自民党の1強支配をどう打破していくか。衆院議員の任期4年の折り返し点が見えてきたところで、「多弱」と呼ばれる野党に動きが出てきた。

民主党が役員を入れ替え、日本維新の会の分裂を受けた新党ができる一方、みんなの党ではまたぞろ内紛の兆しである。

民主党は政権時代に中枢を担った岡田克也氏らを執行部に入れ、挙党態勢の形を整えた。だが党内のまとまりのなさを克服し、有権者の信頼を回復できるかどうかはこれからの話だ。

新しい「維新の党」は野党再編を掲げるが、結党に向けた幹部の話し合いの過程を見ると、再編以前に党としてまとまれるのか危うさが残る。

自民、公明の与党体制はなおしばらく揺るぎそうにない。

安定した政治は結構だが、それだけでは政治は進まない。

民主党の枝野幸男氏は幹事長就任にあたり「いまの日本は異論を大きな圧力で排除し、国全体を一つの色で染めてしまおうという大きな流れが進んでいる」と指摘した。うなずける問題意識だ。

野党に改めて求めたいのは拙速な再編に走るのではなく、各党がまず「野党の本分」に徹することだ。つまり安倍政権に代わりうる有権者の選択肢としての力を地道に蓄えることだ。

少子高齢化に伴う社会保障の費用増加や経済の低成長を考えると、国民生活にかかわる分野で取り得る政策的な道筋は限られている。そこで明確な対立軸を打ち出すのは難しい。消費税率の引き上げが自民、公明、民主の3党合意で実施されたことでもそれは明らかだ。

一方、集団的自衛権の行使容認や原発再稼働について民主党内には、安倍政権に近い考えの議員も多い。それが党内の足並みの乱れの最大の要因なのだが、これから党内議論を尽くし克服していくしかない。

そんな状況でも、安倍政権との違いを明確に打ち出せるところはあるはずだ。意思決定までのプロセスの踏み方であり、社会のどんな層を代表するのかという政治的立ち位置である。

集団的自衛権の行使容認のように、与党協議だけで性急に閣議決定に持ち込む手法。政治献金を通じてますます深めようとしている経済界との結びつき。こうした現政権のありように疑問や不満を抱く国民は多い。

1強のおこぼれにあずかりたいという勢力は別にして、まずは野党に徹するとの覚悟を持った各党で、国会での共闘と選挙協力の道を探るべきだ。再編はその先の話である。