態条項、それが歴史的事実としてヒトラーへの道を開くことになった緊急事態条項を含んでいないのは、戦力の不保持と戦争の放棄という基本理念とまったく同一の理念の表明にほかならない。

5.誰が政治と社会の主体なのか?――日本国憲法第12条の意味

政権を掌握し、さらには法律も自由に制定できるようになったヒトラーは、あのすさまじい大失業状況をわずか数年で本当に解消した。首相就任の時点には半数にも満たなかったヒトラーに対する「国民」の支持は、年を追って急上昇した。それどころか、ヒトラー体制は、ドイツの敗戦後、ナチスの数えきれないほどの残虐行為が明らかにされたのちも、体験者たちの圧倒的多数が「あの時代は良かっ」たと回想するほどの安定感と充実感を「国民」にもたらしたのだった。彼らがそう感じているかたわらでは、社会のマイノリティたちが、自由をも生命をも奪われていたにもかかわらず。

戦後初期のドイツでは、「あの残虐行為や侵略戦争をやったのはヒトラーとその配下のナチスどもであり、ドイツ国民はむしろ被害者だった」、「国民は知らなかったのだ」、あるいは、「だまされていたのだ」、という見解が支配的だった。この見解は、悪いのは軍部と財閥と国粋主義者たちだった、という戦後日本の一般的観念と共通している。

ナチス・ドイツの時代について、戦後ドイツで「あの時代は良かった」という実感が生き続けたことには、根拠があった。ヒトラー体制は、現実に、失業を解消したばかりではなく、「生き甲斐のある」社会をつくったからである。ナチスは、文字通り、ボランティア社会を実現した。大失業状況が解消されたのも、ボランティア労働によるところが大きかった。ナチスは、ヴァイマル政府の施策を受け継いで、失業者を「自発的労働奉仕」という名のボランティア労働に従事させ、さらには失業者以外の若者たちにもそれを奨励した。これによって、多くの国民が、現在の窮状からドイツが脱出するために自分の自発性と社会貢献の精神を役立てることを、当然の義務と感じ、それに誇りを抱くような社会的風潮が醸成された。そして、「自発的労働奉仕」自体が失業を減少させることはなかったが、法外に安い賃金(チップ)だけで労働力を使うことができるようになった土木建設業や基幹産業が、それによって利潤を蓄積し、やがて正規の従業員を雇うことができるようになったのである。この過程は、貧困と格差が広がる中で企業が利潤を内部留保し、非正規雇用がますます拡大することで統計上では失業率が低下し続けている現在の日本の状況と、無縁ではない。

ボランティア精神が社会に行きわたったころ、ヒトラー政府は、1935年6月、「自発的労働奉仕」にかわる「帝国労働奉仕」(Reichsarbeitsdienst)の制度を法律によって定め、18歳から25歳の間に6カ月の労働奉仕に携わることを、国民に義務づけた。正規の労働者賃金の15分の1にも満たない小遣いと引き換えになされたその奉仕労働によって行なわれた建設工事でもっとも有名なものは、自動車専用高速道路(アウトバーンAutobahn)である。

その一方で、ヒトラー政府は、失業者や生活困窮家庭がとりわけ暮らしにくい冬の期間を「国民」全体が支援するため、というキャッチフレーズを掲げて、「冬季救援事業」というボランティア活動を呼びかけた。人びとは、これに応じて募金活動や救援物資を集める活動に自発的に参加することになった。これ以外にも、社会の様々な部署で、すべての国民に、「自発的な」活動の場が用意された。こうして、国民は、国土建設の主人公となり、社会的活動の主体となったのである。ナチス・ドイツは、まさに、安倍内閣が目標とする「一億総活躍社会」だったのだ。ちなみに、自発的労働奉仕にかえて労働奉仕義務を定めた「帝国労働奉仕法」の制定は、ナチス・ドイツがヴェルサイユ条約の桎梏を破棄して徴兵制を復活させることを宣言した日から、3か月後のことだった。

ヒトラーが歩んだ道をあらためてたどってきたのは、それが現在の日本で繰り返されてはならないからである。1930年代のドイツが日本に再現するということを、私は言おうとしているのではない。それを再現させないのは私たちである、ということを、改めて確認したいのだ。もっとも民主的だとされるヴァイマル憲法を、ヴァイマル・ドイツの「国民」たちは生かすことができなかった。彼らは、窮状から脱出することを、ヒトラーという政治家にすべて委ねてしまったのだ。それとは別の道を選ぼうとするとき、私たちは、あらためて私たちの憲法と向き合わなければならないだろう。「憲法は為政者や権力者を縛り、彼らに義務を負わせるものであって、国民に義務を課するものではない」という言いかたが、とりわけ現行憲法を擁護する立場の人びとによって、しばしばなされる。だが、日本国憲法はその第12条で「この憲法が保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これをほじしなければならない」と定めているのでる。自らの自由と権利を護り実現する義務と責任は、為政者や政治家ではなく、私たち自身にあるのだ。議会制民主主義とは、職業政治家に全権委任することではない。

ヒトラーは「全権委任法」によって全権委任を国民から要求し、それを国民に義務付けた。自民党の改憲草案もまた、「緊急事態」を口実にして政府への全権委任を国民に義務付けることを、実行に移そうとしている。私たちは、ただ単に「護憲」を言い続けるのではなく、憲法に反した現実を覆して憲法の理念を生かすために、政治と社会の主体にならなければならない。だが、それはそのような主体なのか?――ナチス・ドイツの「国民」たちは、用意され管理され操作された様々なボランティア活動を通じて、社会の主人公となった。その彼らには、自分たちが溌溂と生きる傍らで差別され抹殺されていく少数者たちを、見ることができなかった。私たちは、むしろそのような社会のマイノリティを見つめることによって、圧倒的多数に居直る現政権には見えないものを見るのである。私たちは、そういう社会的主体なのである。たとえ数の上では少数者であっても、その少数者こそが、多数派の傲慢と暴虐を許さない責任を負っている。民主主義社会は、そのような少数者によってこそ、民主主義を実現するのだ。国会の第一党となったヒトラー・ナチスの歴史は、私たちに、いまこそ、それを教えているのである。
池田浩士(いけだ ひろし)

1940年生まれ。
元京都大学教員、現在は同大学名誉教授。
研究分野は、ドイツ文学・ファシズム文化論。
主な著書:
『ファシズムと文学―ーヒトラーを支えた作家たち』(1978年)
『抵抗者たち―ー反ナチス運動の記録』(1980年)
『〔海外進出文学〕論』シリーズ、全5巻、既刊3巻(1997年~)
『虚構のナチズム――「第三帝国」と表現文化」(2004年)
『子どもたちと話す 天皇ってなに?』(2010年)
『ヴァイマル憲法とヒトラー――戦後民主主義からファシズムへ』(2015年)
『池田浩士コレクション』全10巻、既刊5巻(2004年~)

 



ワイマール憲法の”教訓” なぜ独裁がうまれたのか? by limitlesslife
【報道ステーション】

ワイマール憲法の”教訓” なぜ独裁がうまれたのか?

https://www.youtube.com/watch?v=3Kw0uuflXdc

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



(動画)報道ステーション・・なぜ独裁が生まれたのか? を見て下さい。 by limitlesslife
知人友人の皆さん方へ
                            杉浦公昭
 戦争法廃止・鶴ヶ島市民の会の柳戸さんが
さいたま市のIsさん(3/19付)からの情報を転送して下さいました。
 安倍政権が口にする緊急事態法の危険性を学ぶ上で非常に参考になる
動画です。
 報道ステーションの古舘氏が降板される最後の国民へのメッセージとして勇気をもって
編集された番組と、お見受けしました。
 皆さん時間を作って是非昨夜の報道ステーションの報道特集番組
【動画】30分間「独 ワイマール憲法の〝教訓〟なぜ独裁が生まれたのか
を見て下さい。
From: 柳戸
Sent: Sunday, March 20, 2016 9:45 AM
To: Undisclosed-Recipient:;
Subject: (動画)報道ステーション・・
戦争法廃止・鶴ヶ島市民の会の柳戸です   BCC
①全戸配布チラシのレイアウトが完成し、印刷を業者に手配したことが、
  担当者から連絡が入りました。
  納品は3月26日(土)ごろです。
  20,000部で2つ折り。
②報道ステーションでの内容です。
さいたま市のIsさん(3/19付)からの情報を転送します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貴重な
(動画)昨夜の報道ステーション・・
【動画】昨夜の報道ステーション
独 ワイマール憲法の〝教訓〟なぜ独裁が生まれたのか。
  
昨夜の報道ステーション、見逃した方。
ぜひ、見てください。
官製報道機関へ矯正される日本のTV。
「報道ステーション」の古舘さんがまもなく退職という名の「降板」。
番組改編間近。
3・11の福島の子どもの甲状腺がん問題特集に続いて。
古舘さんとスタッフの、怒りと危機感。本気です。
再放送して欲しい~など、
「報道ステーション」古舘さん、スタッフへの激励、意見、はこちらへ。
テレビ朝日には抗議を!
テレビ朝日は、近日、大阪維新、大阪前市長の橋本をキャスターに新番組をスタートする。http://www.oricon.co.jp/news/2066907/full/
橋本は、TVで、野党批判、与党持ち上げ、選挙の後方(=広報=マッチポンプ)部隊から、内閣入りか?
なお、
3月17日は、NHKTV「クローズアップ現代」のキャスターを23年間務めた」国谷裕子さんの最後の放送日でした。
降板、改編させたられた国谷さんとスタッフにも、メッセージを!
NHKには抗議を!
コメント募集しています。


TBSラジオ 荒川強啓デイ・キャッチ 小西克哉 トランプ=ヒトラー説、他を語る by limitlesslife
March 9, 2016, 7:25 am
Filed under: ヒトラー

 永岡です、TBSラジオの、荒川強啓デイ・キャッチ、火曜日レギュラーは国際ジャーナリストの小西克哉さんでした。

ニュース関心1位はテニスのシャラポワ選手のドーピングであり、ちなみに、田母神氏がさ入れ、一昨年の知事選では若者が多く入れたのに、デイ・キャッチでは若者の関心はゼロでした。ちなみに、田母神スキャンダル、日刊ゲンダイに記事がありました。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176813

こんな方に、「国防」を任せていたのですよ、いや、田母神さんのやるのは酷某か?()

それで、新国立競技場問題、蜃気楼氏(この表現みなさん覚えていますか?)がボロクソに言って、馳・遠藤氏が怒っており、リスナーから有識者会議で聖火台を論じなかったのか?とあり、小西さんも失笑されて、こういうたびに蜃気楼氏が怒って回りが謝るのは止めてほしい、蜃気楼氏が馳氏が悪いと言ったが、この二人は何をやっているのかと言われて、責任を取らない組織がやっているからで、TBSで隈氏のインタビューをしたら出来るとあり、しかし建築家としてどうかと言われて、蜃気楼氏は落ちたB案には聖火台があったといい、小西さん、こんな雁首そろえてこんなことは、日本だけだと言われました。

国連が日本の女性差別問題で、慰安婦問題の日韓合意は犠牲者への対応が不十分と言われて、さらに夫婦別姓なし、女性の再婚期間で批判を受けて、小西さん、岸田大臣の批判には当たらないと言うのは、何を指すのか、勧告の最終報告の慰安婦問題を指しているが、しかし現在の日本の問題を取り上げて、部分的に日本の過去に言及したことを岸田氏不満としているようであるが、杉山氏の発言は妥当で、国連委員会は犠牲者中心の対応をしていないと言うのは韓国の言い分を取り上げて、日本は合意し、政治的な論理とこの委員会は別で、日本は教科書でどう取り上げるか、適切と言うのは国により違い、事実を固定できない、大部分は日本の女性の人権で、これは納得できて、女性差別禁止を批准しながら国内法は遅れて、日本だと努力目標に留まり、これは言語道断と批判されて、ラジカルな批判を安倍政権に浴びせており、日本はコンセンサスから法が出来て、日本は国連報告を読み、メディアも国際社会はこう見ていると示すべきで、国連はチンタラ進むのに、そこからでも日本は遅いと見られて、リーダーシップがない、リーダーシップをやるのは憲法改悪だけだと言われました。

裁判傍聴芸人の阿蘇山大噴火さん、神奈川県座間市での陸自がご当地キャラ、ざまりんに銃を持たせたことを取材されて、阿蘇さん、ざまりんは座間市のPRのために2011年に出来たもので、ゆるキャラグランプリでの人気も高く、座間市の認証があればただで使えて、消防士、サッカー選手などに使われているものの、デザインを陸自の座間が、機関銃を持つざまりんをつくり、ざまりんが銃を持っているものは過去にあり、しかし新しいデザインには座間市の許可がいるのに、陸自はイラストレーターの会社が使用承認の申請をせずに使ってしまい、座間市に聞くと、イラストが承認されていないと知ったのは、新聞記者から聞いて、広告会社と自衛隊のどちらが申請すべきかは、自衛隊(使っている方)であり、承認はデザイナーではなく市にあり、デザイナーは著作権を市に譲渡するものの、同一性保持権は譲渡できず、ゆるキャラの契約時には同一性保持権を行使しないとして、今回ややこしくなり、ルールはゆるくなく、自衛隊にはキャラがいても人気がないので、ざまりんの人気を利用しようとしたもので、申請したらおりるものの、この始末というのです。

 

それで、デイキャッチャーズボイス、小西さん、トランプ=ヒトラー論が出てきたこと、共和党の中で、トランプ氏が専制君主だったらということが取り上げられて、マスメディアではなく、独立性のメディア、ネットメディアではトランプ=ヒトラー論が出て、保守の雑誌、ウィークリースタンダードが、90年代にトランプ氏がヒトラーのスピーチをしていたと報じ、これはバニティフェアという総合誌が先に取り上げて、トランプ氏の前の奥さんが、あの人はひどいと人格攻撃する手段と言うものの、トランプ氏、寝る前にヒトラーのスピーチをしているといい、またヒトラーのわが闘争はトランプ氏読んでおり、しかしこれはヒトラーのスピーチが出ている私の新しい秩序と言う本をトランプ氏は読んでおり、保守の雑誌が報じたのを、コメディアンが報じて、911の際に、翌日の番組でテロリストは勇気があると発言し、アメリカは巡航ミサイルを使い、テロリストの方が勇敢と言って番組を打ち切られて、しかしファンも多く、リベラルな芸人で自分のチャンネルを持ち、この人が、トランプ氏とヒトラーの共通点を取り上げて、ドイツ語→英語→小西さんの日本語訳で、ヒトラーはドイツを再び偉大な国にする=トランプ氏のアメリカを偉大な国にする、ヒトラーはベルサイユ条約はひどいといい、トランプ氏はTPPはひどいといい、小西さんの紹介を聞くと、確かにヒトラーの口調と同じであり、ヒトラーもトランプ氏もタフな交渉をするなどいい、ヒトラーのユダヤ人虐殺と、トランプ氏のメキシコと壁を作るも似ていて、アメリカの芸人のドル箱は政治家をどうおちょくるかであり、これはトランプ氏のおかげで活況を呈して、アメリカの芸人がトランプ氏を揶揄して、トランプ氏はアメリカを偉大にすると言うものの、具体的な方法なし、しかしこれはヒトラーも同じであり、荒川さん、チャップリンの独裁者を思い出したと締めくくられました。以上、デイ・キャッチの内容でした。

 



■戦闘によらぬ犠牲者1400万人の声 by limitlesslife
(書評)『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(上・下)
朝日新聞 2015年12月6日
■戦闘によらぬ犠牲者1400万人の声

史料に埋もれて数値や史実を探りあてた歴史家は、そこからはい出して世に何を問う
のか。本書は、「犠牲者」として丸められた数値を「人に戻す」意志をもって、「大量
殺人政策」を考察した戦史である。「数」をなお焦点に政治のかけひきが続く東アジア
を思うと、研究者として、人間として、過去に向き合う著者の姿勢が強く印象に残る。

ヒトラーのナチス・ドイツとスターリンのソ連は、第2次世界大戦が終わる1945
年までの12年間で、1400万人の命を奪った。殺戮(さつりく)の舞台となった「
ブラッドランド(流血地帯)」は、いまの国名でいえば、ポーランド、ウクライナ、ベ
ラルーシ、バルト諸国とロシア西部を指す。

ここには、戦闘による死者は含まれていない。ウクライナでソ連に飢えさせられて亡
くなった300万人をはじめ、政策による餓死や銃やガスなどで殺された民間人と戦争
捕虜たちである。本書によると、第2次大戦中の独ソの戦死者の合計を上回るという。
救いのない現場を、これでもか、とたたみかける。

ナチスによる惨劇の象徴として注目が集中しがちな強制収容所の内側の「ホロコース
ト(大量虐殺)」から、そのソトにあった死へと視界をひらかせる。国家や民族ごとに
仕切られてきた歴史を綴(と)じ合わせることで、各国の数字の誇張や歪曲(わいきょ
く)を暴く。権力がもつ残虐性と、時勢が求める「真実」に寄り添ってしまう人間の弱
さを見せつける。

国家の暴虐の記述にはさみこまれた、犠牲者の手紙や日記、教会での最期の言葉が記
憶にこびりつく。受難者の立場をめぐる民族や国家の間の「競争手段」に使われ、死者
が匿名の数値の一部となってしまうことを阻もうとしているかのようだ。

歴史が「点」から「面」へと仕立てなおされていく。闇から現れた史実の重みにふれ
るとき、思いは「人」へと向かった。

評・吉岡桂子(本社編集委員)

布施由紀子訳、筑摩書房・上3024円、下3240円/Timothy Snyd
er 69年生まれ。イェール大学教授。

ブラッドランド(上・下) ティモシー・スナイダー著
ナチとソ連の虐殺、全貌に迫る
日本経済新聞朝刊2015年11月29日付

1933年から45年まで、ナチ・ドイツとソ連は、ヨーロッパの中央部でおよそ1400万人を
殺害した。スターリンは、33年にウクライナを飢餓に追い込み300万人以上を殺した。3
7年から38年には大粛清(テロル)で70万人を銃殺した。39年に独ソに分割されたポー
ランドでは20万人が殺された。独ソ戦を始めたヒトラーは、レニングラードを包囲して
400万人を餓死させた。さらに、45年までに銃あるいはガスで500万人以上のユダヤ人が
殺された。

これらの死者はすべて、戦争ではなく、政策の犠牲者である。1400万という数字に兵士
は含まれておらず、ほとんどが女性か子供か労働者である。一番の死因は餓死であり、
次いで銃殺、ガス殺となる。

このように、ヒトラーとスターリンの覇権主義政策が重複し、独ソ戦の戦場となり、ソ
連の秘密警察とナチ親衛隊が集中的に活動した地域は、文字通り「流血地帯(ブラッド
ランド)」となった。ポーランド、バルト3国、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの西
部国境地帯がここに入る。

それまではホロコーストがもっぱら注目を浴び、ユダヤ人犠牲者が他の犠牲者と切り離
され、「流血地帯」全体の歴史が描かれてこなかった。

同様に各国・各民族の個別の歴史も大量殺害の全体像を明らかにはしない。

著者は、明示されているだけでも17の文書館をめぐり、鉄のカーテンあるいは国境によ
って分断・封印されてきた「流血地帯」の歴史を紡ぎあげていく。犠牲者側と加害者側
の双方の記録を駆使し、アーレントら著述家の観察も効果的に引用する。日本の動きが
独ソの政策に与えた影響にも言及され、杉原千畝も歴史の証人として登場する。

先に翻訳された好著『赤い大公』もそうだが、著者の文章構成力は素晴らしく、その多
言語を操る語学力にも舌を巻く。しかし、私たちが最も学ぶべきは、著者の歴史に向き
合う姿勢だろう。夥(おびただ)しい非業の死と戦後におけるその歪曲(わいきょく)
を綴(つづ)ったのち、著者は終章「人間性(ヒューマニティ)」で次のように本書を
締め括(くく)っている。

「ナチスとソ連の政権は、人々を数値に変えた。(中略)われわれ人間主義者(ヒュー
マニスト)の責務は、数値を人に戻すことだ。それができないとすれば、ヒトラーとス
ターリンは、この世界を作り変えただけではなく、われわれの人間性(ヒューマニティ
)まで変えてしまったことになる」

2010年に出版され、世界中で賞賛(しょうさん)を浴びてきた本書が、このたび日本語
で読めるようになったことを心から喜びたい。

(成蹊大学准教授 板橋 拓己)

『ブラッドランド 上・下』 ティモシー・スナイダー著
[レビュアー] 松木武彦(考古学者・国立歴史民俗博物館教授)
1400万人虐殺 「合理」性を解く
読売新聞 2015年11月29日
読書とは、本来楽しいものだ。たくさんの読者にその楽しさを味わっていただくために
、新聞の書評はある。

その点から言えば、この本は書評するに辛(つら)い。圧倒的な恐怖と不快、人間その
ものへの不信感や絶望を呼び起こすばかりで、どこにも楽しさはない。

タイトルの「ブラッドランド」は、流血地帯と訳される。「血の土地」と直訳するとも
っと生々しい。現在のポーランド、バルト三国、ベラルーシ、ウクライナの各国にほぼ
当たる地域で、旧ソ連とナチス・ドイツにより東西から蹂躙(じゅうりん)された。

スターリンとヒトラーが覇権を競っていた1933年から45年までの12年間、ここ
で約1400万人が、戦闘以外で命を強奪された。有名なアウシュビッツでのユダヤ人
犠牲者は、数でいえば全体の十分の一以下。同じような規模の殺戮(さつりく)が、ユ
ダヤ人のみならずウクライナ人やポーランド人やソ連軍捕虜などに対して、ガス室のみ
ならず計画的飢餓や銃殺といった方法で、ナチス・ドイツのみならずスターリン政権や
その傀儡(かいらい)国家、ときにはそれぞれの民族の同胞たちの手によって次々と行
われたのである。本書は、各国の膨大な資料の分析によって、その殺戮の一つ一つを白
日の下に生々しくさらし、何が起こったのかを余すところなく描き出した大作だ。

政策として飢饉(ききん)を引き起こしたウクライナで500万人を殺したソ連。でっ
ち上げた陰謀のとがで20万人のポーランド国民を殺し合ったソ連とナチス。戦場で望
めぬ勝利の代償としてユダヤ人の殲滅(せんめつ)をはかったナチス。

これらの殺戮を、強権国家の狂信的所業として理解の外に追いやるような論調に、著者
は決して与(くみ)しない。支配者や、その官僚たちや、実際に手を血に染めた末端の
実行者たちは、それぞれの論理でその所業を「合理」化した。政権保持のため、面子(
メンツ)のため、保身のため、生活のため……。どんなに不快でも彼らの「合理」性を
解き明かして組み立ててみることから、過去の真実群が浮かび上がってくる。

死の「合理」化は、殺す側だけでなく、殺される側の民族にとっても、その死に意味や
価値を与えることにつながった。国家の勝利のために奪われた命が、今度は民族の旗印
となる。だが、国家や民族の名において意味や価値を与えられた殺害や死は、国家や民
族がある限り、またぞろ繰り返されるのだ。

自由、平等、多様性。さまざまな国家や民族の共生を謳(うた)ったきれいごとの知恵
なら、ずっと前からごまんとある。かほどの地獄を体験してすら、その繰り返しを今な
お断ち切れぬ人類の知恵の浅さと弱さに暗然とする。こんな絶望の連鎖に、歴史研究者
として、人間としてどう立ち向かうのか。

ブラッドランドで命を強奪された1400万人は、みんな人生の半ばにあり、思い出が
あり、愛する人がいて、一人一人名前があった。おぞましい殺戮の場面で、死にゆく彼
ら彼女らの名前を著者はできるかぎり記していとおしむ。歴史研究者としては犠牲者の
数値を正確に明らかにすること。しかる後に人間主義者(ヒューマニスト)としてその
数値を「人に戻すこと」。最後の著者の宣言に少しだけ心が救われる。書評するに辛い
、だが何としても書評せずには終われぬ本だ。布施由紀子訳。

◇Timothy Snyder=1969年生まれ。歴史学者、米イェール大教授。
専門は近代ナショナリズム史、中東欧史、ホロコースト史。著書に『赤い大公』など。

まつぎ・たけひこ 1961年生まれ。考古学者、国立歴史民俗博物館教授。著書に『
未盗掘古墳と天皇陵古墳』など。

筑摩書房 上=2800円、下=3000円

『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』
訳者あとがき by 布施 由紀子
筑摩書房筑摩書房2015年10月25日

20世紀の半ば、人類史上最大の集団暴力が、ポーランドからウクライナ、ベラルーシ、
バルト三国、ロシア西部にまたがる広大な地域を襲った。スターリンとヒトラーが同時
に政権の座についていた1933年から45年までの12年間、この地で独ソ両国の大量殺人政
策が重複して進められたのだ。スターリンもヒトラーも、自分の思い描く国造りのため
、邪魔者を排除しようとした。ふたつの大国の狭間で、全体主義国家の思惑がぶつかり
合い、多くの尊い命が奪われた。

東欧史を専門とするイェール大学のティモシー・スナイダー教授はその事実に着目し、
この地域を”流血地帯(Bloodlands)”と名付けて調査に乗り出した。数年をかけて東欧
諸国の公文書館をまわり、膨大な資料をあたって、国境で分断されてきた”地域”として
の歴史を掘り起こしたのだ。そして、独ソの政策によってこの地で殺害された民間人、
戦争捕虜の総数が(少なく見積もっても)1400万人にのぼることを突きとめた。

1930年代の主たる殺戮場はソヴィエト西部だった。ウクライナではスターリンが引き起
こした人為的な飢饉で約330万人が命を落とし、その後の大テロル(階級テロルと民族
テロル)でも30万人が銃殺された。1939年以降は独ソが共同でポーランドを侵略し、ポ
ーランド国民20万人を殺害した。1941年にはヒトラーがスターリンを裏切ってソ連を侵
攻、ソヴィエト人戦争捕虜やレニングラード市民など420万人を故意に餓死させた。さ
らに、1945年までに、占領下のソ連、ポーランド、バルト諸国でユダヤ人およそ540万
人を銃殺またはガス殺し、ベラルーシやワルシャワのパルチザン戦争では報復行動など
で民間人70万人を殺害した。

それで締めておよそ1400万人。ここには戦闘による死亡者はいっさいふくまれない。そ
れでも、第二次世界大戦中の独ソの戦死者数の合計を200万人も上まわるという。しか
もこの一帯では戦後も、ドイツ人への報復や民族浄化の嵐が吹き荒れて、多大な犠牲が
生まれたのだった。

著者はそうした殺戮劇のひとつひとつを丹念に記述していく。信じがたい数値を示しつ
つ、犠牲者の遺書や手紙や日記、加害者側の記録や手記も引用し、被害者が生きた証を
伝える配慮もしている。そこには著者の静かな怒りも感じられるようだ。しかしどの物
語にも救いはない。あるのは、想像を絶する苦しみと恐怖のみだ。アウシュヴィッツの
強制収容所では100万人のユダヤ人が殺されたが、著者はそれでさえ、ホロコーストの
一部でしかないと言う。モロトフ=リッベントロップ線以東の地域では、はるかにすさ
まじい残虐行為が繰り広げられていた。しかしその事実の多くは大戦終結後におろされ
た鉄のカーテンによって封印された。ユダヤ人以外の人々も差別を受け、生命軽視の対
象となった。だが時と場合が異なれば、彼らもまた復讐の鬼と化し、殺戮に手を染めた
のだ。

率直に言って、読むのはつらい。人はこうも残忍に、利己的になりうるのか。こんな理
不尽な生があってよいものか。あとからあとから繰り出される犠牲者数の膨大さは息苦
しいほどだが、徐々に見慣れてくる自分が空恐ろしくなってきたりもする。しかし加害
の歴史を持つ国に生まれた者としては、読み進めずにはいられない。真実を追い求める
著者の強い信念がそうさせるのだろう。この記録との向き合い方を語る最終章の『結論
──人間性(ヒユーマニテイ)』は圧巻だ。

本書がアメリカで刊行されたのは、2010年秋のことだった。新たな観点からヨーロッパ
史を語った試みとして注目を集め、その後五年のあいだに30カ国以上で翻訳出版された
。ニューヨークタイムズ紙、ワシントンポスト紙、デイリーテレグラフ紙などがこぞっ
て書評欄で取り上げたほか、数多くの紙誌が年間ブック・オヴ・ザ・イヤーの一冊に本
書を選出した。なかでもエコノミスト誌は、「歴史に詳しいと自負する読者も、彼の洞
察、対比には何度もはっとさせられるだろう」と太鼓判を押し、「みごとなまでに説明
と記録に徹し、公正に、しかも思いやりをもって誰に何が起きたのかを伝えている」と
評価した。本書はまた、すぐれたノンフィクション作品に贈られるラルフ・ワルド・エ
マーソン賞、ヨーロッパの和解に貢献した書籍に授与されるヨーロッパ理解ライプツィ
ヒ図書賞、ハンナ・アーレント政治思想賞など、権威ある12の賞を受賞した。

ティモシー・スナイダー教授

ティモシー・スナイダー教授は1969年生まれ。イギリスのオックスフォード大学で博士
号を取得し、およそ10年のあいだ、パリ、ウィーン、ワルシャワなどで研究活動に従事
した。イェール大学では2001年から教鞭をとっている。語学に堪能で、ヨーロッパの言
語のうち、5カ国語を話し、10カ国語を読むことができるそうだ。本書をふくめて6冊の
著書があり、そのうち最新作のBlack Earth: The Holocaust as History and Warning
(Tim Duggan Books)は、2015年9月に刊行の予定だという。本業のほか、エッセーや
評論の執筆に、講演にと忙しい日々を送っているようだが、ここ一年ほどは、ウクライ
ナ問題について発言を求められる機会が多いらしい。

ロシアのプーチン大統領は、2008年に「ウクライナは国ではない。領土の大半はロシア
に属する」と述べて当時の米国大統領、ジョージ・W・ブッシュを驚かせたと伝えられ
る。スナイダー教授は今年の6月、自由欧州放送(Radio Free Europe/Radio Liberty)
のインタビューに応じ、ロシア政権のこうした姿勢について次のように語った。「わた
しはロシアがみずから選んで孤立していることを憂慮しています。自分たちはつねに─
─1000年にもわたり──世界中の敵対行動の標的になってきた、というような歴史認識
を持っていたら、他国と協力関係を築くのはむずかしいでしょう。ロシアではこんな戦
争プロパガンダを耳にします。誰もがロシアを標的にして陰謀をたくらんでいる、ウク
ライナはそうした世界規模の陰謀の手先なのだ、というのです。ロシアは逃げ場がなく
なるような状況を自分で作り出している。長期的に見れば、ウクライナよりもロシアの
ほうが心配です」

2014年3月のロシアによるクリミア併合以来、ウクライナ東部では親ロシア派武装勢力
と政府軍との戦闘が続き、子供をふくむ多くの民間人が犠牲になっている。ポーランド
もバルト三国も警戒を強めていると聞く。これだけの歴史を背負った人々の胸中には、
わたしたち日本人にはうかがい知れない危機感と覚悟があるのだろう。穏やかな日々の
訪れを願わずにはいられない。

2015年8月 布施 由紀子

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace