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私たち抜きに、私たちのことを決めないで by limitlesslife
January 31, 2017, 10:42 pm
Filed under: 健康・医療・保険

128 私たち抜きに、私たちのことを決めないで

日経メディカル 2017年1月31日 色平哲郎

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201701/549949.html

障がい者福祉や医療の分野で「当事者主権」が注目されている。障がい者や患者自身
が、ケアの選択にかかわる自らの権利を大事にすること、といえようか。障がい者の自
立に向けた活動から生まれた「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」というスロ
ーガンも、浸透し始めているように見える。

一般には2003年に発刊された『当事者主権』(中西正司・上野千鶴子著、岩波新書)
で、この言葉が知られるようになったが、それ以前から「現場」では、当事者の視点に
立って、様々な実践が行われてきた。

その1つが、北海道浦河町の「べてるの家」だ。

http://bethel-net.jp/?page_id=9

1984年にソーシャルワーカーの向谷地生良氏らが中心となって設立した、統合失調症な
どの当事者の活動拠点である。2002年に「社会福祉法人浦河べてるの家」となり、小規
模授産施設や共同住居、グループホームを運営している。
東京にも拠点があり、池袋にほど近い場所で「べてぶくろ」として運営している。

http://www.bethelbukuro.jp/?page_id=2

べてるの家の「当事者研究」は出色だ。統合失調症などの当事者が、自らの幻聴や幻
覚、妄想などについて語り、自分の助け方(自助)に焦点を当てる。当事者の主観的な
視点から苦難や苦労の成り立ちを理解して、当事者のニーズに迫っていく。

私は、十数年前にべてるの家を訪ね、その実践力に驚いた。そして、次のような「べ
てる語録」になるほど、とうなった。

・昇る人生から降りる人生へ
・三度の飯よりミーティング
・弱さの情報公開
・弱さを絆に
・公私混同大歓迎
・安心してサボれる職場づくり
・利益のないところを大切に
・友だちの出来る病気、分裂病
・勝手に治すな自分の病気
・幻聴鑑定団「いい病気してますねぇ」
・冷たい風がふいてきたら暖かくして返そう……

病院の内科医療でも当事者視点に立つことは大切だろう。患者のデータだけをみて、
その人の人生観や死生観、価値観を軽視して治療法や対処法を決めようとすると軋轢が
生じる。ニーズをつかむのは容易ではない。「上から目線」から「横から目線」への転
換が必要だ。

ただし、医療者同士でないと語りにくい、そんな場面もあろうか。癌の予後評価など
は、その典型だろう。当事者が、そこにいたらとても話せるものではない。当事者主権
を医療分野にどう取り入れていくのか。まだまだ考えなければならないことばかりだ。

冒頭の「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」は、横文字の表現ではNothing
About Us Without Usとなっていて、Nihil de nobis, sine nobisという中世ラテン語
に由来するのだそうだ。

https://en.wikipedia.org/wiki/Nothing_About_Us_Without_Us

「当事者主権」なる概念は、意外に古くから存在してきたのかもしれないと感じ入っ
た。

====

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

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【予約優先】2/2(木)ドキュメンタリー映画『薬は誰のものか―エイズ治療薬と大企業の特許権』(日本語版DVD)完成記念上映会&トーク@渋谷ユーロライブ(ユーロスペース内) by limitlesslife
January 5, 2017, 12:45 am
Filed under: 健康・医療・保険
紅林進です。
アジア太平洋資料センター(PARC)でクラウドファンディングを用いて日本語版DVDの製作をしていました
ドキュメンタリー映画『薬は誰のものか―エイズ治療薬と大企業の特許権』の日本語版DVD完成記念上映会
&トークが2月2日(木)に、東京・渋谷のユーロライブ(映画館ユーロスペース内)で開催されます。
定員150名で、予約優先とのことです。以下ご案内を転載させていただきます。
(以下、転載・拡散歓迎)
 ドキュメンタリー映画『薬は誰のものか―エイズ治療薬と大企業の特許権』(日本語版DVD)完成記念上映会&トーク
http://www.parc- jp.org/freeschool/event/170202.html

 ドキュメンタリー映画『fire in the blood』は、2013年にインドで製作された作品です。監督のディラン・モハン・グレイ氏はこれ までも数々の社会派ドキュメンタリーを製作してきました。
映画は、アフリカ諸国やインドなどでHIV/エイズに苦しむ人々の姿と、患者にとって医薬品がいかに大切で、生きる希望を与えるもの かを伝えます。そして大企業の持つ医薬品の「特許権」が、こうした人々が医薬品を手にすることを阻んでいる現実―。そこには欧米諸 国の政府と企業が一体となって進めてきた自由貿易推進がありました。
南アフリカのエイズ治療に取り組む活動家、米国でエイズ治療薬の本当のコストを調べるNGO、採算度外視で安価なジェネリック薬製 造に踏み切ったインドの製薬会社、世界各地で人道的支援に携わる医療関係者など、実に多彩な人々が映画には登場します。ノーベル経 済学者のジョゼフ・スティグリッツ氏も映画の中で「医薬品アクセスを阻む貿易協定は貧困者への死刑宣告だ」と語ります。
WTOやTPP、TiSA、RCEPなどの貿易協定の中で、医薬品の特許権はどんどん強化されようとしていることに、国際市民社会は懸念の声を あげています。
薬は誰のものか――。
貧富の格差が、医薬品アクセスや治療の格差につながることを、私たちはただ見過ごしてもよいのでしょうか?
大企業の薬の特許のあり方や現在の貿易や経済のあり方は、本当に私たちを幸せにするのでしょうか?
映画は多くのことを私たちに問いかけています。

このたび日本語版DVDの完成を記念して、記念上映会とトークイベントを開催します。ぜひご参加ください。

**********************************************
■日 時:2017年2月2日(木)19:30~21:30(開場19:00)
■参加費:1500円 ※予約優先(定員150名)
■会 場:渋谷ユーロライブ(ユーロスペース内)
※会場地図はhttp://eurolive.jp/access/
■【プログラム】
19:00 主催者挨拶
19:05 映画『薬は誰のものか―エイズ治療薬と大企業の特許権』上映(84分)
20:40 スペシャルトーク ゲストを交え映画の解説や医薬品の特許問題を語ります。
21:30 終了

★映画の内容は、PARCのクラウドファンディングのページをご覧ください★
https://motion- gallery.net/projects/parc2016

原題: fire in the blood
監督: DYLAN MOHAN GRAY
製作年: 2013年、インド、84分
公式サイト: http://fireintheblood.com
日本語版製作:アジア太平洋資料センター(PARC)

本作品は、2013年にリリースされた直後から大きな反響を得ています。日本でも知られるサンダンス映画祭(米国で開催される映画芸 術科学アカデミー公認の映画祭)の2013年公式作品として招かれると、一気に世界中に広がりました。これまで、インドはもちろん、米 国では数十か所で上映、イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、タイ、ニュージーランド、ペルーなど多くの国で大規模な上映会 が開催されています。
この1-2年は、特に米国において高まるTPPやTTIP反対運動の現場にて数多く上映されています。自由貿易協定によって医薬品の特 許が強化されることは、まさにこの映画に登場する途上国の人々に直接・間接に打撃を与えることにつながります。そのことに多くの市 民はNO!と言っているのです。特に国際的に活動するNGOである「国境なき医師団」(映画にも登場)は、医薬品アクセスと貿易問題につ いて積極的に問題提起をしています。

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◆主催・問合せ先◆
NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)
東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
TEL.03-5209-3455 FAX.03-5209-3453
E-mail : office@parc-jp.org
URL: http://www.parc-jp.org/
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高野病院を助けてください!!!(全国の医師の皆様へ) by limitlesslife
January 2, 2017, 10:52 pm
Filed under: 健康・医療・保険
高野病院を助けてください!!!

http://ameblo.jp/1130gokusen/entry-12234234006.html

高野病院を助けてください!!!
2017-01-02 12:09:32NEW !
テーマ:お知らせ・ニュース
信じられないことが起こりました。
福島第一原発から22キロに位置し、震災後も休業も移転もせずに、孤軍奮闘してきた
高野病院の高野英男院長が火災にあい、お亡くなりになったと連絡が入ったのが年末。
さあ、新しい年を迎えようと意気込んでいた大晦日、日付が変わった深夜です。

高野院長は、南相馬市原町区出身の医師です。
眼科医の家庭に生まれ、数学家を目指して勉強していらっしゃいましたが、
人間が好きとのことから、哲学的に精神を診る医師になられたという、
頭脳明晰な温厚柔和で、人徳のある先生でした。
震災後も、入院患者さんのために、少しの休憩もなく、病院を開け続けていらっしゃい
ました。
お疲れはピークをとうに過ぎていたと思います。
その混乱ぶりは、東京新聞福島特別支局の井上能行氏が、克明に「福島原発22キロ高
野病院奮戦記」に記されています。

常勤医が高野院長しかお出ででなかった高野病院。
本当に混乱しています。

お嬢さんの高野理事長は、広野町などの関係者に
「住民を守って下さい。従業員を守って下さい。私はどうなってもいいです。
病院を、そのまま寄附します」と困窮を伝えたそうです。

その訴えに対して、 福島県の職員は
「正月休みがあけ、関係者がでてきたら、検討しましょう」
と回答したそうですが、これは福島県民として事実であって欲しくない話です。

「人ひとり亡くなって、入院患者がいるのに、県の対応はお粗末過ぎます。
命をなんだと思ってるんでしょう、、、
対応した職員の名前を公表したら良いと思います。」

「人様の命に、盆暮れ正月などありません。
今しなければならない救命の話は、あの大震災を体験した福島県民なら、誰もが経験し
たことで、
福島県は他の県の見本とならなければなりません。」

高野病院は広野町にある個人病院ですが、南相馬市原町区出身の高野院長を思い、南相
馬でも世論が静かな怒りと化しています。

高野院長が浜通りにある他の病院に遠慮して、医療過疎の広野町に1980年(昭和5
5年)に開業されたことも、高野院長らしい選択と胸を打つものがあります。
ただでさえ医療の困窮している広野町に、多大な貢献をしてきた高野病院。
福島県、福島県立医大に、心からの救援要請を一県民としてお願いします。

広野町から南相馬市に応援要請があり、
先日ベテランママの会より感謝状を贈呈させていただきました南相馬市立総合病院の金
澤幸夫院長が快諾してくださり、
31日の大晦日には院長自ら宿直を引き受けてくださったとか。医師としての鑑である
と思います。

金澤院長のご決断に触発されたのか、南相馬市立総合病院の若手医師たちも、立ち上が
りました。

以下、南相馬市立総合病院医師尾崎章彦先生より
―――――――――――――――――――
高野病院の窮状は各種メディアで報道されている通りです。
私自身は直接高野医師と面識はありませんでしたが,震災後も懸命に双葉郡の医療を支
えて来られたことは存じ上げていました。また,本日ご縁があって,高野医師の最期に
立ち会う機会にも恵まれました。それだけに,微力ながら高野病院の入院患者様や双葉
郡の住民の方々の健康を守る手助けをできればと考えています。
今回,この急場を防ぐために,高野病院と南相馬市立総合病院の有志が中心となり,高
野病院を支援する会を立ち上げました。(http://digital.asahi.com/articles/ASJD05G
0KJD0UGTB009.html)
みなさま,年末のお忙しい時期で恐縮ですが,以下文章の拡散をお願い出来ないでしょ
うか?
———————-
全国の医師の皆様へ
初めまして。
私、高野病院を支援する会代表の尾崎章彦と申します。
この度、福島県双葉郡広野町高野病院院長である高野英男先生が、12月30日深夜に亡く
なられました。
高野病院は、福島第一原発事故の避難区域である双葉郡で唯一診療を続けておられた病
院です。
唯一の常勤医であった高野院長が亡くなられた今、高野病院に常勤医はおりません。
このままでは、入院患者さんはもちろんですが、外来に来られていた患者さんや周辺の
住民の皆様の命が危ぶまれることになりかねません。
そこで、ボランティア医師として外来や当直業務をご協力いただけないでしょうか?
もちろん、常勤医として勤務して下さる先生方も募集させていただきます。
ご協力いただける方は、以下のアドレスにご連絡いただけますと幸いです。
takanohospital.volunteer.dr@gmail.com
どうか皆様のお力をお借りいただきたく存じます。
何卒宜しくお願い申し上げます。

2016年12月31日
高野病院を支援する会代表  尾崎章彦
—————————————————-
https://external.xx.fbcdn.net/safe_image.php

火災の高野病院、南相馬市立総合病院の医師らサポートへ:朝日新聞デジタル
福島県広野町の高野病院敷地内で起きた火災を受けて31日、双葉郡医師会や町、県の
幹部らが今後の対応を協議した。(朝日新聞DIGITALより転載)
asahi.com
————————————————–
応援をよろしくお願いします。
1/21にはNHKで『原発に一番近い病院』の再放送が決定していました。生前の高野院
長のお姿が、涙で霞みそうです。
http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2017-01-21/31/66099/2259551/

これが被災地の医療の実態です。皆様、御支援下さい。
そして、福島県、福島県立医科大に、心からの救援要請を一県民としてお願いします。
命は待ったなしです。

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



いまも昔も、患者が医療に求めるのは「安全・安心・納得」です by limitlesslife
December 15, 2016, 3:03 pm
Filed under: 健康・医療・保険
”プラス1”の笑顔と言葉を

いまも昔も、患者が医療に求めるのは「安全・安心・納得」です。
まずは医療事故に遭いたくない。
つぎに、完璧を求めつつも賢く妥協し、賢く諦めるというプロセスを経たうえで、
医療者の支援を得て安心し、納得して賢い選択をしたいのです。

「聴す」は「ゆるす」と読み、しっかり聴く、正しく聴くの意味。
「念い」は「おもい」と読み、心に刻んで、常におもいつづけること。

患者の願望である「安全・安心・納得」を看護の力で支えていただくためには、
目の前の患者のあるがままの心に二つの耳と心の耳を傾けてください。
そしてプロとしての初心を忘れず、
患者一人ひとりの生きる力を支えていただきたいのです。

患者と向き合うときには、「笑顔・まなざし・ことば」という
三つのセルフチェックポイントを大切に、常に自覚的でいてください。

患者の気持ちは、納得いかない結果やマイナスの出来事が一つでも起きれば、
100?1=ゼロ になってしまいます。

しかし、思いがけない笑顔や優しいひとことといった「プラス1」が
人の心を 100+1=150にも200にも膨らませる可能性を持っています。

「こんな人に出会えてよかった」と思える看護を目指して、
患者の自立を支援してください。

辻本好子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

「現代のエスプリ」 2010年1月号 「看護という営み」95ページ

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61 追悼 辻本好子さん
日経メディカル 2011年6月30日 色平哲郎

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201106/520488.html

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)の
理事長・辻本好子さんが、先日、胃癌で亡くなった。
享年62。もっと、もっと、生きて、活躍してほしかった。

辻本さんは、「賢い患者になりましょう」を合言葉に、
医療を消費者視点でとらえる活動を始めたパイオニアだ。
子育て中に市民グループのボランティアとして患者の悩み相談を
受けたのをきっかけに、1990年にコムルを創設した。

不安を抱える患者や家族を支えるために常設の電話相談を始め、
医師たちとどう接したらいいかを一緒に考えた。
「患者は医療の消費者。お任せにせず、自分で判断しよう」と呼びかけ、
医療の在り方や治療法を学ぶ「患者塾」、
患者の目で医療機関を評価する「病院探検隊」などの活動を展開した。

私にとっては、大阪の頼もしいアネゴだった。
ある飲み屋さんの壁に、彼女と私のツーショット写真が掛けてある。
なぜ、そうなったのか・・・酔っぱらっていてよく覚えていないのだが、
十数年前に亡くなられた阪大名誉教授の中川米造先生の話をした記憶がある。
阪大、滋賀医大を拠点に中川教授は、
医療と社会、教育、哲学など幅広い領域で発信された。

このとき、彼女から聞いたエピソードがある。
中川教授は亡くなる直前に、「医療はほどほどのものと思え」
「患者こそ医療の主人公」という言葉を
改めて彼女に伝え直したのだという。
中川教授は、彼女に後を託したのだろう。

実は、盃を重ねていたとき既に、彼女は病魔に侵されていた。
「癌治療の後、私、回復にとっても時間がかかったのよ。
だからこそ、患者の立場から先生のご遺志をしっかり受け止めて、
周囲に伝える努力をしたい」と彼女は言い切った。
その声は、酩酊していた私の耳の奥にもしっかり残った。

ここでいくつか、辻本語録を引いてみたい。

「患者が医療の主人公になるために、できることは自分たちで努力し、
どうしてもできないことだけ専門家の助けを借りよう」

「果たすべき患者の責務もあるはずだ」

「国民皆保険の恩恵に浴し続けて50年、
私たち患者は受け身のままに甘えきってきた」

「患者と医療者がそれぞれの立場と役割の違いを認め合い、
尊重しあって、協働する」

「何より医療が不確実性と限界性を伴っている現実を
もう少し患者が理解し、期待と依存の呪縛から立ち上がること。
その上で一人ひとりがそれぞれに“どういう医療を受けたいか?”を
意識して、言語化すること。
さらには医療者と協力関係を築く一方の担い手となるべく、
コミュニケーション能力を身につけるための努力をする。
こうした自らの医療ニーズを見つめ直すことと、果たすべき責務を
考えることから、患者の自立の第一歩がスタートすると思います」

彼女は「医者にかかる10カ条」を次のように掲げていた。

1.  伝えたいことはメモして準備
2.  対話の始まりはあいさつから
3.  よりよい関係づくりはあなたにも責任が
4.  自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5.  これからの見通しを聞きましょう
6.  その後の変化も伝える努力を
7.  大事なことはメモをとって確認
8.  納得できないときは何度でも質問を
9.  医療にも不確実なことや限界はある
10. 治療方針を決めるのはあなたです

彼女の言葉をこうして再録することは、
私にもバトンが渡されたということなのだろうか。

辻本姉、安らかにお眠りください。

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米政府、日本の薬価引き下げ計画の見直し要求 by limitlesslife
December 9, 2016, 2:39 am
Filed under: 健康・医療・保険
米政府、日本の薬価引き下げ計画の見直し要求

【東京】米国政府は、日本政府が薬価引き下げの頻度を増やすよう計画していることに
ついて、見直しを求める書簡を菅義偉官房長官に送った。

ウォールストリートジャーナル By ELEANOR WARNOCK and MEGUMI FUJIKAWA  2016 年
12 月 6 日 16:44 JST 更新 原文 英語

米国のプリツカー商務長官は12月2日付の書簡で、日本の薬価引き下げ計画にいかに
「失望している」かを説明。「医療関連製品のインセンティブ構造だけでなく、市場の
予測可能性と透明性に対する深刻な懸念を引き起こす」と伝えた。

東京の米国大使館と首相官邸はこの書簡に関するコメントを避けた。米商務省からも
コメントは得られなかった。書簡が菅官房長官に公式に送付されたものかどうかは不明
だ。

全米商工会議所は、同様の内容の書簡を安倍晋三首相にも送ったことを明らかにした

米国研究製薬工業協会の広報担当者、マーク・グレイソン氏は「プリツカー商務長官
とトム・ドナヒュー全米商工会議所会頭の書簡は、日本の患者にとって良好なイノベー
ション環境がいかに重要かを強調するものだ」と述べた。

日本の医薬品市場は米国に次ぐ世界2位の座を中国と争っている。日本の医薬品支出
額は今年3月31日までの1年間に7兆9000億円に達した。

日本では政府が薬価を設定しているため、メルクやファイザーなどの米製薬会社にと
って日本の政策は重要な関心事となっている。

安倍政権は先ごろ、増大する薬剤費を抑制する措置を講じた。まず、来年2月1日から
がん免疫療法薬「オプジーボ」の価格を50%引き下げることを決めた。これにより、オ
プジーボを使用している平均的な患者の年間費用は30万ドルから約15万ドルに減少する

また、安倍首相は11月25日の経済財政諮問会議で、薬価改定の頻度を2年に1回から年
に1回に増やすことを検討するよう指示した。実現すれば、政府はこれまでより速いペ
ースで高額医薬品の価格を引き下げることが可能になる。

薬価制度の改革を求める人々は、日本がオプジーボに支払っている費用は世界で最も
高いとし、医療費を抑制するため柔軟な対応が必要だと訴えている。

プリツカー商務長官は書簡でオプジーボの名前を挙げなかったが、「医薬品の保険償
還価格を引き下げるためのその場しのぎの制度変更」に落胆していると伝えた。

日本政府の対応は、オプジーボの高額な価格に関する国内メディアの報道を受けたも
ので、米国でも高額な薬価に対する反発が起きている。

米国ではブリストル・マイヤーズ・スクイブがオプジーボを販売。日本では、初期段
階から同製品の開発に携わった小野薬品工業が販売している。小野薬品によると、今年
4~9月のオプジーボの売上高は533億円だった。

小野薬品の広報担当者は、政府によるオプジーボの値下げ決定を受け入れたとしたう
えで、「国民皆保険を維持することの重要性も認識している」と語った。

http://jp.wsj.com/articles/SB12576561340667814139804582480002770121174

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介護人材、アジアで過熱 技能実習生の職種拡大へ 松川希実 by limitlesslife
介護人材、アジアで過熱 技能実習生の職種拡大へ 松川希実
朝日新聞 2016年12月5日

介護現場で働く外国人が、早ければ来年度から大幅に増えそうだ。技能実習制度とし
て受け入れる道が広がったためで、アジアの国々では人材の争奪戦が過熱。人材不足に
あえぐ日本の施設も狙いを定めるが、技能や知識を途上国に移すという制度の目的とか
け離れた動きになっている。

■渡航前に実習、日本語訓練

11月半ば、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの一室に日本語が響いた。

「じゃあ言うよ。実は、まんじゅうが怖いんだ」

20代前半の男女5人が、古典落語「まんじゅうこわい」を音読していた。オチまで
読んでニヤリ。「これは笑い話ですね」と日本語で言い合った。5人は日本の介護現場
で働くことをめざし、1年間にわたり訓練を受けている。

この教室は、日系のジェイサットコンサルティング(JSAT)が昨年7月に医療団
体と協力して開設。介護に特化した人材育成プログラムだ。まず適性を見るため、1カ
月の座学を経て老人ホームで1カ月間の実習をする。掃除やオムツ洗いをやり切った人
だけが日本語訓練に進む。「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる」と
いう日本語能力試験3級以上のレベルが目標だ。

西垣充(みつる)社長(46)は「介護をやりたい人材でなければ、日本での仕事に
疲れて逃げてしまう。きちんと育てれば良い人材が育つ例を示したい」と意気込む。

適性試験に合格し、6月から日本語教室に通うウィー・イー・トゥーさん(24)は
日本の介護現場で働いてお金を稼ぎ、育ててくれた祖母に恩返しをしたいと希望。「仏
教のクドー(功徳)にもなるし、いつか故郷に老人ホームを建てたい」と夢を膨らませ
る。

日本の介護現場は人材不足が深刻で、2025年には約38万人が足りなくなるとさ
れる。東京都のある特別養護老人ホームは求人活動で人を集められず、今年度は20人
確保するため人材派遣会社に1200万円を払った。別の介護施設の担当者は「技能実
習生なら5年は働く。1人100万~200万円の手数料を払ってもいい」と漏らす。

日本へ技能実習生を最も多く送り出してきた中国は近年の経済成長で希望者が減少。
ミャンマーは人口5千万人超で平均年齢が27・1歳と若く、人材の送り出し国として
注目が集まる。

ヤンゴンには「CHIBA(千葉)」や「TSU(津)」など日本各地に溶接工などと
して送り出した人数を掲げる事務所が点在。「介護人材募集」と貼り出す老舗の担当者
は「日本の介護人材は足りないから集められるだけ送れる」とし、人集めの秘策を明か
した。

日本の施設が求める人材の日本語能力に応じて、「基本的な日本語を理解できる(4
級)人材は20万円」「3級なら30万円」と、あっせん費用を引き上げる。上乗せ分
を奨学金として実習希望者に渡せば、他社より集められるという戦略だ。当面は月70
人の送り出しを目標にする。

ミャンマーの認定送り出し機関は約200。この2年ほど、日本の介護施設からの問
い合わせが相次ぐ。

大手送り出し機関には昨夏、「山口県の老人ホーム用に50人以上育てられるか」と
照会があった。急きょフェイスブックに「日本語ゼロから教えます。介護に興味がある
人募集」と書き込むと、昨年9月だけで約40人が集まった。寮に住まわせて日本語を
教えたが、日本で法整備が進まず、半数以上はしびれを切らして別の職種で日本に渡っ
たという。それでも担当者は「時間も金もかかるけど、介護人材を送り出せば元が取れ
る」と期待する。

■「出稼ぎ」目的 意義空回り

介護人材の受け入れでは経済連携協定(EPA)の枠組みが先行する。ただ、政府間
の取り決めで資格要件もあるEPAと異なり、技能実習生の人材に明確な基準はない。
途上国に人材を還元するという制度の目的も空回りしそうだ。

ミャンマーのある老人施設の理事は「技能実習の経験者を雇いたいとは思わない。『
お客様』として扱う日本と『家族』として支える私たちの介護方針は違う」。ヤンゴン
の送り出し機関は「日本へは出稼ぎ目的だ」と言い切る。

経済が発展すれば技能実習のうまみは薄れる。ヤンゴンの送り出し機関組合の幹部は
「今の給与水準で介護人材を送れるのは、あと5年ぐらい」と指摘する。

今年に入って中国を抜き、新規の技能実習生を最も多く送り出したベトナム。青森県
むつ市の社会福祉法人「青森社会福祉振興団」は中部フエにある医科薬科大学と連携し
、昨年10月に10カ月間の「介護人材養成コース」を創設した。介護技術指導員を常
駐させ、現地で介護技術も日本語もほぼ身につけた「即戦力」を養成する狙いだ。

「目線を合わせて着たい服を尋ねています。お年寄りだって、自分で選んだものを着
たいですよね」

11月中旬の授業。ビデオで日本人介護職員によるケアの様子を見せながら、指導員
の小関博之さん(42)が尊厳を大切にする介護の心を伝えた。生徒のグエン・ディ・
タイさん(22)は職員が利用者の入れ歯を取って洗う場面に顔をゆがめた。「これも
介護の仕事だと思わなかった」と驚き、「でも目線を合わせるのは良い。介護をすると
優しい人になれそう」と語った。

青森社会福祉振興団の中山辰巳専務理事(64)は、ベトナムに戻った介護人材が活
躍する場をつくる必要性を感じている。「外国人の介護人材をきちんと育てるルールを
定め、人材の好循環を作らなければいけない。ただ安くこき使おうとする国に、人材は
いずれ来なくなる」(松川希実)

《外国人技能実習制度》 途上国への技能や知識の移転を目的に1993年にできた
。現在は機械、繊維、建設関係など74職種で約21万人を受け入れている。安価な臨
時労働者として扱われるため国際社会から「強制労働」との非難が高まり、今国会で制
度の適正化を進め、併せて介護を職種に加える関連法が成立。来年11月までに施行さ
れる。

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『狂狷の人』も医師にしておかないと皆保険は成り立たない by limitlesslife
October 5, 2016, 2:21 am
Filed under: 健康・医療・保険

『狂狷の人』も医師にしておかないと皆保険は成り立たない

人ひと 色平哲郎 IROHIRA Tetsuro

JA長野厚生連・佐久総合病院医師  日本医事新報 2011年1月15日

1960年横浜市生まれ。東大中退後、京大医学部入学、90年卒。
98年南相木村国保直営診療所長、2008年より佐久総合病院地域ケア科医長。
NPO「佐久地域国際連帯市民の会(アイザック)」事務局長。京大非常勤講師。

写真キャプション:
講義のため訪れた韓国・延世大学のキャンパスで家族と(2010年3月)

世界各国への国民皆保険導入を目指すWHOから、バンコクで1月下旬に
開く会議で講演してほしいと依頼があった。

「50年前に日本が皆保険を実現したことについて世界が注目していると
言うんだよね」。
しかしなぜ信州の一医師にすぎない自分に依頼が、、、と不思議に思いつつも
色平さんはWHOの苦悩を理解する。
「皆保険を実現する上で大変なのは農村を巻き込むこと。
農民にいかに理解してもらい西洋医を送るかが最大の課題なんです」

日本が皆保険を達成できた背景には、戦前「産業組合」と呼ばれた
協同組合の存在があった。
協同組合が頑張ってお金を集め医師を雇ったからこそ、農村でも
「保険あって医療なし」にならずに済んだ。
皆保険実現のためには、農村や島に行き、医療技術を「商品化」せず
「協同化」する医師がいなければならない。
色平さんは、農協の組織である厚生連の病院に身を置く意義と
WHOから声がかかる理由はそこにあると感じている。

「協同組合は地理的・社会的へき地で仕事をする非営利組織。
そういう組織で働くことに面白みを感じているんです。
『好きな人と好きなところで暮らし続けたい』『予防は治療に勝る』
そんな素朴な願いを持つ民衆を、医療技術で支えることが僕の願いなんです」

長野の南相木村国保直営診療所の初代所長として10年、
その後は佐久総合病院の地域ケア科医長として農村を回る日々。

東大理Ⅰを中退し1年間「失踪」、医師を目指して京大医学部に入学した後も
人類学的関心でアジアなどを放浪していた「風の人」が信州の「土の人」たち
と共に暮らすきっかけとなったのは、バングラデシュ出身のスマナ・バルア氏
(愛称バブさん)とのフィリピン・レイテ島での出会いだった。

同じ医学生なのに人間として人間のケアができるバブさんに衝撃を受け、
バブさんの勧めもあって佐久総合病院を研修先に選んだ。

佐久では行政から見放された外国籍HIV感染者らのための医療相談室を、
若月俊一院長(当時)の支持で開設。
NPO「アイザック」も立ち上げ感染者救済に乗り出し、
95年にタイ政府から表彰を受けた。

利口な人ならやらないようなことをつい心意気でやってしまう性格。
しかし、そんな「アホなやつ」も医療には必要だと語る。

「孔子は中庸の徳のある人がいいと言ったけど、ちゃんと読むと後段があって、
中庸の人、聖人はほとんどいないから、次善の策としては
『狂狷(きょうけん)の人』とつきあえと言っている。
『狂狷の人』とは無鉄砲でへそ曲がりの人。
そういうやつも医師にしておかないと、皆保険は成り立たないんです」

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