Global Ethics


資本に食われる医療 by limitlesslife
October 25, 2016, 4:42 am
Filed under: 医療
第5章 資本に食われる医療

・在宅医療はいくらかかるのか?
・高額療養費制度という下支え
・新薬が高いにもほどがある!
・アメリカの製薬会社のやり口
・ジェネリック薬でもボロ儲け
・超高額の医薬品は「がん」治療をも侵食
・現場で使わせないよう制度で締め付ける
・新薬を使う合法的な抜け道
・オバマケアの現実
・TPPによるジェネリックのゆくえ
・日本のシステムを熟知するアメリカ
・アメリカの儲けがヤバい!
・市場開放の圧力
・余波は保険へも
・机上だけのICT化
・医療費のバランスをとるために

以上中見出しより
「長生きしても報われない社会」ー在宅医療・介護の真実
山岡淳一郎 ちくま新書 2016年9月刊行

北海道新聞書評 2016年10月16日
「長生きしても報われない社会」山岡淳一郎著
評 沖藤典子(ノンフィクション作家)

厳しい現実と未来の姿提示
長生きは人類の夢であり、幸せの象徴だった。その長生きがなぜ喜べずに、報われな
いものになったのか、誰もが長生きを喜べる社会のありようを模索した。
現代社会の背景には、広がる経済格差、医療や介護への不安や不信、家族の変化など
がある。直近の未来にあるのは、団塊の世代が一斉に75歳以上になる「2025年問
題」。政府は危機感のもと、地域包括ケアシステム、地域創生や高齢者の移住などの政
策を出している。財源難を理由に介護保険のサービスを後退させ、利用者の負担増も行
った。果たしてこれらは、国民に納得のいくものなのか。
本書は5章だて。第1章の冒頭、述べられる無理心中事件や介護殺人などの人権侵害
には胸が詰まる。在宅医療には献身する医師がいる一方、家族の負担も大きい。第2章
では、多死社会の到来を目前にして終末期の看取(みと)りと場所の問題、第3章は「
超高齢社会は認知症の人との共存が試される社会」として、認知症ケアの実践を、第4
章では、話題の地域包括ケアシステムにメスをいれた。第5章では、医療費に切り込む
。日本人の命は「金の切れ目」で終わるのか。高騰する薬剤価格、社会保障費の医療費
割合、認知症の人への高度医療の拒否など、合意点はどこか、衝撃的な課題が展開する

この閉塞(へいそく)状況を切り開く光はあるのか。先駆的な活動をする医師、看護
師、医療グループ、診療所、介護関係者、ボランティアなど、多くの活動を取材してそ
の実践を分析し、詳細なデータをもとに、未来の姿を提示してくれた。そこに希望を見
出(みいだ)すが、我々(われわれ)もまた自分の命の終わりについて向き合わなくて
はならない。関係者の努力、支える政策、個人の意志、そこに長生きして良かったとい
う姿が見えてくる。
本書は厳しい現実を描きながら、どこか詩情のようなものを感じる。著者の、人間の
生に対する熱、そこから発する光に、救いを感じるからだと思う。
(ちくま新書 886円)
<略歴>
やまおか・じゅんいちろう 1959年生まれ。ノンフィクション作家。著書に「原発
と権力」「インフラの呪縛」など

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



旧年中は、大変お世話になりました。   by limitlesslife
October 23, 2016, 12:13 pm
Filed under: 医療

旧年中は、大変お世話になりました。
石巻に来て4年目となりますが、未だ被災者の半分以上に当たる1万2千人が仮設住宅
で暮らされており、この一年は復興公営住宅への移動が本格化してきたところです。
これから「被災者・地」という特別扱いがされなくなっていくときこそ、多くの課題が
あると当初より考えており、それを少しでも防ぐべく、地域包括ケア推進という形で復
興の政策に関わっています。
厚労省の在宅医療連携拠点からはじまり、現在は復興庁の「新しい東北」・内閣府の地
域活性化・地方創成の地域再生といった複数のモデル事業を「地域包括ケア」で受け、
市の看板政策となりましたが、実際は被災に伴う課題が巨大で、なかなか思うようにい
かないところが少なくない状況です。

そういった中、本年夏には、市立病院が多くの方の尽力で再建されます。
被災地の厳しい状況の中で、社会性を持ち、総合診療・地域医療を担う医療者育成の拠
点を目指すという呼びかけに、全国から特に指導能力が高い医師と若い医師が合計6人
集まり、私を含め4人の指導医と3人の家庭医後期研修医で、元々の市立病院にいらし
た医師らとともに新病院開設を迎える予定です。
まだまだ医師体制は充実させる必要がありますが、間違いなく石巻のみならず、宮城あ
るいは東北の地域医療を担う医師育成の教育拠点になると確信するとともに、そればご
支援頂いた方々への恩返しと考えております。
今後とも御指導御鞭撻をお願いいたします。

2016年元旦 石巻市立病院開成仮診療所 長 純一

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人間には何がいちばん大事なのか、、、医療ではなくケアなのだ by limitlesslife
December 2, 2015, 8:56 am
Filed under: 医療, 友愛(愛、慈悲、仁など)
ダライ・ラマが若き日に中国から追われるかたちでインドへ出られたときにお訪ねにな
ったのがマハテロ師だともお聞きしています。そのご縁としては、十世紀にインドの仏
教が衰えたころ、アティーシャというベンガルのお坊様がチベット高原に上がってチベ
ット仏教の最初の基礎を築いたわけですが、このアティーシャのお骨をチベット仏教は
とても大事にしていたので、周恩来の時代に中国からインドへお返しすべきだというこ
とになって、そのときにお出迎えになったのが、黄色い衣を身に着けたテーラヴァーダ
(上座部)仏教の最高峰として代表をお務めになったヴィシュダナンダ・マハテロ師だ
という歴史があるからです。

すでに亡くなりましたけれども、京都の町のお医者さんで松田道雄という方がおい
でになりました。その松田先生が晩年、人間には何がいちばん大事なのかということ
について、それは、医療ではなくケアなのだとおっしゃっています。松田先生は、
「親しい人の心のこもったお世話」とおっしゃっています。しかし、それは、とても
簡単なものではありません。「患者さんや障害を持った方と親しくなることがチャレ
ンジで、そして心を持ってお世話し続けるということは、さらにチャレンジだ」とい
うふうに松田先生は日本人として、医者として言葉を残されました。

http://irohira.web.fc2.com/b07Dialog.htm



成田の医学部新設事業者 国際医療福祉大 ほぼ内定 by limitlesslife
November 22, 2015, 6:53 am
Filed under: 医療
成田の医学部新設事業者 国際医療福祉大 ほぼ内定

朝日新聞 千葉県版 2015年11月21日

内閣府と文部科学省、厚生労働省は20日、成田市への医学部新設に関する
東京圏国家戦略特区会議の分科会を開き、応募のあった国際医療福祉大
(本部・栃木県大田原市)を事業者の候補に選んだ。
同日から25日までの追加募集に他に応募がなければ、正式に決定する見込み。
同大は来年3月に入学定員140人で医学部の設置認可を文科相に申請、
2017年春の開学を目指すという。

同大は医学部設置構想を同市と共同提案。
来春には、看護学部などを市内に新設し、医学部はそこに隣接する計画だ。

この日の分科会で大学側が示した事業概要は、入学定員が140人
(収容定員840人)、教員は200人以上。
教員や医師らの確保で地域医療に支障がないように、
同大の付属病院や関連病院の配置転換などで賄うとした。

また、3府省が示した「設置に必要な条件」への対応状況の確認が
有識者らにより行われ、ほぼ認められた。
「世界最高水準の国際医療拠点」との条件には、
留学生が20人で外国人教員の割合を少なくとも5%にするとした。
6年時に全学生が海外臨床実習を履修する。
その他、優秀な学生の確保に向け、
学費を私立大医学部で一番低い水準にするとした。

小泉一成成田市長は「同大との共同提案であり喜ばしい。
開学に向け同大と協力して迅速に事業を進めたい」とコメントした。
(大津正一)

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明日 6.27(土) 第22回被ばく学習会「医療被ばく」のお知らせです。 by limitlesslife
June 27, 2015, 1:17 pm
Filed under: 医療, 放射線汚染・被曝

みなさま前日のお知らせです。

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6.27 第22回被ばく学習会「医療被ばく」

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チラシダウンロード http://goo.gl/IEXqFV
御案内ページ:http://www57.atwiki.jp/20030810/pages/229.html

放射線被ばくを気にしている人が、いざ病院に行くと、
気軽にCT検査を受けて大量の放射線を浴びてしまう
・・・これってちょっとヘンじゃありませんか?

原発由来(ゆらい)の放射線でも、病院で受ける検査や治療の放射線でも、
人間の体が受ける影響は同じです。

日本は世界でもいちばんの医療被ばく天国だそうです。
「 医療被ばくはお医者さんにオマカセ!」 で、
果たして良いものなのでしょうか?

311福島原発事故以前から『医療被曝問題』に取り組んでこられた、
高木学校の崎山比早子先生(医博)と瀬川嘉之さんをお招きして、
お話を伺います。

「医療被曝のリスク」高木学校編
http://goo.gl/Oh31kK

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第22回 学習会「医療被ばく」
文京区アカデミー茗台・学習室A
6月27日(土) 開場18:00 18:15~21:15

◆崎山比早子さん(医博・高木学校)
◆瀬川嘉之さん(高木学校)

地図:http://goo.gl/pQouoL
文京区春日2-9-5 Tel 03(3817)8306
地下鉄丸の内線「茗荷谷」駅下車、改札を出て右折
「春日通り」右折歩8分、茗台中学校と同じビル、
隣りの入口、エレベーターで7階へ

資料代など:700円
申込み:anti-hibaku@ab.auone-net.jp
主催:「放射線被ばくを学習する会」
http://www57.atwiki.jp/20030810/
△△△△△△△△△△△△△△△△

◆モニタリングポストの異常ではなかった「異常値」
◆福島県の甲状腺良性結節の現状と医療費補助
◆「子ども脱被ばく裁判」はじまる
についてもご報告します。

ni0615田島直樹
====================================
でんわ 080-6642-2864
めーる hamasa7491あっとhotmail.com
放射線被ばくを学習する会 共同代表
ほーむ http://www57.atwiki.jp/20030810
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農村の中でも最も軽視されている、へき地を守ることの重要性をもっと論じなければならない。 by limitlesslife
April 3, 2015, 12:29 pm
Filed under: 医療
近年はわが国でも、プライマリ・ケア(第一次医療)や
コミュニティ・メディシン(地域医療)などの重要性が説かれ、
医療の第一線性や総合性が大切であると、一応論じられてはいる。
しかしそれは表面の議論であって、実際には、
学生は大病院志向で、自分の技術を磨くことにのみ心を奪われている。
結果としては、都会を愛し農村へき地を嫌うことになるという。

私どもはなぜ農村を守らねばならないのか。
ーーー私どもは、ただ農村だけに力を入れているのではない。
現在あまりに、都市に、とくに大都市にすべてが
「集中」し過ぎていることの危険を論じているのである。
こんなアンバランスはいけない。
農業を守らず、農村の自然環境を破壊していけば、
これから二十一世紀はどうなってしまうか。
農村の中でも最も軽視されている、
へき地を守ることの重要性をもっと論じなければならない。
その主旨から農村地域とくにへき地の「医療の正当な分布」
を主張するのである。
古くて、しかも新しい「無医村問題」である。

そこで私自身の具体的提案を申し上げてみたい。

医学部卒業生は、「卒後研修」二年間を終わったら、必ず、第一線の
「へき地的」なところで、診療所勤務を少なくとも二年間やる。
これを義務制とする。
この4年間を終わって後、大学などへ行って、
専門技術者になるかどうかは、全く個人の自由とする。
とにかく、第一線の「一般医」たる基礎的修練を、
あらゆる医者は身につけねばならぬ。
そうでなければ、「人間」を救う医者にはなれない。
地域社会生活を営んでいる「人間」を理解しなくて、
どうして本当のヒューマニズムが、医者に出てこよう。

もちろん、これには少なくとも次の三つの必須条件が要る。
一には、その研修期間の医者の待遇が十分であること。
二には、大学または病院での研修が、その間にもある期間続けられること。
三には、地域住民の、物質的、精神的支援が大きいこと。
ことに第三の問題が重要で、
ここにへき地医療成否の、鍵があるとまで言いたい。

(「農村医療」誌第93号、佐久病院、若月俊一、1992)

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若月俊一さんを悼む 朝日新聞06年8月31日 by limitlesslife
August 28, 2014, 7:37 am
Filed under: 医療

若月俊一さんを悼む 朝日新聞06年8月31日

最初にお目にかかったのは佐久総合病院研修医の採用面接でした。
大きな声で我々に質問し討議して、その場を仕切っていらっしゃいました。

ある当直明けの早朝、院長室に呼ばれ、えらく怒鳴られました。
なんであんなに叱られたのか、今はいい思い出となりました。
研修修了の早春、大学に戻る私は送別の宴を開いていただき、ハッパをかけられまし
た。

家族5人で佐久地方の山中に暮らし、村の医療に取り組んで十年余。
診療中、外科医時代の先生の思い出が語られます。
明治・大正生まれの患者さんは、おなかの古い手術痕を誇らしげに披露されます。
山の村のお年寄りを見送り、先生を見送る巡り合わせになりました。
「佐久病院の昭和」が終わりました。

先生が「農民とともに」「村で病気とたたかっていた」ころ、農村は部分的にしか医
療保険に守られていませんでした。
「医者どろぼう」という言葉も生きていたと伺います。
先生は全国民をカバーする皆保険制度を実現するため、必死に取り組まれました。
その皆保険がいまや空洞化し、国内に格差が拡大しつつあります。
医者が「どろぼう」と呼ばれる時代に逆戻りしてしまわないよう、未来を闘いとらね
ばなりません。

「予防は治療に勝る。そう我々に教えてくれたのはドクター・ワカツキ」

敬意を込めたスピーチに驚いたのは、医学生でフィリピン・マニラに滞在していた時
でした。
先生が率いた農村でのプライマリーヘルスケア。
佐久病院のこの分野の実績は、世界保健機関(WHO)によるアルマアタ宣言(78
年)に30年先行するパイオニアワークです。
78年、「サクのワカツキ」が世界医師会大会で演説してまいた種は、世界各国の保
健活動に受け継がれました。

マニラ駐在のWHO医務官も注目し、今も途上国の若者の心に先生のメッセージを届け
る金字塔になっています。
佐久では実現かなわなかった先生の「農村医科大学構想」。
レイテ島にフィリピン大学医学部分校が設立され、先生の理念は結実しました。

10年ほど前、母校での講演をお願いした時、先生はおっしゃいました。
「東大は権威主義だ、におってくるぞ」
果たしてお話しいただけるものか、心配でした。
「母なる農村を守れ」「学問を討論のなかから」「農村では、演説するな、劇をやれ
」。

当時の私は先生のおっしゃること、よくわかりませんでした。
その後、地域でもまれ、先生のこと、少しは理解できるようになったかもしれません。

「キラワレルコトヲオソレズ/ドロヲカブルコトヲオソレズ」

空襲下の東京から臼田に移って六十余年。
親分肌の気配りで、一筋の道を突き進んだ先生の心意気と存在感を当地に感じます。
思想によって集めた力を、いかに政治的に使うか。
先生の孤独、困難もまた、これに尽きることでしょう。

宿題として残された「メディコポリス構想」(医療・福祉・教育などを連携し、若者
の雇用を地域に確保する)実現にむけた新たな模索。
それは地域の民主化と医療の社会化を目指す運動です。
私たち後輩医師は、暮らしと仕事、技術そして文化と平和を一貫して考え抜いた「若
月学」を語り継いで参ります。

(佐久総合病院内科医 色平哲郎)